夏との差は〇円!高すぎる冬の電気代を抑える「ゆる節電術」は?
冬の電気代は夏より高くなりがち。その理由の1位はズバリ「エアコン」です。また、エアコンの他にも「照明」や「給湯機」など、冬場は何かと電気を使いがちなので、どうしても夏よりも電気代負担が大きくなってしまいます。
どうやったら節電できるのでしょう。
そこで今回は、夏と冬の電気代の違いについて触れつつ、電気代節約のための省エネ術を紹介します。
冬の方が電気代は高い
一般的に電気代は、冬のほうが夏よりも高くなりやすいです。
総務省の「家計調査(2022年度)」によると、二人以上の世帯における1カ月あたりの電気代平均は、1~3月で1万4847円、7~9月で1万1662円と集計されています。夏と冬でひと月に3000円程度差が発生しているのです。
同データの単身世帯においても、1~3月で7749円、7~9月で6418円と、ひと月あたり1000円程度の差が見られます。
ガス代も高い
冬は電気だけでなくガス代も高くなりがちです。同じく総務省の「家計調査(2022年度)」によると、二人以上の世帯における1カ月あたりのガス代平均は、1~3月で6875円、7~9月で3704円と集計されています。ガスに関しては夏と冬で2倍近くの差があるのです。
IHではなく、ガスコンロで料理をしたり、ガスでお風呂を沸かしている家は、余計にガス代が高くなりがちです。
【夏・冬】消費電力と各家電が占める割合
資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」によれば、家庭における家電製品の一日あたりの消費電力は、夏季で13.1kWh/世帯・日、冬季で14.2kWh/世帯・日と集計されています。
夏と冬で使う電力のうち、各家電製品が占める割合は次のようになります。
【夏季】
エアコン:34.2%
冷蔵庫:17.8%
照明:9.6%
給湯:6.1%
炊事:6.5%
洗濯機・乾燥機:2.3%
温水便座:0.5%
テレビ・DVD:4.6%
パソコン・ルーター:1.0%
待機電力:6.0%
他:11.2%
1日あたりの消費電力:13.1kWh
【冬季】
エアコン:32.7%
冷蔵庫:14.9%
照明:9.3%
給湯:12.5%
炊事:7.9%
洗濯機・乾燥機:2.2%
温水便座:0.6%
テレビ・DVD:4.2%
パソコン・ルーター:0.9%
待機電力:5.5%
他:9.4%
1日あたりの消費電力:14.2kWh
引用:経済産業省資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」より
ご覧のように、夏も冬も、最も消費電力の割合が高い家電は「エアコン」で、2位には「冷蔵庫」が続きます。3位については、夏は「照明」である一方、冬は「給湯」の割合が大きくなっていることが分かります。また、冬は「炊事」の割合が夏に比べて高まっている点も注目です。
一方、「テレビ・DVD」や「パソコン・ルーター」などのデジタル家電は、夏も冬も使う割合はさほど変わらないようです。
家電の使い方を見直すだけ!家電別の簡単節約術
冬は家電の消費電力が増えやすい季節ですが、使い方を見直すだけで節約が可能です。
ここでは、エアコン、冷蔵庫、照明器具、給湯機など、冬に電気代のかかる電化製品の簡単な節約術を紹介します。
エアコン
エアコンは、設定温度と外気温との差が大きいほど、消費電力が大きくなります。地域によっては真冬の外気温が0℃以下になることもあり、寒い日ほど電気代がかさみます。
対策として、冬は設定温度をできるだけ下げることが節約につながります。「省エネポータルサイト」によれば、冬の暖房時の設定温度を20℃に設定することで、年間で電気53.08kWhの省エネ、約1650円の節約になると示されています。
ただし、無理に設定温度を下げ過ぎると、身体が冷えて体調を崩すこともあります。ご自身の体質や体調を考慮した上で、温度を設定するようにしてください。
冷蔵庫
冷蔵庫は、強弱の設定が強いほど電力を多く消費します。冬は部屋の室温も下がるため、「中」から「弱」に下げることで節電につなげられます。ただし室温が高い状態(目安として10℃以上)で弱にすると、中の食品が痛みやすくなりますのでご注意を。
なお、シャープの冷蔵庫のように、冬季の冷凍室の温度調節は「強(冬季)」モードを推奨しているモデルもあります。このように、機種によって推奨する設定が異なるため、製品マニュアルも確認の上、設定するようにして下さい。
冷蔵庫に関しては、その他にも以下のような使い方をすることで、日々の消費電力を抑えることができます。
・食品を詰め込みすぎない
・開閉の回数を減らす
・長く開けすぎない
・壁から適切な間隔をあけて設置する
照明器具
冬は夏よりも日照時間が短いことにより、照明器具の稼働が増えていますので、夏よりも無駄遣いには注意したいところ。
まずは「付けっぱなし」をしないことが大切です。「少し部屋を離れる際でも照明を消す」「昼間や睡眠時など不要な際には消灯する」といった習慣を身につけ、無駄な点灯時間を減らしましょう。
調光ができる照明であれば、光量をMAXにせず50%程度に落とすことで省エネになりますので、使いどころを見極めて活用したいところ。
白熱電球を使用している場合は、省エネ設計がされている「電球形蛍光ランプ」や「電球形LEDランプ」に取り替えることで、消費電力を根本的に抑えることができます。
給湯機
冬場は水の温度が低く、水道管なども冷えやすいため、お風呂のお湯を沸かしたり、温水シャワーを使うために、夏よりも多くの電力を消費します。
「保温」や「追い炊き」をすればさらに電力を消費してしまうため、お風呂を沸かしたら、家族同士でなるべく間隔をあけずに(保温や追い炊きを繰り返さずに)、入浴することが大切です。
また、以下のような工夫も併せて行うのがおすすめです。
・浴槽にフタをする
・シャワーを流しっぱなしにしない
・風呂上りにはタオルで頭をしっかりと拭き、ドライヤーの稼働時間を抑える
など
なお、旅行等で長期不在となる場合は、給湯器の電源を切るか、「休止モード(メーカーにより名称は異なる)」の設定をしておきましょう。
電気に頼らない工夫も大切
冬は、電気だけに頼ろうとせず、他の方法で防寒対策をすることも大切です。電気を消費する暖房器具の利用を抑えれば、結果的に節電につながります。
具体的には、以下のような工夫が挙げられます。
・部屋でも厚手の服装をする
・ホットココア、ホットコーヒー、生姜湯など、身体の温まる飲み物を飲む
・「厚手のカーテンにする」「窓に隙間テープを貼る」など、部屋の断熱対策を行う
・無駄にドアや窓の開閉をしない
など
ただし、近年は異常気象も続いていますので、冬は極寒になる日も多いです。寒さに耐えられない場合には、無理をせず暖房器具に頼るようにしましょう。
冬は夏よりも電気代が高くなりやすい季節です。物価高騰に伴い、電気代そのものも上昇しつつあるため、油断していると多額の電気代を請求されてしまうことも。そうならないためにも、節約術を駆使し、抑えられる所は抑え、冬を乗り越えましょう。