砂漠なのに人気観光地の「マーファ」ホテル&食事&買い物事情を紹介
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監修・ライター
アメリカ南部にある、「陸の孤島」ことMARFA(マーファ)。
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アメリカの辺境地「マーファ」が人気。観光客が押し寄せる背景とは
初めて地名を聞く人も多いかもしれませんが、世界中のアートファンやクリエイターが、何十時間かけてでも“わざわざ”訪れる小さな、とっても小さな街です。日本からはLAかダラスを経由し、国内便に乗り継いで、最寄りの空港へ。そこから車で3~4時間かけて、ようやく目的地・MARFA(マーファ)へ辿り着けます。福岡からだと移動時間、およそ丸一日!
赤枠で囲われているのがMARFA(マーファ)のエリア。端から端まで約2.5km(徒歩30分)。ね!? めちゃくちゃ狭いでしょう!!? 砂漠の中に孤立するように佇むスモールタウンなので、隣町へ行くには車で何時間もかかるという……ポツ~ンとした街。
この街の成り立ちは、鉄道の停車場や軍事基地、牧場が設置されたことで築かれたとか。建物の高さが全体的に低く(平屋がほとんどで、高くても3~4階建て)、空が広くてゆるりとしたムード。古めかしい建物と、人もまばらなストリート。本当に人が住んでいるの……? と一見物寂しい雰囲気が立ち込めていますが、まさか、まさかのギャップ!
Google Mapsに事前にピン打ちしていた目的地へ入ると、センスの良い家具とアイテムの数々が並ぶセレクトショップだったりするのです。この不意打ち、かなりヤバイ。ドナルド・ジャッド氏のアート施設や「Prada Marfa」の存在だけでなく、こういう路面店のクオリティの高さも、海外から観光客を呼ぶフックの一つなのです。
今回は、私たちがMARFA(マーファ)で出合ったステキなセレクトショップ、カフェやレストラン、とっておきのグロッサリーをご紹介! 絵になるアイテム&空間なので、写真とともに最後まで楽しんでください。MARFA(マーファ)に絶対に行きたくなるはず!
セレクトが秀逸! 路面ショップに物欲ノンスト~ップ!
MARFA(マーファ)生まれのアパレルブランド旗艦店「ASHLEY ROWE」
MARFA(マーファ)在住の2人女性デザイナーによる、アパレルブランドの旗艦店。キャンバス風生地を用いたカットオフデザインが特徴で、シンプル&ワークテイストのウエアを展開。実は日本のセレクトショップでも取り扱いがあるんですよ! ここから生まれていたのかぁ~と感嘆。
ウエア、ハット、天然石のセレクトショップ「Communitie」
ウエアやハット、そして天然石を扱うセレクトショップ。こんなアメリカの果て、しかも田舎のMARFA(マーファ)でも〈VISVIM〉を扱うショップがあるのね、とちょっと驚きました。あと日本人が手がけるアパレルブランド〈SHIRO SAKAI〉のアイテムもあり、異国で日本ブランドを知るという“情報の逆輸入”を体感。私は、白い石と薄いブルーの石を自宅のオブジェとして購入! MARFA(マーファ)は天然石も有名みたい。
ひねりの効いたレディスショップ「FREDA SHOP」
こちら、年齢不詳のキュートなお姉さんが迎えてくれるレディスショップ。シンプルだけど、どこか捻りが効いたデザインといい、絶妙な色合いといい、他ではなかなか出合えなさそうなものばかり! こちらでは、海外の女の子みたいなワンピースを購入♪
福岡の〈HIGHTIDE〉の商品も!革小物とステーショナリーの店「Mirth」
静かな店内に、革小物、ファブリック、そしてステーショナリーの数々がディスプレー。オーナーと思しき男性がデスクで作業をしながら、自由に見てどうぞ的な目配せをくれます。文具コーナーに福岡のステーショナリーメーカー〈HIGHTIDE〉の商品があったのを、私は見逃さなかった…!!! 遠く離れた異国で、地元・福岡発のアイテムを見かけるなんて、うれしい~。
お洒落系ならなんでもアリの小さなセレクトショップ「RABA MARFA」
小さなショップだけど、コスメアイテムからファッション小物、ウエア、インテリアまでずらりセレクト。ネイティブ感のあるデザイン&カラーのラグ、重たくなかったら欲しかった~(いつも海外でのショッピングは、トランクの重量問題が立ちはだかるのです)。いや~しかし、こんな自由なファッションを楽しめる女性になりたいものです!
