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二人暮らし、生活費のやりくりやお金の管理がうまくいく賢い方法8選

ためる 中村 賢司

二人暮らし、生活費のやりくりやお金の管理がうまくいく賢い方法8選

【画像出典元】「iStock.com/courtneyk」

結婚している夫婦や同棲して二人暮らしをしているカップルの皆さん、どのようにお金を管理していますか?
FPとしてたくさんのご家庭のお金の管理方法をみてきた中で、上手にお金を管理して貯めている夫婦・カップルにはある共通点がありました。今回は、こうした事例をもとに、二人暮らしならではの上手なお金の管理方法についてまとめてみました。

同棲や結婚生活が始まって二人が生活を共にするようになるとお金で揉めるケースもあるでしょう。家賃はどうするのか、食費や通信費、光熱費、駐車場代、娯楽費など毎月さまざまな生活費が必要になってきます。 そこで共働きの二人暮らしを基準にご提案しています。二人でよく話し合って口座を開設したり、お金管理アプリやエクセルを上手に活用したりしながら、二人に最適なお金の管理方法を決めてください。

1)同棲・結婚で二人暮らしがうまくいく家計管理のコツは?

今まで異なった生活環境で育ってきた二人はもちろんお金の価値観も違うはず。だからといってお金の管理から目をそむけず、別々のお財布で生活するのか、お互いの収入をオープンにして二人の収入をまとめて管理するのか、二人でしっかり話し合っていきましょう。

それによって将来のお金の貯まり方が全然違ってきます。

毎月の家賃や日々の生活費はどちらがどれぐらい出すのかなど、二人暮らしを始める前に事前に決めておいた方が良いことがたくさんあります。

これを決めておかないと二人暮らしがなかなかうまくいきません。

私が、今までたくさんのご家庭のお金の管理方法をみてきたなかで、上手くいっているご家庭の共通点は、ズバリ「お互いの収入をオープンにして、一緒に管理している」ということです。

お互い収入を明かさず、家賃や光熱費等の固定費は俺が出すよ、日々の食費等生活費は私が出すわ、というやり方ではお互いどれだけ貯金をしているかわかりません。知らず知らずのうちに、相手がきっと貯金しているだろうと思って自分は無駄遣いしてしまい、ふたを開けてみれば貯金が全然なかった・・・ということもよく聞く話です。

2)毎月の生活費を見える化、毎月の収入と家賃や食費、日用品など支出の把握

相談するカップル
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一緒に暮らし始めた二人が、お金のことで喧嘩をしないようにする秘訣は、先にも述べた通り財布を一つにしてしまうこと。

そのためには、二人の収入と二人暮らしの支出を全て把握することです。たとえ同棲中であっても結婚したばかりでも、共働きをしている場合は特に気を付けましょう。

若い間は、自分のプライベートに少しでも多くのお金を使いたいので、収入を隠してしまいがちですが、それはご法度です。二人でお金の管理をすることで、お金の使い方やお金の貯め方などが必ず変わってきます。

2-1.二人の支出を分類しよう~消費・投資・浪費(7:2:1が理想)
二人暮らしのお金の管理方法を決めたら、次は支出を分類してみましょう。その際、次の3つに分けてみて二人の支出にどこか無駄がないかを見つけていくのがポイントです。

消費・・・食費、日用品など「日々の生活に必要なお金!」
     【使ったお金=得られる価値】
投資・・・本、お習い事、交際費など「将来の自分のために使うお金!」
     【使ったお金<得られる価値】
浪費・・・外食、お惣菜、コンビニなど「本来必要のないムダ遣いしたお金!」
     【使ったお金>得られる価値】

家計簿などをつけて、もし浪費が多かったらそこは注意が必要です。せめて浪費は、生活費の1割程度に抑えましょう。消費:投資:浪費=7:2:1が理想です。

2-2.二人のお金管理の口座を分けよう~収入用・貯金用・支出用
同棲中の二人には難しいかもしれませんが、結婚した後は二人の銀行口座をどのように使うか、その口座の管理方法についても、しっかりルールを決めておきましょう。

まずは、二人の給与やアルバイト代が入ってくる収入用の口座。これは、各々の名義でしか管理できないでしょうから、それぞれの名義の口座を持つようにしましょう。毎月収入が入ったら、その口座から使い道によってお金を振り分けていきます。

