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マンションリノベーションの予算はいくら?

300万円でかなうコト 松山 真介

マンションリノベーションの予算はいくら?

目次

最近よく聞くマンションのリノベーション。実際にどんなふうに進めるのでしょうか。 今回は、福岡市内でさまざまなリノベーションを手がけるリノベエステイトの松山真介さんと一緒に、現在リノベーション中の現場に赴き、リノベーションの予算やノウハウについて伺いました。

マンションリノベーションの目的は?

今回のマンションリノベーションの施主は30代のNさんご夫婦です。今までは賃貸マンションに住んでいましたが、お子さんが生まれたのをきっかけに、このまま家賃を払い続けるよりはと、住宅の購入を決めました。仮に家賃が8万円としたら、10年払い続けると1000万円くらいになるので、それならいっそ購入したほうが合理的ではないかと考えたのだそうです。

松山さんは物件探しからお手伝い。Nさんは条件に合う場所に築21年の3LDKのマンションを見つけて購入、リノベーションをして間取りを変えることにしました。

「築21年というと、築年数が経っているなと感じる人もいるかもしれませんが、リノベーションなら、これくらいの築年数は普通。鉄筋コンクリート造の集合住宅は非常に耐久性があり、構造体自体は100年くらい持ちますので、リノベーション向きなんです」と松山さん。

間取りを変えることにした理由は?

ルーフバルコニー

 

この物件の良さは、何といっても広いルーフバルコニー。ところが、以前はこのルーフバルコニーに面して2つの部屋があり、せっかくの眺望を生かしきれていませんでした。

そこで、松山さんと相談して、3LDKだった間取りを広い1LDKに変え、バルコニーに面する空間を、家族が毎日眺望を楽しめるリビングルームに変更することにしたのです。

「夫婦と小さな子ども1人なら、当面3LDKは必要ありません。子どもさんが大きくなったときに子ども部屋として使えるように、リビングルームの一角は余裕を持たせています」(松山さん)

眺望を遮る部屋のせいで窮屈なリビングだった改装前

こちらが、工事前のルーフバルコニーに面した2部屋と狭いリビングルームの写真です。

・ルーフバルコニーに面した工事前の2部屋(下写真)

N邸工事前の洋室

出典元:株式会社アポロ計画

N邸工事前の和室

出典元:株式会社アポロ計画

・工事前のリビングルーム(下写真)
この写真の右側に2部屋あり、せっかくの眺望が生かせていませんでした。工事後はルーフバルコニーのすぐ横にリビングが移動します。

N邸工事前のリビング

出典元:株式会社アポロ計画

マンションは戸建てに比べて間取りを変えにくい?

どうしてもマンションの場合、自由に間取りを変えにくいイメージがあります。

確かに、戸建てとの違いはマンションには「専有部分」と「共用部分」があり、共用部分は手を加えることができません。バルコニー、玄関扉、サッシは、専有使用権はあるものの共用部分に当たりますので、バルコニーの床にデッキをねじで止めたり、玄関扉やサッシを変えたりはできないので注意が必要です。

そこさえ気をつければ、「構造体に手を入れることはできないという点は、マンションでも戸建てでも変わりません」と松山さんは話します。

マンションリノベーションで気をつけるべきポイントは

最も気をつけるべきポイントは「給排水の配管」です。

マンションには、上階から下階までタテに通っている竪管(たてかん)と、そこから各戸につながっている横管があります。竪管は共用部分で、マンション全体で管理しますが、横管は専有部分で、持ち主がメンテナンスしなくてはなりません。

年数が経つと配管の内部にサビが出てきますので、築20年以上のマンションの場合は、リノベーションをする時に横管も交換した方がいいのだとか。

また、水回りの位置の変更にも気をつける必要があります。

今回の物件では、キッチンは竪管のすぐ横、壁際の暗い場所にありましたが、キッチンを部屋の中心に据えることにしたため、下の写真のように配管を部屋の中央まで伸ばしました。

・工事前:狭い隅にあったキッチン(下写真)

工事前のキッチン

出典元:株式会社アポロ計画

・工事中:配管を部屋の中央まで伸ばして、キッチンを部屋の中央に移動させます(下写真)

配管工事

 

このように水回りの位置を変更できるかどうかは、排水の水勾配が取れるかどうかで決まります。「変更できるかどうかを事前に施工業者によく相談してください」と松山さん。

 それから、忘れてはいけないのが防音。集合住宅ですので、周りの迷惑にならないように、きちんとしておきたいですね。

リノベーションの予算の目安はどれくらい?

気になるリノベーションの価格ですが、施主の希望や予算に応じて柔軟に対応できるため、ケースバイケースで目安が出しにくいのだそうです。

松山さんによると、だいたい300万円くらいあれば水回り一式の基本性能アップができるとのこと。

その代わりに、面白い予算の目安の建て方を教えてもらいました。毎月の支払額、つまり、ローン(物件取得費用とリノベーション費用)+管理費+修繕積立金が、近隣の賃貸物件の相場価格と同等になるよう予算を組むと、将来住み替えのために賃貸に出したとしても、家賃収入と毎月の支払額がプラスマイナスゼロになります。これが予算を考える際の一つの目安にできるそうです。

「住宅を資産と考え、ライフステージに応じて、場合によっては売却したり賃貸に出したりして住み替えていくという視点も大事」というのが松山さんの持論。同じ家にずっと住むのではなく、家族の状態によってより柔軟に売却したりリノベーションしたりするつもりで考えていけば、一生に一度「家を建てる」というハードルはかなり下がりますね。


見せていただいたお家は眺望抜群。完成後が楽しみです。

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