お金

自分への投資と株への投資、長期で見た時コスパが良いのはどっち?

山崎俊輔のライフプラン3.0時代を生きるルール 山崎 俊輔

自分への投資と株への投資、長期で見た時コスパが良いのはどっち?

自己投資は株の投資よりパフォーマンスがいい?

お金をどう「投資」するかは若い時期の悩みです。例えばNISA口座を活用し投資信託を購入すれば株式投資等が行えます。もちろん直接個別銘柄を保有する選択肢もあります。これらはお金を大きく増やすための手段です。

しかし、「自己投資」という投資の方向性もあります。お金をかけることで仕事をする力が高まれば、自分自身の稼げる力がより高まります。

自分のビジネススキルを高めることができれば、昇格昇給が早まるかもしれません。ボーナスに個人の能力を大きく反映する会社や業種(営業など)では、スキルアップが年収アップに直結することもあります。

あるいは転職において有利に働くこともあります。自分のビジネススキルを裏打ちするために資格が役立つことがあります。もちろん国家資格が必須の業務などは資格取得が自分の待遇を決めることになります。

このとき「株式投資で増やすパフォーマンス」と「自己投資で増やすパフォーマンス」はどっちが高いか考えてみたことはあるでしょうか。

いい機会です。いくつかのシミュレーションで比較をしてみましょう。

投資のパフォーマンスは年4~7%くらいを見込める

まず株式等の資産運用について考えてみます。特定のアセットクラスに集中させずに分散すると年3~4%位の期待リターンが想定されます。例えば、国内外の株式と債券にまんべんなく投資をする国の年金運用は、過去の平均運用利回りが年4.2%の実績となっています。

株式だけに投資対象を絞り込むと、リスク(特に大幅な市場下落時の影響)は大きくなりますが、期待リターンも高まります。

仮に2010年4月から2025年6月まで毎月1万円を積み立てたとすれば、元本183万円の積み上げになります。これだけでも大きな資産に育っていますが、グローバルに株式投資をしていた場合、なんと680万円位まで増えているのです。

これは年15.78%にもなる高い利回りです。ただし、リーマンショック以降の株式市場の回復から近年の上昇だけを織り込んでいる数字であり、下落期間がほとんどないことには注意が必要です。
(株価指数連動定額積立投資シミュレーション・ソフトの「FIWAつみたてインディくん」で試算)

自分のキャリアアップにつながる資格や知識にお金を使ってみるとどうなるか

それでは自己投資がどれ位の「パフォーマンス」になるか、考えてみましょう。先ほど資産運用に回したお金を、自分自身に使っていたとしたらどうでしょうか。

資格試験の勉強の費用は千差万別です。数千円のテキストや数万円程度の研修だけで取れる資格もたくさんあれば、10~30万円といった受講費用が必要で、半年以上みっちり通学しないと合格が難しい資格もあります。

また、コスパの判定が難しいのは、「取得した資格が、実際にどれだけ年収を高めたか」の計算は人それぞれになることです。私自身、いくつかの資格が自分の年収を高めたと思いますが、具体的に計算するのは難しいところです。

それでも、ざっくり計算してみましょう。
まずは10万円前後で取得した資格が、月1万円以上の給与アップにつながった場合です。これは十分に元は取れます。

仮に最初の年に10万円をかけて資格取得、その後14年間(先ほどの投資の例が15年の試算だったので同期間で概算)、月1万円給与が増えたとしましょう。費用を引いても158万円のプラスということになります。

その後、定年退職までそのプラスがずっと継続すると考えれば、パフォーマンスとしては年15%どころではありません。株式投資より自己投資の方が効果的といえます。

転職を挟んだ場合、資格と経歴を総合的に評価してもらえれば、そこで月5万円以上のキャリアアップになることもあります。あるいは社内で能力向上が評価されて昇格昇給につながり、月5万円の給与増などが実現したとすれば、コスパはさらに高まります。年60万円のプラスがその後ずっと続くのであれば、何十倍ものお得さです。

若い人ほど、自己投資にもお金を使ってみよう

もし「何から手を着ければ良いのか分からない」という人がいたら、上司との面談で相談をしてみるといいでしょう。「自分の能力を高めるため、資格を取るとしたら、何がいいでしょうか?」と聞かれたら、多くの上司は親身に相談に乗ってくれるはずです。

「昇格昇給を目指して、どこから頑張ればいいでしょうか」のような質問も、社内研修の受講を提案してくれたり、学ぶべきテーマを示してもらえたりします。自分が気が付かなかった世界が見つかれば儲け物です。

会社のお金で学べるならそれも理想的ですが、若い人は自分の年収を高める可能性にも少しお金をかけてみましょう。

そして、可能であれば「キャリアアップによる年収増を、積立投資額アップに回す」ということもやってみてください。うまくいけばさらなる資産増が実現するはずです。

勉強の秋、なんて言いますが、秋から冬にかけて、何かひとつ、資格を取ってみてはどうでしょうか?