【初心者向け】資産運用13種類の特徴を比較、なかでもFPがおすすめする方法は? (2ページ目)
目次
1-6. 企業の業績と国の景気に左右される「株式投資」
資産運用の代名詞といっていいほど株式投資は誰もが知っている資産運用方法ではないでしょうか。
証券取引所に上場している企業の株価は、日々秒刻みで変動があり、業績が良ければ株価は上がりますし業績が悪ければ株価は下がります。では、業績の良い会社に投資をすれば良いのではないかと簡単に考えてしまいがちですが、企業の業績だけでなく、日本やアメリカの景気にも左右されるところも多少あるので、いろいろなリスクを許容しなければなりません。
また、株式投資で得られる利益には、購入額と売却額の差で利益を得るキャピタルゲインと、長期間保有して毎年配当収入を狙うインカムゲインの2種類があります。
株式投資にはデイトレーダーのように頻繁に売買を繰り返して利益を出すようなこともできますが、他に仕事を持っているサラリーマンや自営業ではなかなかそうもいきません。企業の業績を分析して投資をするのも良いですが、まずは自分が応援したい企業などを見つけて投資するのが良いのではないでしょうか。
著者も昔は株式投資をしていましたが、日々の値動きが気になり仕事が手につかなかったので、今は個別銘柄への投資は一切していません。
1-7. 投資のプロが運用してくれるので投資初心者におすすめ「投資信託」
自分で個別銘柄を選んで株式投資ができないような人には、投資信託がおすすめです。投資信託とは投資のプロ(ファンドマネージャー)が皆さんに代わって投資先を選んで投資をしてくれます。また一緒に投資をするだけでなく、投資家から集めたたくさんのお金をいくつもの企業へ分散投資するので、企業の倒産リスクもかなり低くなります。
一口に投資信託といっても種類はたくさんあり、国内や海外の株や債券に投資をしている商品から、不動産に投資をしている不動産投資信託(REIT、リート)というものまであります。また、それらをバランスよく持っているバランスファンドや、指標に連動するようなETF(上場投資信託)やインデックスファンドというのもあります。
インデックスファンドやETFは、比較的手数料が低いので初心者にはおすすめの投資信託です。アクティブファンドという種類の投資信託もありますが、手数料が高いので初心者はまずインデックスファンドへの投資から始める方が良いでしょう。
1-8. 自己資金を年金として積み立てながら運用「イデコ(iDeCo)」
イデコ(iDeCo)とは、個人型確定拠出年金のことをいい、公的年金の国民年金や厚生年金の上乗せする年金を自分の資金で積み立てて運用していく商品です。
運用商品は先に紹介した投資信託などを組み合わせて運用していくのですが、イデコ(iDeCo)の最大のメリットは掛け金が全額所得控除になるところにあります。年間の掛金が全額所得控除となるので、節税効果は抜群です。
ちなみに掛金の上限は職種によって決められており、自営業であれば毎月6万8000円(年間81万6000円)、会社員は毎月1万2000円~2万3000円(年額14万4000円~27万6000円。会社の退職金制度により異なります)、公務員でも毎月1万2000円(年間14万4000円)をかけることができます。また、主婦(夫)も加入でき、毎月2万3000円(年額27万6000円)が掛金の限度額となっております。
掛金の最低金額は5000円で、上記の金額まで掛けることができます。例えば、自営業の方が限度額の約80万円を拠出していた場合、所得税率10%の人であれば約16万円の節税効果があります(住民税の節税額も含む)。これを運用益ととらえると、魅力的な資産運用の方法だと私は思います。
1-9. 現物投資のため金利はなし、それでも人気の「金投資」
今まで紹介してきたものはすべて金融商品なので、ペーパーアセットともいわれています。貿易摩擦や戦争などが起きるとその価値は暴落したり価値がなくなったりすることもあるので、そのような事態が心配という方には現物資産への投資がおすすめです。
現物投資の代表格が「金投資」です。
名称の通り、金を実物で保有するわけですが、1キロの金の延べ棒が500万円ぐらいします。もちろん100グラム、10グラム単位で買うこともできますし、また毎月1万円で積み立て投資をすることもできます。積み立て投資をして、ある程度まとまれば金の現物を自宅まで届けてくれるようなサービスもあります。
「有事の金」とも呼ばれるように、金融市場が混乱したときなどは、世界中のマネーが金投資に流れてきたりします。また景気が良くなったときでも余ったお金が金に投資されたりするので、年々金の価格は上昇しています。
この金投資と先に紹介した金融資産への投資を比較した場合の大きな違いは、金利がないということです。買ったときの価格と売却するときの角の差がリターンになるだけなので、毎年利息や配当が欲しい方に向かない投資方法です。
また、金投資には昔のヨーロッパなどで発行された「クラシックコイン」などへ投資する方法もあります。クラシックコインは金の重量に対する価値だけではなく、その希少価値からプレミアも付くので年数が経てば経つほど価値が上がるという期待もできます。
