甲佐町で日本の夏を楽しむ
監修・ライター
どーもー「夢(む)計画のススメ 」、上田アニです!
先日、たまたまランチで立ち寄ったファミレスで、後ろの席で食事していたのは30代中盤とおぼしき主婦2人組。そのうちの1人が、もう1人の主婦に〝夏休みなんて大嫌い〟とグチをぶちまけていた・・・夏休みに入り、子どもはどこにも出かけず、朝から晩までテレビやYouTubeや、ゲームばっかり・・・そんな感じだから気は休まらず・・・
さらに子どものお昼ごはんの準備や後片付けまで増えて疲れているところに、ダンナは帰ってくるなり仕事のグチ・・・そんな中〝子どもが海に連れてって〟と言ってることを伝えても、「いつ休みが取れるかわからないからムズカシイ」のひと言・・・まだ夏休みに入ったばっかりなのにもうすでに疲れとストレスはマックス。先が思いやられるわ・・・
まあこんな感じだったんだけど・・・ぜひ何とかお父さんが休みを取って、家族できれいな海を眺められたら、お母さんの疲れとストレスも一気になくなるってもんよ・・・
でも、もし海に行けない場合には、自分なりのストレス発散になること、気分転換になることをやるしかありませんな~そうしないとリアル〝酷暑〟になっちゃうよ~(笑)
っということで、読者の皆さんにわたくしおススメのとっておきの気分転換をお教え
しましょう!
夏になると海や山に出かける人が多くなるのは、日本だけに限ったことじゃないのでしょうが・・・海も山もいいですが、夏は〝川〟がいいんです。特にきれいで、冷たい水が流れる川が・・・
ところで皆さんは『やな場(簗場)』ってご存知ですか?「やな(簗)」とは、川の一部に木や竹で組んだ堰(せき)を設けて流れを一カ所に引き込み、そこに竹で編んだ簀(す)を敷き、落ちてくる魚を取る古式漁法のこと。そのやな場が熊本の上益城郡甲佐町にあるんです。
落ちてくるのは〝あゆ〟・・・と言っても、今のところ「浜崎あゆみ」さんが落ちてきたことはありません(笑) そうです!香魚とも呼ばれる〝鮎〟です。
ここ甲佐町上豊内(かみどい)のやな(簗)は、寛永10年、1633年に肥後藩主の細川忠利公の命でつくられて以来、代々の藩主がとれたての鮎を楽しみに訪れた場所なんでございます。
ですから昔は、お殿様の持ち物だったので、「やな場」ではなく、「おやな(御簗)」と呼ばれてたそうです。「城」のことを「お城」と呼ぶのといっしょだね・・・
この日は昼間35℃まで気温が上がってちょっとゲンナリしてたんだけど、鮎が落ちてくる、竹で編んだ簀(す)の部分に近づくと、前から押し寄せてくる水しぶきと簀の下を流れる水の冷気でとても涼しい・・・いいね~ものすごく癒やされる・・・もうここから一歩も動きたくない。
でもお腹も減ったし・・・鮎食べたいし・・・動いた(笑)
【竹コース 3564円(税込)】
今回いただいたのは、鮎づくしの「竹」コース。ご覧の通りの豪華で涼やかな御膳。
何と高級魚の鮎がまるまる3匹も!見ただけで血圧もテンションも上がる!上がる!(笑)
どれから手を付けたらいいのか2時間ほど迷ったあげく(本当は20秒)、お刺身からいただいた。
食感はやわらかくて、しっとり。味わいは淡白な中にもほんのり甘みがあって上品な感じ。
そして鼻に抜ける香りは、キュウリのような、スイカの皮に近い果肉の部分のような香り。
それにしても生まれて初めて食べた鮎の刺身は、品のある大人な味。また一つ〝大人の階段〟登っちゃったなぁ~(笑)
お次は「うるか」。何?うるかって?
・・・エーッ⁉ 知らないの~?日本を代表する歌謡曲の金字塔『なごり雪』を歌ったあの〝うるか〟を!・・・ってそれを言うならイルカだろーっ!しかもボケるんなら水族館でショーをする方のイルカと思ってたのに(笑)
メスの卵とオスの白子からつくる「うるか」は、普段なかなか味わうことのできない高級珍味。味わいはまさに塩辛で、口いっぱいに広がる濃厚な味わいは、思わず冷酒を注文したくなるほど・・・
そしていよいよ鮎料理の定番中の定番、塩焼きをいただきました。
焼きたての塩焼きは絶品!皮はパリッ、身はふわっふわ。尾びれや背びれに塗られた塩を皮にまぶしながら食べるとホント最高!さらに塩じゃなく、蓼酢(たです)に付けて食すと苦み、辛味、酸味がまたいいアクセントになって通好みの味わいに。
蓼(たで)とは、〝蓼食う虫も好き好き〟の蓼。葉に辛味があって、昔から香辛料として使われていたようで、食材の臭みを消し、味を引き立てる陰の立て役者なんだって。勉強になるわ~
他にも「鮎の南蛮漬け」「鮎めし」「鮎のお吸い物」なども非常に美味しくいただいたんだけど、もう一つだけ触れるとしたら・・・鮎の味噌焼き。鮎といったら塩焼きと決めつけちゃってるミス、ミセスの皆様!この味噌焼きを侮ることなかれ!
この味噌が美味いんです!見た目は酢味噌みたいなきれいな黄色なんだけど、甘口で鮎の淡白な味わいにベストマッチ。
聞けば、この店の主(あるじ)のお父様である先代が、試行錯誤の末に作り上げた味噌を約半世紀にわたって守り続けているという秘伝の味噌なんだと・・・秘伝といわれたから
条件反射的に〝レシピを教えて下さい!〟と言ったところ、即答で断られた・・・
〝NO CHANCE〟ち~ん(笑)
いや~それにしても今回もとても贅沢な時間を過ごさせてもらっちゃった。
本当に日本人で良かった~めでたしめでたし。
連日の厳しい暑さにちょっと夏バテ気味のアナタ!やな場で涼やかな景色と川のせせらぎに癒されながら、夏が旬の鮎を食べて心も体もリフレッシュしてみたら?
特にファミレスで熱く〝夏休みなんて大嫌い〟とグチをぶちまけていたアナタにおススメします(笑)