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もしもの時の備え、山岳保険は必要か?

500円でかなうコト のぼろ編集部

もしもの時の備え、山岳保険は必要か?

のぼろ編集部

目次

山登りの先輩に「山岳保険に加入するのは、ハイカーのマナーだよ!」と言われました。それに、もし遭難した場合、捜索費用は莫大になるとか・・・。登るのはもっぱら低山だから必要ないと思っていましたが、やはり山岳保険は必要? 山のリスクへの備えについて、のぼろ編集部の中村真悟さんに聞いてきました!

低山にしか行かない人にも保険は必要?

佐賀県黒髪山

出典元:のぼろ編集部

「はい、必要です」と即答された中村さん。「保険をかけておくほうが断然いい」と断言される理由を伺いました。

日常生活の中でも、交通事故もあれば、転んで骨折したり捻挫したりするなど、さまざまなリスクが常にあります。それに備えて、傷害保険などに加入している方も多いはず。山よりも日常の方がリスクは多いかもしれません。でも、日常生活では、転んでけがをしても、ほとんどの場合、救急車がすぐに来てくれますし、病院も近くにあります。「でも、もし山の中だったら?」と中村さんは問いかけます。

たしかに、山でケガをして動けなくなれば、迅速な対応が取れない怖さがありますね。こうした対応の遅れは、場所や季節によってはそのまま命の危険に繋がります。山は日常とかけ離れた場所。高い低いにかかわらず、もしなにかが起こったら厄介な事態になることを知っておく必要があるのです。そして、山で遭難したら、お金がかかるのはもちろん、たくさんの人に迷惑をかけることになります(場合によっては二次遭難の危険もあります)。この点はしっかり覚えておきましょう。

また、一口に低山といってもさまざま。例えば、佐賀県にある黒髪山(516m)は、標高だけみると低山の部類に入りますが、ルートの途中には鎖で岩の壁を登る少し危険なところもあるのだとか。そうした場所で、足を滑らせて骨折という可能性もゼロではありません。もちろん、一般的に高い山ほどリスクは増えますが、低山でもリスクは常にどこかに潜んでいます! だから、それに備えた「保険」に入っておくことが大切なんですね。

山岳保険ってどんなもの?

岩場を登る

出典元:のぼろ編集部

山の遭難では、ヘリによる救助が必要な場合が多々あります。こうした救助は警察、消防、民間ヘリ会社などによって行われます。救助要請が入ったときにまず出動を検討されるのが警察か消防の防災ヘリ。でも、もし他の用途に使われていたら出動することはできません。その場合は、民間のヘリに依頼することになります。ただし、そうした費用は高額で、なんと1時間あたりで約50万円かかるのだそうです。そうした負担は、当然遭難した本人にかかってきます。

ある遭難者が救助隊にヘリでの救助を求めたとき、民間のヘリしか空きがなく、6時間の救助で300万円かかると聞くやいなや、「あれ、けがが治った。自力で下山します」と答えたという、いささか不謹慎な話があるほどです。

そんな万が一のときに頼りになるのが「山岳保険」というわけ。

「山岳保険」は大きく分けると、単発と年間の2種類があります。単発とは登山するたびに掛ける、掛け捨ての保険で、ワンコイン500円で加入できるものがほとんど。インターネットから簡単に加入でき、即日保障の保険もあります。年間とは、保険料5000円前後で1年間の登山を保障してくれる保険で、こちらも掛け捨てです。一見高額に感じますが、1カ月で考えると約420円。登山回数の多い人には、こちらの方がオススメかもしれません。

保障内容や条件は保険によって異なるので、自分に合ったものを調べましょう。「特に、けがや入院、手術などに関しては、普通の傷害保険で補える場合もあるので、加入している保険があるならば、その内容や条件を改めて確認してみるのもよいでしょう」(中村さん)

山での安全を確保するために必要なものは?

コンパス画面

続いて、登山に絶対欠かせないものについて教えていただきました。それが「山登りの三種の神器」です。

山登りの三種の神器とは「ザック・登山靴・レインギア」を指しますが、中村さんによると、もう一つ、山での安全確保のために不可欠な「裏の三種の神器」もあるのだそう。

その一つが「登山届」。たとえ低山でも、第三者に「いつどこの山に行く」旨をメモやメールでもいいので伝えておくことが大切です。「特に『コンパス』というオンラインの登山届システムはとても便利ですので、ぜひ活用してください」と中村さん。二つめが前述の「山岳保険」。そして、三つめが「ココヘリ」という捜索ヘリサービスです。遭難者の体力面でも捜索費用の面でも、遭難場所の特定は早いに越したことはありません。そんなとき、迅速にピンポイントで捜索してくれるのが、年間3650円で加入できる「ココヘリ」なのだそう。


いろいろとお金がかかるように感じるかもしれませんが、なにかあった際に生きて帰ることが一番! やはり「備えあれば憂いなし」ですね。『季刊のぼろ』vol.15でも「遭難への備え」について詳しく紹介されているそうですので、ぜひ参考にしてください!

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