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福岡で今注目の作家やアーティストは?

2000円でかなうコト 大井 実

福岡で今注目の作家やアーティストは?

偶然立ち寄ったお店で、福岡で活躍する作家やアーティストの展示イベントが行われていました。いろんな人がいるんだなぁと思い、好奇心がくすぐられました。もっと知りたい! ずばり、今注目されている福岡の作家は誰ですか?

Q1 小説界の注目されている地元作家と、その作品は何?

A1 雑誌『ヨレヨレ』の編集長・鹿子裕文さんですね。鹿子さんは編集者なんですが、もともと東京で「宝島」などの編集をやっていた人。福岡に帰ってきて地元出版社に一旦入社したものの、退職後は彼曰く「10年間全く仕事がなかった」そうです。どうやって食べてきたんだろう!? と思いますよね(笑)。

彼はあるきっかけで老人介護施設「よりあい」に行き来するようになり、そこの面白い生態に気づいたのだとか。見れば見るほど興味深くて、これを描写してやろうと思って作ったのが、雑誌『ヨレヨレ』でした。老人介護施設の人々が日々繰り広げるドタバタ劇をユーモラスに書き記した雑誌で、社会現象になるほど大ヒットしました。この雑誌は現在廃刊していますが、『ヨレヨレ』の顛末記となる小説『へろへろ』が現在発売中。

なぜ『ヨレヨレ』を作るようになったかなどが書かれ、「よりあい」の人間による特別養護老人ホームを完成させるまでの実話が描かれた読み応えのある一冊です。書き手として超一流の鹿子さんは今後も注目の存在。今いろんな出版社からオファーがきているそうで、数年のうちに芥川賞作家になっているかも…!?

Q2 いま話題の「モンドくん」って、どんな子?

A2 先ほど話に出てきた雑誌『ヨレヨレ』の表紙の絵を描いたり、パルコ出版から画集まで出した絵描きの男の子です。現在も福岡に住んでいる中学生。父親にミュージシャンのボギーさんを持ち、そんな家庭環境もあって、幼少期から一日一枚ずつレコードジャケットの似顔絵を書き続けてきたそう。

力強いタッチや人間味のある表情の個性が爆発していて、小学生ながら数々のコンクールに入賞。これからの活躍がますます楽しみなモンドくんです!

Q3 キューブリックさんで人気のポストカードがあると聞きました。どんな作家さんですか?

A3 今や福岡を代表する若手画家として、全国的にも有名な田中千智さんですね。ノンフィクションの名作家・沢木耕太郎さんの表紙に採用されたり、九州の文芸誌「片隅」では谷川俊太郎さんのイメージ画を手掛けたり、また、東京や海外でも個展をやっています。

彼女のイラストの特色は、作品の背景がすべて黒で描かれていること。闇の中に浮かび上がるようなイラストを描いていて、静かで幻想的な雰囲気がとっても魅力的なんです。

Q4 福岡発のリトルプレス(自主制作の出版物)でオススメはありますか?

A4 「HOWLAND」という最近出たリトルプレスがあります。BOOKUOKA(毎秋開催している本のイベント)のボランティアスタッフとして手伝ってくれたり、うちのイベントにもよく来てくれていた栗山遼くんという20代の男性が、雑誌や本の制作への興味が募って作ったもの。

仕事の働き方や考え方、切り開き方などを4人にインタビューした内容で、働く上で何かきっかけをもらいたい人にオススメです。彼自身もまったく異業種の仕事に就いていたけれど、これを機にライター業に転身したという裏エピソードも。彼自身初のリトルプレスですが、良い出来だと思います。


初めて聞く作家さんや編集者の方もいましたが、福岡にいながらにして全国的に活躍されている人もいてスゴイなぁと思いました。今後注目してみますね。そして、それぞれの作品も気になります! 中には福岡を題材にした本もあるようですし、これなら親近感を抱きながら読めそう♪ 書店で探してみようと思います。