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年齢別のお年玉の相場はいくら?キャッシュレスの活用も調査!

年齢別のお年玉の相場はいくら?キャッシュレスの活用も調査!

ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とiBankマーケティングが共同運営する「マネーインサイトラボ」では、デジタル時代における、人々のお金に関する意識・価値観・行動の変化に関する調査・研究を実施し、その結果をご紹介しています。

今回のテーマは「お年玉」です。日本に古くからあるお年玉の文化ですが、2025年現在、あげる側のお年玉事情はどのようになっているのでしょうか。自分があげている金額は相場と比べてどうなのか?何歳まであげるべき?など気になる方もいらっしゃると思います。

また、近年普及率が上がっているキャッシュレスが与える影響にも注目していきたいところです。

2025年1月にお年玉をあげた方を対象に、Z世代(19~27歳)、Y世代(28歳~43歳)、X世代(44~59歳)に分けて探ってみました。

お年玉は未就学児~社会人になる前まであげるのが一般的

2025年お正月のお年玉事情の前に、お年玉をあげる対象の年齢に関するアンケート結果を見ておきたいと思います。一般的に、お年玉は何歳から何歳まであげるものだと考えている人が多いのでしょうか。

あげ始める年齢層は「未就学児」が73.3%と最も多く、その次に多い「小学生(1~3年生)」24.4%と合わせると約9割とほとんどの方が小学校の低学年までにはあげ始めるものだと考えています。最後にあげる年齢層は「大学・短期大学・専門学校生など」が62%で最も多く、「高校生」28.7%も入れるとこちらも約9割になります。

このことから、未就学児や小学校低学年のような幼い頃から社会人になる前の学校に通っている時期、つまり、就業して収入を得るようになるまでがお年玉をあげる対象だと考えている人が多いことがわかります。

親や祖父母、兄弟姉妹など子ども以外にあげるケースも

では、ここからは、2025年のお年玉事情についてです。

まずは、お年玉をあげた相手についてですが、Z世代は自分の子どもや孫、Y世代は自分の孫がまだいない人がほとんどのため、それがアンケート結果にも反映されている前提で見ていきます。

全体では「親戚の子ども」にあげた人が約7割と最も多く、次いで「自分の子ども」が4割弱と身内の子どもにあげるケースが多いことがわかります。

また、「自分または配偶者の親・祖父母」や「自分の兄弟姉妹」にあげたという回答が一定数あり、お年玉は子ども以外にも、久しぶりにあった家族に日頃の感謝を伝えたりお小遣いのような意味合いでお金を渡す機会にもなっているようです。

特に、親・祖父母にあげた人は16.6%と「自分の孫」にあげた人よりも多くなっています。
世代別では、Z世代の「自分の兄弟姉妹」にあげた人が3割以上という結果が目立っています。まだ若いZ世代ですが、自分よりもさらに若い兄弟姉妹にお年玉をあげているようです。
 

あげる相手や自身の年齢と共に上がるお年玉の相場

続いて、一人につきあげたお年玉の金額を相手の年齢層別に見ていきます。

あげた相手の年齢が上がるにつれて金額も上がり、未就学児や小学校低学年の場合は1,000円~3,000円未満、小学校高学年になると3,000円~5,000円未満が最も多くなります。

中学生・高校生は5,000円~10,000円未満、大学・短期大学・専門学校生や社会人は10,000円~30,000円未満が多いようです。

これらを相場と考えるとお年玉の金額で毎年悩んでいるという方には、今後の参考になるかもしれません。

また、あげたお年玉の合計金額を世代別に見てみると、Z・Y世代では10,000円未満、X世代では10,000円以上30,000円未満が最も多い金額帯でした。年齢が上がるにつれて、親戚などに子どもが増え、収入も増えていくことであげるお年玉の合計金額も増えていくようです。

「現金を手渡し」97.2%、Z世代は過半数がキャッシュレス活用意向あり

お年玉の渡し方については、世代間での差はほぼなく、全体の97.2%が現金を手渡ししています。近年、決済や送金にキャッシュレスを利用する人が増えていますが、お年玉を渡す手段として利用している人はほとんどいないようです。

