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【初心者向け】資産運用13種類の特徴を比較、なかでもFPがおすすめする方法は? (3ページ目)

ふやす 中村 賢司

2. 少額からOK!FPおすすめの初心者向け資産運用方法

2-1. 月1万円未満の少額資金で運用したいAさん

まとまった資金がなくても積立投資という方法で投資をすることができます。初心者には投資信託の積立投資がおすすめです。

今は株式投資も投資信託も金投資も、最低積立金額が500円や1000円といった金額でスタートできる会社も多いので、ぜひ積立投資を検討してみてください。

まずは資産運用がどういうものかわからない初心者の方は、1000円といった少額の単位でもいいので日本株の投資信託を選んでみてください。購入した投資信託の価格が上がったり下がったりするので少しハラハラするかもしれませんが、それもまた良い勉強になるでしょう。今まで目を通さなかった新聞やニュースなどにも目が留まるようになるので、経済の勉強にもなりますよ。

2-2. 月1万円の資金で運用したいBさん

近い将来使う予定があるものであれば個人向け国債が良いでしょう。元本割れの心配はありませんし、普通預金の利息より高い金利を受け取ることができます。個人向け国債は1万円から購入することができるので比較的おすすめです。

また、前述したAさんのように積立投資も良いでしょう。5000円は株式の投資信託、5000円は債券の投資信託といったように投資先を分散してリスクも分散することがおすすめです。

積み立てるお金の目的が近い将来使うための積立であれば、国内の債券で運用している投資信託を選びましょう。比較的リスクが低いので、初心者にはおすすめの方法です。

2-3. 月10万円の資金で運用したいCさん

毎月10万円を運用に回せるお金がある方でしたら、投資先を4つ以上に分散することをおすすめします。

国内の債券と株式、海外の債券と株式というように4つのマーケットに分散をして投資してみてください。また金や不動産を対象とした投資信託もあるので、そういった投資信託へも投資をすることで6つのマーケットに分散でき、さらにリスクを軽減することが期待できます。

もしその資金が老後まで使わないものであれば、イデコ(iDeCo)を利用して税優遇を最大限に生かしてください。

3. 資産運用を始める前に知っておきたい金利とリスク

金利
【画像出典元】「iStock.com/G0d4ather」

皆さん金利とリスクについて十分理解していますか。

金利には単利と複利があり、その増え方も異なります。またリスクとは一般的に危険、怖い、元本割れなどのイメージがありますが、本来投資の世界ではそういう使われ方はしません。

この章では金利とリスクについて少し解説しますので、最低限言葉の意味は把握しておくようにしましょう。

3-1. 金利の仕組み(単利・複利)

基本的なことですが、金利には一定の利息しかつかない単利と、元本と利息にさらに利息が付く複利というものがあります。

国債など元本に対して毎年決まった金利がもらえるのが単利です。それに対して銀行預金は、利息にもまたさらに利息がつくので複利といえます。しかし、最近の低金利ではその複利の効果は実感しにくいですね。

投資信託の分配金等も単利と複利に分けることができます。分配金が出るタイプの投資信託に投資して、毎回分配金を受け取っていればそれは単利となります。その分配金を受け取らず再投資しておくことで、またさらにその再投資した金額から発生する分配金を得ることができる場合は、複利の効果を得ることができます。

複利で運用して元本を2倍にするには何年かかるかという計算をするときに用いられる計算式が「72の法則」です

「72 ÷年利率(%)=元本が2倍になる年数」

これは自分が投資した元本を複利で運用して何年で2倍にすることができるかという大まかな計算をする計算式です。

例えば、年7.2%の利率で運用していけば10年でその元本は倍になることを意味します。覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、バブルの頃の銀行金利は平均で7~8%ほどありましたので、ちょうど10年で倍になっていましたよね。

今の低金利ではなかなかそうはいきません。仮に0.2%の預金金利では手元の資金が倍になるのに360年もかかってしまいます。

少しリスクを取って5%で運用できたとすると、約15年で投資した資金は倍になります。今後皆さんが資産を運用する際の目安にこの計算式を使ってください。

3-2. リスクについて(価格変動・為替変動・金利変動など)

