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暑い夏山でも涼しく登るには?初心者向け心得と服装・装備の注意点

0円でかなうコト のぼろ編集部

暑い夏山でも涼しく登るには?初心者向け心得と服装・装備の注意点

のぼろ編集部

夏も登山したい! でも暑いのは苦手・・・。夏でも涼しさを感じられる山歩きについて、そして山登り初心者が知っておくべき服装や持ち物(装備)にはどのようなものがあるのか、のぼろ編集部の米村奈穂さんに聞いてきました!

暑い夏の登山でも涼しさを感じられるような、おすすめの山歩きとは?

沢を歩く

出典元:のぼろ編集部

「夏の暑い日差しを浴びながらの稜線や尾根歩きは大変ですよね」と米村さん。今回は夏山でも涼しさを感じられる山歩きについて教えていただきました。

まずは、視覚的・聴覚的にも涼しさを感じられる「渓谷沿いを歩ける山」。季刊のぼろvol.8でも紹介された、福岡県・佐賀県の県境である脊振山の車谷ルート、同じく井原山の水無ルートがお勧め。渓谷沿いは谷になっているので、直射日光を避けて歩くことができ、かつマイナスイオンを全身で感じながら山歩きが楽しめるとか。

「休みの日は、お昼から山に行き、渓谷沿いだけ歩いて帰ることも。本を持参し、川の音を聴きながらゆっくりしたり、お昼を食べたり。山頂に行くだけが山の楽しみではないと思います」と米村さん。

次にお勧めするのは、「山頂から海が見える山」。糸島市にある可也山や二丈岳の山頂からドーンと海が広がる展望は暑さを忘れさせるくらいの爽快感で、海風が吹き抜けて気持ちがいいそうです。ただ、山頂は開けている場所なので日陰がなく、真夏に長時間滞在するには不向きだとか。

最後に、「日が昇る前に登る山」。登山者の間では、「朝駆け」とも言われます。米村さんは初めて朝駆けをした時、「これ日に焼けないすごい登山だ!」と思ったそう。ただ、真っ暗な内から山に入るので、必ず経験者と同行しましょう。

また、大分県のくじゅう連山の牧ノ戸ルートや太宰府市の宝満山の正面登山道など、朝駆け登山者が多い山や土日をチョイスするのも重要。朝駆けはヘッドランプも必須となり、普通の登山よりは難易度が上がりますが、山頂で朝日を見ながらのコーヒーや朝食タイムなど、寒さの心配が少ない夏だからこそ楽しめる魅力も満載です。

暑さを軽減する対策として、服装や持っておくべき装備とは

渓流で顔をぬらす

出典元:のぼろ編集部

夏はとにかく汗をかくので、山頂での汗冷え防止と、不快感を取り除いてくれる速乾性の素材を使用したウエアは必須。

「ウエアは山用で揃えたけれど、下着は普段のもの」という人もいるようですが、特にお勧めしたいのは、下着に速乾性のものを利用すること。下着は、Tシャツやブラウスよりも肌にフィットするデザインなので、汗が出た瞬間から吸収してくれて、肌に汗を残しにくいのです。

「女性はパンツやブラにも速乾性タイプがありますので、合わせて揃えるといいですね。普通のインナーに比べると少し高額ではありますが、山用品は丈夫なので、長い目で見るとコスパがいいですよ」と米村さん。主な素材はウールか化学繊維。汗かきの人には、夏場は速乾性の高い化学繊維がお勧め。天然素材がよい方は薄手のウールを選ぶといいでしょう。

また、日に当たると暑さだけでなく疲れも感じるので、「肌をなるべく出さない」「帽子をかぶる」「サングラスをかける」などの対策もしましょう。

特にサングラスは重要。目からの入る紫外線はさまざまな眼病のリスクを高める原因となるそうです。しっかりサングラスをして予防をしましょう。紫外線・日焼け対策は熱中症予防にもなります。「私は焼けても大丈夫!」と思っている方は要注意ですよ。

夏の登山で多い悩み「虫」、虫よけスプレーは効果的?

手のひらの虫

出典元:のぼろ編集部

夏の山で多い虫は、蚊・ブヨ・スズメバチなど。虫を100%避けることは無理ですが、なるべくなら出あいたくない! 事前にできる対策について教えていただきました。

覚えておいてもらいたいことは、まず、「虫は香水や整髪料など香りの強いものに寄ってくるので山では控える」。次に、「黒いものに寄ってくる習性がある虫もいるので、ウエアなど黒いものは避けることと、髪の毛も黒いので帽子をかぶり頭を保護する」ということ。この点に気をつけて事前の対策をしましょう。

山行中にできる対策としては、虫除けスプレーやザックに装着できる蚊取り線香を使うのがお勧め。「特に虫除けスプレーは、ハッカ油が入ったものがいいですよ。ミントの香りで爽快感があり、リフレッシュにも!」と米村さん。それでも絶対に虫は嫌だ! という方には、帽子の上から被せる防虫ネットという商品が1000円前後でアウトドアショップに売っているとのことですので、検討するのもいいですね。

標高が高くなるほど虫は少なくなります。ですから、「本当に虫が嫌い、でも夏山には登りたい!」という方は高みを目指せ!

実際に、九州の山は標高が低く夏は暑いという理由で、南・北アルプスに遠征に出かける人も多くいるとか。「山に入って虫を見ないことはありません。いっそのこと仲良しになってみては? …ってなれる訳ないですよね(笑)ちなみに私は仲良しです」(米村さん)

山頂に行くだけが山の楽しみではないという言葉に、すごく納得しました。また、身に着けるものを変えるだけでも、涼しさを感じられるとは! 帽子やサングラス、虫よけスプレーなど早速速乾性の素材のインナーを探しにアウトドアショップに行きたいと思います。