では、今後、キャッシュレスを使いたいと思っている人はどのくらいいるのでしょうか。

世代別に見ると、若い世代ほどキャッシュレスの活用に前向きで、特にZ世代は「積極的に活用していきたい」が17.9%と他の世代の2倍以上で、「機会があれば活用していきたい」と答えた人まで合わせると半数以上の人に活用意向があることがわかります。

キャッシュレス「活用していきたい派」は利便性重視

キャッシュレスを「活用していきたい」と答えた人は、お年玉袋や現金を新札で準備する手間が不要で、遠方に住む人にも簡単に渡せる手軽さや、履歴が残ることによる管理のしやすさなど、その利便性に魅力を感じているようです。また、キャッシュレス化が進む中でお年玉もいずれはそうなるだろうから…と考えている人も見られます。

「活用する気はない」と答えた人は、お年玉袋に入れて現金を手渡すことによる特別感、手渡す際のコミュニケーション、教育的観点などに重きを置いている人が多いようです。

お年玉でのキャッシュレスを「活用していきたい」派は利便性の高さからキャッシュレス活用を支持しており、「活用するつもりはない」派は情緒的な面から現金での手渡しを今後も継続したいと考えていることが窺えます。

お年玉でのキャッシュレス活用意向に関するコメント

「活用していきたい」派
<手軽さ>
「ATMで現金を用意して、財布から出す動作が面倒」(X世代)
「遠方にいる家族にも渡せる」(Z世代)
<管理のしやすさ>
「誰にあげたかデータで残って後で見直しやすい」(Y世代)
<時代性>
「電子マネーが主流であるため」(X世代)    
「キャッシュレスの時代だから」(Z世代)

「活用するつもりはない」派
<お年玉らしさの欠如>
「現金であげた方が特別感が出る」(Z世代)
「お年玉袋で貰える方が子供としては嬉しいと思う」(Z世代)
<コミュニケーションの欠如>
「手渡しした時の相手の嬉しそうな笑顔がみれる」(X世代)
「(キャッシュレスだと)貰った感が少ない」(Y世代)
<教育的観点>
「物理的にお金を渡してこそ、お金のありがたみが伝わりやすくなると思う」(Z世代)

まとめ

今回の調査では、2025年お正月のお年玉について、あげる側の視点であげる相手との続柄・関係性や年齢層別の相場などを見てきました。

その中で、現代のお年玉は、子どもに対してだけでなく、親や祖父母、兄弟姉妹などの家族に、久しぶりに会うお正月という機会に日頃の感謝を伝えたりお小遣いのような意味合いでお金を渡す機会にもなっていることがわかりました。

また、キャッシュレスでの送金ついては、世の中での普及率の割にはまったくと言っていいほど利用されていませんでした。昔からの風習でもあることから「お年玉らしさ」を重視し、現金で渡すことにこだわりたいという人が多いようです。

しかし今後、キャッシュレス活用に意欲的なZ世代が30代、40代と年齢が上がり、お年玉をあげる機会が増えてくるに連れて、よりキャッシュレスの利便性を感じて活用する人が増えていくかもしれません。

【調査概要】
調査対象:Z世代(19~27歳)、Y世代(28歳~43歳)、X世代(44~59歳)
調査集計期間:2025年1月9日(木)~ 1月20日(月)
調査機関:iBankマーケティング株式会社
調査方法:インターネット調査
有効回答数:4,397サンプル(Z世代 320、Y世代 1,396、X世代 2,681)
※各データの内訳は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が必ずしも100%にならない場合があります。

【マネーインサイトラボについて】
マネーインサイトラボは、ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とiBankマーケティングが共同運営するお金に関する調査・研究組織です。デジタル時代における、人々のお金に関する意識・価値観・行動の変化や、新しい金融サービスの可能性について新たな視点を見出すことを目的に活動しています。