リスクにはさまざまな種類があります。まず価格変動リスク、買った商品の価格が上昇したり下落したりというリスクです。続いて為替変動リスクとは、外貨建ての金融商品で為替相場の変動により損益が生じるリスクのことをいいます。次に金利変動リスクとは、債券投資などで債券を保有中に市場の金利が上昇するとその債券の取引価格が下落するというリスクです。

他にも発行元の企業や団体が倒産するかもしれないという信用リスクや、物価上昇率に価格が追いつくことができないインフレリスク、国の政治情勢が不安定になるカントリーリスクや地政学的リスクなどがあります。

実は投資の世界では一般的にこの「リスク」という言葉は収益の変動幅のことをいい、その価格が高くなったり低くなったりするその「ブレ幅」のことを指します。よってリスクとリターンの関係は大きなリターンを期待するときは大きなリスクをとらなければいけませんし、小さなリスクしか取らなければ小さいリターンしか望めなくなります。リターンの源泉はリスクともいわれています。

3-3. 運用資金をいくらにするかの判断基準

先にも述べたように資産運用の目的を明確にすることが大切です。運用期間を明確にして資産運用先の投資商品を選ぶことが基本中の基本。日本人はそれがなかなかできていない人が多いようです。

ただなんとなく資産運用を始めてちょっと儲かったら売ろうかな、と期間を決めずまた目標金額も決めず資産運用をしている方がほとんどです。一方、アメリカ人は投資をする目的は「何年先までにどれぐらいの資金が必要」とゴールラインを明確に設けて投資をしている人が多いと聞きます。

皆さんも資産運用を始める前にそれぞれの資金について何の目的で運用をするのか、どれぐらいリスクを取れるのか、などを必ず明確にして資産運用を始めてください。

基本は財布を3つに分けて(使うお金、貯めるお金、増やすお金)それぞれの運用商品を選ぶということです。

4.資産運用の経験で多いのは「定期預金」

Wallet+アプリユーザーに「資産運用の経験」についてアンケートを採った記事によると資産運用経験でダントツなのが「定期預金」(33%)でしたが次いで2位に「保険商品」3位に「投資信託」と続き、株式投資や外貨再債権、個人向け国債などで構成されていました。みなさんしっかり資産運用されているんですね。 そして資産運用をしている年代ごとの割合を見てみると、20代は「資産運用経験なし」(64%)と半数以上なのに対して30代では資産運用経験なしは27%と大きな開きがあることがわかります。30代になるとお金との向き合い方が変わって行くようになるのでしょう。自分の大切な資産をどのように形成し増やしていくのか…。詳細が気になる方は 下記リンク先をご覧ください。

みんなは「資産運用」の経験ってある?【アンケート結果発表】

5. おすすめの資産運用についてまとめ

もう少しで平成が終わろうとしていますが、平成という時代はバブル崩壊に始まり証券会社や企業の倒産、リーマンショックやマイナス金利など、資産運用をする上であまり明るいニュースがありませんでした。しかし、今後は金利の上昇や物価上昇(インフレ)も期待されています。

何十年も低金利やデフレの時代が続いたのでなかなかイメージしにくい人も多いかもしれませんが、外国に目を向けると確実に物価上昇していますし、金利も上昇しています。

そんなご時世に、何もリスクを取りたくないといって銀行預金に預けているだけでは皆さんの資産は増えないどころか、逆にインフレによってお金の価値が下がってしまい資産が目減りしてしまいます。

お金はたくさんあって困るものではありません。今まで資産運用をしたことがない初心者の皆さんも、少額からでもいいので投資を始めてみましょう。どの投資がいいかは「資産運用ランキング」を参考にしてください。

カリスマFPのおすすめ公開、初心者でもお金が増える資産運用ベスト10

「少額OK!」株初心者にも分かりやすい株式投資の始め方【超入門編】

資産運用には、よく耳にする株式投資のほかにも、外貨預金や国債、地方債、イデコ(iDeCo)、保険商品などさまざまな種類があることが分かりましたね。それぞれの商品の特徴やメリット、デメリットもご紹介しましたので、自分に合いそうなものを選んで、資産を増やしていくのがおすすめです。

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