【初心者向け】資産運用13種類の特徴を比較、なかでもFPがおすすめする方法は?
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これまでリスクを取った資産運用をしていない方には、投資というとちょっとハードルが高いかもしれません。
そんな初心者のみなさんのために、資産運用にはどんな種類や方法があるのか、ファイナンシャルプランナーがおすすめする資産運用にはどのようなものがあるのか、今回は比較してご紹介していきます。
資産運用を始めるにあたり、まずどれぐらいの資金を投資に回すかを決めなければいけません。注意してほしいのは、貯金100万円という方が100万円すべて投資に回すのは危険ということです。まずはお手持ちの資金を以下の目的別に分けてみてください。
・流動性資金(使うお金)
普段使う生活費や急な出費に備えた緊急予備費など、すぐに引き出すことができる資金のことをいいます。金額の目安は、毎月の生活費の2~3ヵ月分くらい、いつでもATMで引き出すことができる銀行口座に預けておきましょう。
例)普通預金、タンス預金など
・確実性資金(貯めるお金)
すぐに使うお金ではないが、概ね2~3年後の使い道が決まっている資金はあまり損失のリスクを取った資産運用を行うことができません。しかし普通預金に預けたままにしておくのももったいないので、少しでも利率の良い商品を選んで預けておきましょう。子供の入学金や住宅の頭金、車の車検代や旅行積み立てなどはこちらに割り振ります。
例)定期預金、国債、社債、一時払の生命保険など
・利殖性資金(増やすお金)
これから先10年以上使う予定のない資金は積極的にリスクを取って資産運用しましょう。銀行に預けているだけでは増えないばかりか、インフレによって逆に目減りしてしまうこともあります。資産運用に回すお金の目安は「100 −自分の年齢」くらいの割合がちょうど良いといわれています。30歳の方であれば70%程度ということになります。
例)株式、投資信託、金など
次の章から、この利殖性資金をどのような方法で運用していくか、FPがおすすめする資産運用方法を比較しながら紹介していきます。
1. 13種類の資産運用、それぞれの特徴やメリット・デメリット
ひと口に資産運用といってもたくさん種類があります。一番に思いつく資産運用は、株式投資ではないでしょうか。株式と聞くとちょっと難しそうなイメージがありますが、今ではスマートフォンのアプリで簡単に株式を売買できるようなサービスもあります。資産運用にはさまざまな種類がありますので、自分に合った資産運用方法を見つけてください。
1-1. 日本人のほとんどが預けている「預金」
日本人の金融資産のほとんどが銀行預金といわれています。資産運用をする前にまずはその元手になるお金を貯めなければいけませんので、銀行預金を否定するわけではありませんが、ただずっと貯金だけしておくのはもったいないと思います。
先に紹介したように普段の生活資金は銀行口座に預けておいても良いでしょうが、その他の資金は積極的に資産運用に回していきましょう。
最近では国内の預金金利が低いので、外貨建て(米ドルや豪ドル、ユーロなど)の預金に注目が集まっています。円以外の外国の通貨で預けることにより、日本よりも高い金利で運用することができます。
しかし外貨預金は、預けたときよりも円高ドル安になると自分の資産は目減りしてしまいますので、利用する際は十分に気をつけてください。
1-2. 為替リスクに注意「外貨建てMMF」
預金よりも金利が高いのが特徴で、高格付けの債券で運用しているのがこのMMF (マネーマーケットファンド)です。証券会社に口座を開設して預けることができます。先進国の通貨であればさほど高い金利は期待できませんが、新興国の通貨になると10%や20%といった金利のMMFもあります。
しかし外貨預金同様、為替リスクがあります。投資した国の通貨が下がると投資した資金も目減りしてしまいますので注意が必要です。
1-3. 普通預金よりも金利が高く、リスク低い「国債・地方債・外国債券」
2~3年使う予定のない資金を運用するには最適な資産運用商品です。国債には「窓販国債」と「個人向け国債」の2種類がありますが、個人向け国債の方がおすすめです。個人向け国債は元本割れすることはありません。運用期間が3種類あり、3年満期と5年満期は固定金利タイプ、10年満期は変動金利タイプです。
今は低金利なので、固定で預けるよりは変動金利の10年満期タイプを選ばれると良いでしょう。途中換金する際は、額面金額で必ず国が買い取ってくれますので安心です。
銀行の普通預金と比較して、預金よりは高い金利が設定されているのでぜひ検討してみてください。
また、地方自治体が発行している債券が地方債です。国債と並んでデフォルト(債務不履行)のリスクも低いので、地方債も資産運用の候補に入れておきたいですね。
債券の種類には円建てばかりではなく外貨建ての債券もあります。アメリカやヨーロッパ諸国の国債などにも投資することができるのですが、取り扱っている証券会社が少ないので、後から紹介する投資信託で外国債券に投資をしている商品を購入する方が良いかもしれません。
1-4. 企業が倒産すると元本そのものもゼロに「社債」
国債や地方債と比較して、より高い金利が期待できるのが、企業が発行している債券「社債」です。企業の信用格付けに応じて金利が決まるので信用の高い会社はさほど金利が高くなく、信用の低い会社は金利が高く設定されています。
もちろん発行元の企業が倒産してしまうと投資した元本もなくなるので、投資する際は充分注意が必要です。
皆さんがよく耳にするような大企業でも5年満期の社債が年利率3%~4%といった金利で発行しているので、興味のある方は証券会社のホームページをよくチェックしてみましょう。
1-5. 比較的リスクが低いため人気「保険」
定期預金と比較して高い利回りが期待できる商品が、生命保険が販売している一時払いの保険商品です。昨今のゼロ金利政策の影響で、新しく加入する商品の利回りは正直あまり良くありませんが、少し前までは良く売れていた商品です。
銀行窓口でも販売していますが、最近人気がある商品は預金や債券同様、外貨建ての一時払保険のようです。年利3%~4%といった商品もあるようなので、投資期間が決まっているなら比較検討する価値はあるようです。
ただし、保険商品なので保険関連費などの余計な経費がかかっています。また、外貨で運用しているので為替リスクがあります。投資したときよりも円安(ドル高)になれば為替益が発生しますし、逆に円高(ドル安)になると元本割れの可能性もあります。
今まで紹介してきた債券投資や保険は、比較的リスクが低い資産運用方法なので、2つ目の財布「確実性資金」の運用先として考えて良いでしょう。
次から紹介する株式や投資信託などは、リスクが高いため10年以上使わないお金など、しばらく使い道がないお金を投資するようにしてください。