外の鮮やかなトラック前はインスタスポットになっているみたい。
植物由来の手作りソープを販売「MARFA BRAND SHOP」
ここは植物由来の手作りソープを販売するショップ。ソープバーのほか、生活雑貨も揃えていて、またしてもステキなファブリックが。デザインがいちいち可愛いものばかりで、物欲メーターが振り切れちゃいそう。
タダモノじゃなさそうな雰囲気漂うメンズショップ?「Wrong Marfa」
佇まいからして、すでに只者ではない感がぷんぷん! メンズ好みのアイテムが揃うセレクトショップなのですが、2日続けて訪れたけれど、残念ながら不定休にぶち当たってしまった(涙)。ギャラリーのような空間と、センス良い遊び心を配したディスプレー。
どんなアイテムが並んでいたんだろう。間近で見てみたかった~!!!(怪しく窓越しに撮影)
オーガニックの先進国にセンスが加わった、最強スーパーマーケット「THE GET GO」
田舎と思えないほどアンテナが高いオーガニックスーパー。いや、オーガニック先進国のアメリカだからこそ、こんな“陸の果て”でもセレクト眼がしっかり培われているのかも。所狭しと並ぶ生鮮食料品から保存食、コスメに日用品まで、こだわりの品揃え。ただしLAのスーパーに比べると、土地柄やや割高でした。
mymo読者にも自然派アイテム&サプリメントの通販サイト「iHerb」のリピーターがいると思いますが、そこで扱われている商品も充実していましたよ! ほんとトランクのスペースと重量制限が許される限り、あれこれ持ち帰りたいっ! 夢中になりながら友達と1~2時間以上滞在(笑)。
中にはオリジナルグッズもあって、小洒落てる! その土地のスーパーにはご当地商品や手作りのデリもあるし、地元っ子気分を味わえるから大好き! 特にここ「THE GET GO」は、アイテムのセレクトも佇まいも高感度でシゲキ的でした。私はリップや日焼け止め、おやつ、生活雑貨、ミニポーチをゲット。ほくほく!
ホテルの楽しみはギフトショップにあり! 泊まらずとも立ち寄るべし!
MARFA(マーファ)にもデザイナーズホテルが数軒あって、ギフトショップは宿泊者以外も出入り自由。オリジナルのアイテムや、ここでしか出合えないとっておきのものがあったりするので、気になるホテルがあればショッピング目当てに立ち寄ることをおすすめします。
スタイリッシュでモダンなデザイナーズホテル「HOTEL SAINT GEORGE」
JUDDのスタジオ前に鎮座するデザイナーズホテル。フロント横には、アートブックや写真集をメインに扱う「Marfa Book Company」があります。MARFA(マーファ)の歴史を辿れる本があったり、書籍以外にもテキサスらしいテンガロンハットやTシャツ、フレグランスなどライフスタイルグッズもしっかりセレクトされていて、オブジェやプロダクトもアーティスティックでした。
お土産に、「MARFA」のシンボルタワーのイラスト付きホーローカップを購入。
古いモーテルを今風にリノベーションした「Thunderbird Hotel」
※
「サンダーバードホテル」。SFチックなネーミングも好奇心をそそります。ホテル向かいにオフィスと売店があって、アメニティで使われているスキンケア類、ロウハニーやなオーガニックシロップ、ラグ類を販売。一つひとつがこだわって作られていて、感度の高さが伺えます。
ヒッピー気分を楽しめる「El Cosmico」
前編でも紹介した、ヒッピー気分に浸れるグランピング施設。ここの物販コーナーは、下手なセレクトショップより高感度で、雑貨からアパレルまで品ぞろえも素晴らしい!宿泊せずとも立ち寄って、あれこれ物色すべきスポット!
