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現金派も怖くない! キャッシュレス社会に知るべき種類やメリット (2ページ目)

ためる 権藤 知弘

5.キャッシュレス決済の5つのデメリット

お金を使いすぎて後悔する女性
【画像出典元】「iStock.com/AntonioGuillem」

(1)現金以外だとお金を使いすぎる
やはり現金と異なる点で紙幣や硬貨が手元から物理的になくなるということがありませんので、知らず知らずのうちに利用している金額が多くなりがちです。

(2)お金の流れが分かりにくい
現金でチャージするものやクレジットカードでチャージ・決済されるものなど、「どの口座からいくら使っているか」「この支払いはリアルタイムなのか後払いなのか?」等が混ざると、管理が難しくなります。場合によってはうっかり引き落としができていないこともありえます。

(3)セキュリティに不安がある
スマホのソフトウェアや決済アプリにはセキュリティに脆弱性が見られるものもあり、サイバー攻撃を受ける可能性があります。またスマホを持つ中学生とその親を対象に行ったある調査では、子どもに持たせるスマホにあってほしい機能として最も多かったのが「アプリ内課金の禁止/制限」という結果が出ています。スマホゲームで課金など、保護者のクレジットカードに紐づけされるアプリ決済をさせたくないなど、簡単であるが故にスマホ決済に関する懸念が多いようです。

(4)電気や通信が遮断される非常時に弱い
キャッシュレス決済は電気や通信ネットワークがしっかり機能していることが前提になります。そのため停電などが起きると決済ができないという弱点があります。近年、地震や台風・水害などの天災が起きた被災地を始め、停電等が起きると決済ができなかったというケースが報道されるようになってきました。しかしこれはキャッシュレス決済が徐々に普及していることの一つの証明ともいえます。

(5)現金以外の決済手段を使える場所がまだ少ない
チェーン店やショッピングモールはほぼ大丈夫ですが、中小の店舗や個人店ではクレジットカードやスマホ決済に対応していないところがまだ多くあります。これは端末の導入費用や店舗が負担する決済手数料などがあり、導入を見送りしている事業者が多いからです。また突き詰めると、現金決済で困らないという消費者や事業者の気持ちが背景にあり、やはり現金を手放すということは難しいのが現状です。ただし、今後消費税10%増税に合わせたポイント還元キャンペーンにおいて国が音頭を取り、端末導入に補助を出すなどしてて決済端末を普及させる動きがありますので、今後は、これまで未対応の店舗でも使えることが多くなりそうです。

6.不安な現金派が始めやすいキャッシュレス決済の賢い使い方

キャッシュレス決済にはメリットもデメリットもありますが、「そろそろデビューした方がいいかも?」という方には二つの決済方法をおすすめします。

一つはプリペイド方式の交通系の電子マネーで、プリペイド=事前にチャージが必要、なので使い過ぎを防ぐことができます。もう一つはデビットカードです。デビットカードはクレジットカードのようなカードで、利用代金が即時に銀行口座から引き落としをされます。そのため口座残高以上の額は利用できませんから、ここでも使い過ぎを防ぐことができます。

まずは「いくらまで使うか?」を決めてその金額をチャージしたり、銀行口座に用意してから始めてみてはいかがでしょうか?交通系電子マネーとデビットカードでキャッシュレス決済は大部分をカバーできそうです。

7.自分に合ったキャッシュレス決済サービスの選び方

(1)交通系電子マネー
プリペイド方式の代表的なものです。店舗や交通機関の利用などで使えるので1枚は持っていたい決済方法です。スマホのアプリに連動しているタイプであればチャージも簡単でスマホの機種を問わず利用でき、乗り物・買い物どちらにも使える利便性に優れた電子マネーです。その他、いつも行く店舗が決まっているのであれば、その店舗が発行している電子マネーを利用することでポイントを貯めやすくなります。

(2)クレジットカード
キャッシュレス決済の代表的な決算手段です。ネットショッピングも含め、使える店舗が圧倒的に多いことがメリットです。クレジットカードは電子マネーへのチャージや万単位の高額な支払い、月額請求など電子マネーが対応していない分野で使いましょう。

(3)二次元バーコード決済
毎日のように様々な種類の「〇〇ペイキャンペーン」が行われていますが、今後は淘汰されサービスが集約されていくと考えます。政府主導の統一規格「JPQR」も予定されており、その規格がスタートしてからでも良さそうです。

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8.進むキャッシュレス社会に向けて

日本のキャッシュレス決済はこれから本格的に進んでいくことが予想されます。特に二次元バーコード決済は消費者自身のスマホを使い、店舗の導入費用も低コストであるため、一気に普及する可能性もあります。上手く想像ができないところですが、スマホが普及し始めた近年において、貯める=銀行・増やす=証券会社とインターネットの分野における金融サービスの拡大は日進月歩です。そんな現代において、お買い物=消費分野でも大きな変化があるでしょう。

キャッシュレス決済が進めば便利なサービスが数多く出てくるようになります。ただし注意をしなければならないのは「変化するのは決済の方式だけ」ということです。「お金を使っている」という意識がつい薄れがちなので、収支管理は現金以上にしっかり行いましょう。

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