くらし

新築よりマンションリノベを選んだ理由は?/3人家族30代Nさんの場合

100万円でかなうコト 松山 真介

新築よりマンションリノベを選んだ理由は?/3人家族30代Nさんの場合

今回は、福岡を拠点にリノベーションを手がけるリノベエステイトの松山真介さんにマンションのリノベーションのポイントを聞く後編。今回は、以前工事中に伺ったお宅がいよいよ完成! 施主のNさんご夫婦にお話を伺いました。

前編はこちら

リノベーションを選択した理由とは?

リビング

 

家の中に入ると、広々としたリビングルーム。窓の外には、これまた広いルーフバルコニー。ご夫婦と6カ月のお子さんの3人家族のNさんは、築21年のマンションを購入し、リノベーションをしました。リノベーションを選んだ理由は何だったのでしょうか。

「妻の方がもともと興味を持っていて、雑誌とかでリノベーションの事例を見て、こんなのがあるらしいよって。建売だと自分の好きなようにできないし、かといって新築で注文住宅でやりたいことを詰め込んだら、どんどん費用がかさみそうで。中古のマンションを買って、スケルトン(構造体)だけを残して一からつくりかえるというのが、自分たちに合っているのかなと思いました」と話すご主人。

"家”は、人生で一番大きな買い物。いつ、どこで、どのように決断したらいいか、迷うことも多々あります。そこで助かったのは、松山さんの紹介で保険のプロに費用の面でのアドバイスをもらえたこと。「松山さんは、家の設計だけでなく、ライフプランニングの面からも住宅を考えてくれるところがすごい」(ご主人)。

「専門家から、住宅にどれくらいお金をかけていいのか、ライフプランを見通しながら、具体的に根拠を示してもらえたため、安心して対処できた」と夫妻は口をそろえます。

大きなキッチンを家の中心につくる

実際に住んでみていかがでしょう?という質問に対して、「快適!」「かっこいい!」と即答してくださいました。特に奥様は、キッチンがお気に入りだそうです。「最初は部屋の割合からすると、大き過ぎるんじゃないかなと思いましたが、実際に使ってみると、料理を作るのも楽しいですね」

キッチン

 

確かに、広々として使いやすそうですよね。ちなみに、こちらのキッチンのリノベーション価格は約100万円。

「リノベーション前は壁際にあったキッチンを家の真ん中に持ってきて、キッチンがこの家の中心となるように設計した」と松山さん。床と同じナラの無垢材をキッチンの側壁にも貼って、リビングルームに溶け込むように工夫しているそうですよ。

「間取り変更」「水回り」など、スケルトンの状態でしかできない工事を優先

子ども部屋予定地

 

現在は子どもさんが小さいため、広い1LDKの間取りですが、ソファーの奥の空間(写真上)は、ゆくゆくは子ども部屋にリフォームすることも考えていると話すご夫妻。

松山さんによると、「この空間に壁とドアをつけるだけなら、約20万円あれば可能」だそうです。だから、今回のリノベーションもスケルトン(構造)の状態でなければできない間取りの変更と、特にキッチンなど水回りの移動を優先したとのこと。

「部屋を作ったり棚をつけたり、完成後にもやれるようなリフォームは、住みながら必要に合わせて考えていけばいいんですよ」(松山さん)

収納をトランクルームに集約させることでスッキリした印象に!

トランクルーム

 

もう一つ、間取りのポイントとして松山さんが挙げたのが「トランクルーム」です。トランクルームは、洗面所と寝室、キッチンにつながっています。収納をここに集約することで、動線がコンパクトになるとともに、居住空間がすっきりとしました。

寝室の窓

 

寝室にも一工夫が。リビングとの間の壁に窓を設けています。家族のコミュニケーションを大切にしたいとの思いからだそうです。

照明とスイッチ

 

そのほか、随所に楽しい仕掛けが施されていました。窓枠をはじめ、照明やスイッチなどには工業製品のテイストが取り入れられています。こちらは奥様のご希望とのこと。こんなふうに細かいところまで、住み手の好みを反映できるのもリノベーションの楽しさですね。

 

また、ご主人の趣味は音楽鑑賞ということで、あらかじめスピーカー用の配線を引きました。「後からつけると、コードが見えておさまりがよくないんですよね。必要ないといえば必要ないんですけど、ちょっと贅沢をしました」と満足そうです。


今回のリノベーションにかかった工事費用は1平方メートルあたり約16万円。スケルトンの段階でしかできないことを優先することで、予算の範囲内で自分たちに合った快適な住まいを手に入れたNさん夫妻。住まいを考える時の参考になりそうですね。