次に準備するのが、貯金用の口座です。結婚しているお二人の場合であれば、どちらかの収入を貯金用の口座として貯めておくのも良いでしょう。夫婦であれば、銀行によって「代理カード」を発行できるので、同じ銀行口座でキャッシュカードを2枚発行することができます。

また、地方銀行では通帳でもATMでお金を引き出すことができるので、キャッシュカードと通帳を各々が管理するのも良いでしょう。しかし、都銀の多くは通帳でお金を引き出すことができないのでご注意ください。

2-3.二人の家計簿をつけよう~家計簿アプリ・wallet+アプリ
お金の管理をするのに家計簿は必要不可欠です。

家計簿と聞くと日々のお金の出入りをきちんと記帳していき大変そうなイメージがありますが、最近では家計簿アプリなど便利なサービスがあり、レシートの写真を撮るだけで自動的に家計簿を作成してくれます。

また、wallet+アプリなどを使うと銀行口座やデビットカードと連動しているので、毎月の家賃や水道光熱費、携帯電話など固定費の支出、デビットカードやクレジットカードを使った日々のやりくり費などの管理が一目瞭然です。さらに、目的別に応じた貯金をすることもできるのでとても便利です。

こういったアプリを使えば、紙の家計簿をつける必要はありませんので、二人暮らしのお金を管理する方法としておすすめです。

生活費で食料品を購入
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3)お金の管理ができる人はやっている「具体的な貯金額など予算を立てる」

今まで見てきたように、支出の管理ができるようになったら、次は予算を立てる方法を検討しましょう。家計簿をつけていても予算を立てなければ、それは子どものお小遣い帳と同じです。

予算を立てる方法は、過去の支出を振り返り、どこかに無駄があればその無駄を省き、各費目ごとの予算を立てていきます。

3-1.将来に向けて具体的な貯金の目標を立てよう(住居)
お金の管理方法で大切なことは、収入からまず先取り貯金をするということです。二人暮らしで共働きの場合、お金が貯まりやすいのでしっかりと計画を立てましょう。

将来のマイホーム購入へ向けての頭金作りや、車の買い換え費用、海外旅行や趣味娯楽のお金など、何を目標にするか二人でよく話し合って決めてください。

その中でも、たくさんの方が取り組んでいるのが「マイホームの頭金」です。将来マイホームが欲しいという人は、物件価格の2割を目標に貯めていきましょう。理想は2割ですが、難しい場合はせめて1割は必ず貯めるようにしましょう。3000万円の物件なら300万円が目標ですね。

3-2.毎月の予算を立てよう(費目別がベスト)
予算を立てる時、費目別に計画することをおすすめします。食費、交通費、日用品、交際費、美容理容費、娯楽費などあまり多くの費目は作らず、簡潔にまとめていくことがベスト。

その予算を立てる際、もちろん先月の支出を振り返り、無駄を省いた金額で予算を立てていきましょう。

4)生活費を費目別に分ける、口座を用途別にするなど具体的なお金管理方法

では、具体的にどのようにお金を管理していくかFPがおすすめする方法を一つ提案します。これは、多くのご家庭で実践して上手くいったという声をよく聞きますので、ぜひ参考にしてください。

4-1.貯金と支出口座以外のお金が毎月の生活費
貯金と支出口座を分けた方がよいのは、先にも述べた通りです。まずは「先取り貯金用」の口座を作り、次に家賃・携帯電話・水道光熱費・生命保険や損害保険の保険料など毎月決まった額が引き落としとなる固定費の支出用の口座を作ります。この二つの口座に入れるお金以外が、毎月の生活費となります。

言い換えれば、このお金が今月の生活費の予算となるので、その範囲内でやりくりを上手にしていく必要があります。

4-2.費目別に封筒やお財布に分ける
その時に分かりやすく費目別に封筒を作り、その中にお金を入れておくことをおすすめします。予算を立ててその予算に応じた金額をその封筒に入れておくのです。そして、その封筒の中のお金が少なくなってきたら頑張って節約するようにしましょう。

費目別に分ける方法以外にも、週ごとに分けるという方法もあります。毎週いくら使うという予算を立てることで、1ヵ月のお金の流れを把握しやすくなります。


5)同棲カップル・夫婦でお金管理する3つの方法(メリットとデメリット)

スマホで家計管理
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何度でも言いますが、若い二人が将来へ向けてたくさん貯金するには夫婦別々にお金を管理する方法ではなく、お互いの収入をオープンにして夫婦共有の財産として管理していく方法がベストです。