日本でも昭和の時代、10万円金貨というのが発行されましたが、それに投資をしていると金の株が上がればその分利益が出ますし、たとえ金相場が暴落しても、日本銀行が発行しているので10万円という価格は保証されています。実はこの金貨、今でも人気があります。
1-10. 空室リスクをよく考えて投資を検討「不動産投資」
金投資と並んで現物資産に投資する方法として、不動産投資もおすすめです。不動産投資と聞くと、まとまったお金がないとできないようなイメージもありますが、ビル一棟やマンション一棟という規模でなく、ファミリータイプやワンルームタイプのマンションの区分所有という投資方法もあります。
ワンルームマンション投資では、築年数にもよりますが100万円~200万円で販売されているような物件もあります。不動産投資の最大のポイントは入居者からの家賃収入で、毎月安定した収入が得られるという点です。
一昔前は、テンパー物件といって利回り10%以上という物件がひとつの目安でしたが、最近は不動産価格の高騰により10%の利回りが望める物件も少ないようです。
また、ずっと入居者が住んでいてくれればいいですが、不動産投資のデメリットは空室リスクです。入居者がいなければ収入は全くありませんので、借り入れをして不動産投資をする場合などは、この空室リスクもよく考えて投資する必要があります。
さらに地震などの天災リスクもありますので、よく吟味して物件を選ぶ必要があります。初心者には少しハードルが高いかもしれませんが、信頼できる不動産業者とお付き合いできればチャレンジする価値はあります。
1-11. 売却益が魅力的「FX」
先に紹介した外貨を取引きするという点では外貨預金と似ていますが、FXは全くそれとは異なる投資で証拠金取引といわれています。
為替の変動を利用して売却益を狙う方法もありますが、スワップポイントといって、投資する通貨との金利差を利用して利益を得る方法もあります。スワップポイントは必ず受け取れる利益なのでそれが目的で投資をする人もいますが、ほとんどの方が売却益を期待してFXで資産運用をしています。
FXの最大のポイントは、自分が投資している金額の最大25倍までの取引が可能で、それをレバレッジといいます。レバレッジをきかせることで手元には100万円しかなくても、最大2500万円までの外貨取引が可能となり、為替の価格が1円でも変動すればその利益はとても大きくなります。しかしこのレバレッジを利用するとリスクも増大しますので、損をするときもまた25倍の損をすることになります。
最近では、自動売買をしてくれるFXサービスもあるようです。通常FXは24時間動いているので寝ているときも仕事をしているときも家事をしているときも為替の値動きが気になって仕方がありませんが、自動売買であればある程度放置していても良いので安心ですね。忙しい方には向いているといえるでしょう。
1-12. これから始まる事業に投資する「ソーシャルレンディング」
聞き慣れない名称で初めて聞く方も多いと思いますが、株式投資が上場している会社の株を取引きするのに対し、このソーシャルレンディングはこれから始まる事業に投資をすることができますので、その事業内容によっては大きなリターンを得ることも可能です。
お金を借りたい企業と、お金を貸したい個人をインターネット上でつなげる金融仲介サービスで、大手の金融機関も参入してきていますのでどんな事業に投資をするのかよく見極めて投資をしてください。
小さな事業者では、投資家から集めた資金が実際その事業に使われていなかったという事件もありましたので、事業者選びは慎重に行ってください。
1-13. その他(先物取引や仮想通貨)
金融商品の先物取引として、日経平均先物という資産運用方法もあります。
3ヵ月や6ヵ月先の日経平均の価格を予想して取引するもので、買うばかりではなく売りから入る取引もあります。
その他にも原油や大豆などの先物取引もありますが、そもそも先物取引とはあらかじめ決められた期日(満期日)に決められた価格で取引をするという取引のことをいいます。
通常株式であれば安く買って高く売る、その価格の差で利益が出るのですが、先物取引の場合は下落しても利益が出るようになっています。
半年後の日経平均が今よりも下がると予想するのであれば、今売りの注文を出して期日が来たら買い戻すということになります。逆に価格が上がってしまうと損をするのでこれも注意が必要です。
FX同様、手持ちの資金以上の何倍もの金額で取引をすることができるので、利益が大きくなる分、損失も大きくなる可能性はあります。
また、昨年話題になった仮想通貨も資産運用のとして取り入れている人もいますが、私は時期尚早と考えています。いずれキャッシュレスの時代が来るでしょうから、仮想通貨のようなブロックチェーン技術が一般的になるでしょう。しかし今は投機目的で取引されている人がほとんどで、「億り人」など夢のまた夢・・・私のまわりでは損をしたという声をよく聞きます。