1929年創業!古き良きアメリカの雰囲気漂う老舗ホテル「The Hotel Paisano」
1929年創業の老舗ホテルのこちらは、ジェームスディーンの遺作「ジャイアンツ」の舞台になった場所! アンティークの奥ゆかしさと、ブレることのない重厚感あふれる佇まい、そして圧倒的なムードは、今どきのデザイナーズホテルには表現できない深みのあるオーラを放っています。
ホテル内に複数のギフトショップがあり、文具やスーベニア、キッチュな食器屋などを扱うお店が入っていました。古き良きアメリカらしい素晴らしい空間は、一見の価値あり(ぜひ拝んでおきましょう)。
おしゃれな上にヘルシー。女性好みのカフェとジェラート屋さん
アメリカンなカジュアル朝食が美味!「Do Your Thing Coffee」
モーニングで訪れたのは、倉庫をリノベーションしたコーヒーショップ「Do Your Thing Coffee」。
シナモン&ハニー、そしてチーズ&ナッツ&ハニーを乗せた、カリカリの全粒粉のトーストをチョイス。甘さはあるものの、重たくなくて、これこそアメリカのカジュアルなモーニングって感じで深煎りコーヒーとの相性抜群。夜は地元の新鮮な有機食材を使用した料理も出しているとか。
イートインしながらゆっくりくつろいでいたら、若い男女や個性派なお客さんが次々に来店。街に人の気配があんまりないのに、一体どこから来たんだこの人たちは……!
インパクティブな壁面と、手作りジェラートのお店「Frama」
シンボリックな壁面が目印のジェラート屋さん。隣にコインランドリーがあるから、待ち時間にジェラートで一息つく人も多いのかな?大好きなピスタチオのジェラートを選びましたが、想像していた味とちょっと違ってビックリ(笑)。スゥ~ッとくる独特の味で、雑に言うと「海外っぽい味」★
MARFA(マーファ)のレストラン事情ってどうなの!? そこには意外な答えがアリ!
街の規模が小さいし、住人も少ないことから、レストランの数はごくごくわずか。けれど、その一軒一軒がスタイリッシュで、オシャレで、しかもしっかり美味しい! そこが他の田舎とMARFA(マーファ)の大きな違いだとしみじみ感じました。見た目も良いけれど、どこも新鮮野菜をふんだんに使っているので、体が喜ぶような感覚まで味わえちゃうのです。
おしゃれでヘルシーな移動販売のレストラン「FOOD SHARK」
フードトラックで移動販売をしていた「FOOD SHARK」。今はテラス席を設け、特定の場所で営業していますが、フードトラックはここでも健在! トラックの窓からオーダーと、料理の受け取りをしますよ~。
定番人気のファラフェル(ひよこ豆で作ったコロッケのような揚げ物)サンドは完売していたので、ハムと野菜のラップサンドにしました。巻くよりそのままフォークで食べたいくらいのボリューム……。野菜モリモリで、食べても食べても一向に減らない。結果、おなかいっぱい大満足!
上品で居心地のいい「The Hotel Paisano」のダイナールーム
前述の「The Hotel Paisano」内のダイナーでは、小腹満たしにイチゴとルッコラのサラダ、ビシソワーズのようなスープを。さすがは老舗ホテル。バーカウンターでのラフな食事でも、スタッフの気配りが細かくて、味わいも上品で美味! 車じゃなければワイン飲みたかった~。
こんなに人が住んでたの?大にぎわいの地中海料理レストラン「Stellina」
地中海の家庭料理を提供しているダイニングレストラン。ここも若者やオシャレな人々で大にぎわいだったんだけれど、MARFA(マーファ)の静かなストリートとの対比が今考えても不思議。日中みんなどこにいたんだろう?
日替わりメニューが充実しているようで、ケールがわっさ~と盛られたカツレツをオーダー。サラダとソースと一緒に食べるから、揚げ物でも罪悪感なし! 他もお野菜たっぷり系のプレートをチョイス。ワインが進んで良い気分~♪
MARFA(マーファ)最後の朝は、シンプルなモーニングが美味しいミニカフェ「Squeeze」
MARFA(マーファ)最終日のモーニングは、こぢんまりとしたカフェへ。朝8時から午後3時までの短時間営業(この街でモーニングやっているお店は貴重!)。モーニングはトースト、ソーセージ、スクランブルエッグ、トマト、オーガニックの野菜ジュースという簡単なプレートメニューですが、見た目以上に美味しいっ! 外食続きの旅行だと、このシンプルさと優しい味わいが体内にしみわたって、ちょうどいい塩梅なのです。
そんなこんなで、私たちは2泊3日でMARFA(マーファ)を満喫したのですが、ここでは書ききれないくらいの体験をまだまだ味わいました! ということで次号は【番外編・リアルマーファ&衝撃ハプニング】をお伝えします!