5-1.共用口座で管理
外国では夫婦共同名義の口座を作ることが当たり前ですが、日本では連名の口座を作ることはできません。どちらかひとりの名義になりますので、その時は代理カードを発行して夫婦で共用の口座として管理していきましょう。

5-2.費目ごとに分担
その際、費目ごとに口座を分担されると良いでしょう。固定費が引き落とされる口座は夫名義、クレジットカード等の引き落としは妻名義など、上手に費目ごとに分けてみてください。

5-3.妻または夫が一括管理
次に口座の管理方法ですが、二人でお金の管理をするのではなく、妻または夫のいずれかが、二人の口座をまとめて管理をするようにしましょう。

二人で自分のお金をそれぞれ管理しているとお互いの数字が分かりにくくなり、またそれぞれの収支を定期的に集計するのも面倒です。よって、どちらか一方が一括管理することを強くおすすめします。

5-4.夫婦で話し合っておくべきこと
上記に加えて夫婦で決めておいてほしいことは、お互いの交際費や趣味娯楽費の予算です。言いかえれば、お小遣いですね。

夫婦でお金を管理することのメリットは、もちろんお金のことをすべてオープンにすることで、お金のことが原因で喧嘩することがほとんどありません。

しかし、デメリットはすべてオープンにしてしまうので、たまに無駄遣いをしたり、趣味にお金を使いたいといってもなかなか簡単に相手の理解を得ることができません。できれば、あまりギリギリのラインで決めず、少し余裕を持ってお小遣いの予算を決めておくと良いでしょう。

6)誰でも簡単!エクセルファイルで収支をつければお金の管理がラク

最後に、もしあなたがエクセルを使えるのであればぜひやってほしいことが、年間決算シートを作るということです。

手書きで決算シートを作ると計算が大変ですが、エクセルの表計算機能を利用することで、とても簡単に作成できます。一度計算式を入れておけば、後は自動計算ですから毎年更新していくことも容易です。

毎月の費目ごとの数字を入力し、1年分を集計し毎年どのように増減しているか振り返って分析してみましょう。

何度も言いますが、家計の収支も企業会計と同様、毎月もしくは毎年の数字を振り返って検証して次年度の予算を立てていくことが重要です。

そうすることで、二人のお金の使い方が変わりお金が貯まりやすくなり、将来豊かな生活を送ることができることは間違いありません。早速、今年からチャレンジしてみましょう。

7)管理しているのは妻?夫?夫婦のお財布管理のリアル

ここまで夫婦や同棲中のカップルにおすすめのお金の管理方法を紹介してきましたが、世の中のご夫婦の財布事情がどのようになっているのか知りたいと思いませんか。下記リンク先ページでは2018年8月にWallet+アプリユーザーを対象に「夫婦のお財布管理」についてアンケートを行った結果を公表しています。夫婦共同で管理しているのか、それとも妻もしくは夫のどちらかが管理している割合が多いのか…。

そして妻が管理するメリット、夫が管理するメリットなどそれぞれの意見もいただいています。気になる結果はクリックしてご覧ください。

夫婦のお財布管理どうしてる?【アンケート結果発表】

8)同棲・結婚の二人暮らしのお金の管理方法 まとめ

今まで見てきたように、同棲や結婚で二人の生活がはじまると、家賃や光熱費、食費などの生活費の話と、海外旅行や車の買い替え、住宅購入など、将来の資金のための貯金を話し合うことが大切。二人暮らしのお金の管理の方法は、共働きであっても別々に管理するのではなく、まとめて一括で管理するということです。これは、数多くのお金の管理方法をみてきた私が言うのですから間違いありません。二人別々にお金の管理をしているところは、お金のことで揉めることが多いように思います。

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「お金が貯まる夫婦」と「貯まらない夫婦」の違い、実例で紹介

夫婦二人の収入を一括で管理して、二人で共通の夢を語り合い、それに向けて貯金の計画を立て、日々のやりくりを楽しみ慎ましく生活していくことで、充実した毎日を送ることができるでしょう。
とはいっても、ポイントはストレスのないようにやりくりするためそれぞれのお小遣いはしっかり確保しておくこと!そして、そのお小遣いの使い方にはお互い口を出さない、これもまた二人暮らしのお金の管理が上手くいく方法の一つです。

皆さんもぜひ実行してください。