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30代独身悩み/このまま独身なら老後親の家に住むのと賃貸どっちがいい?

FPに聞きたいお金のこと 内山 貴博

30代独身悩み/このまま独身なら老後親の家に住むのと賃貸どっちがいい?

目次

今回は、現在独身で親の介護中という30代女性Sさんの老後の悩みについてお答えします。

<相談内容>
一人っ子で親の介護をしています。結婚はしておらず、子供もいません。今後、親が亡くなれば身内がいなくなるため老後が漠然と不安です。賃貸がよいか、実家を相続して住むか、どちらがよいのでしょうか。(Sさん女性 30代)

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経済的負担よりも価値観を重視した選択を

現在、空き家が社会問題になっているように、高齢化社会や核家族化に伴い、今回のSさんのように「実家をどうすべきか?」と真剣に考えなければならない人は今後一段と増えていくと思います。非常に難しい問題です。

ただ、実家に限らず、「住居は持ち家と賃貸?」「戸建てとマンションどちらがよい?」という悩みには多くの方が直面するものです。この場合、私は必ず「どちらが負担が軽いかといった経済面ではなく、どのような住環境を確保したいのか」ということに重点を置いてください、とアドバイスしています。

確かに、金銭的な負担がどのくらいかという点も住環境を選ぶ上で重要な要素ですが、例えば「火災保険が安いから戸建てよりマンションにしよう」と考える人は少ないでしょう。住宅は生活の基盤であり、これからの人生をどう過ごしていくかということにおいて、大変重要な役割を担うことになります。自分の価値観に合ったスタイルを選ぶべきだと思います。

広い意味で捉えるとSさんの質問も同様です。独身であり身内が親のみである点、現在介護をしている点など特筆すべき点がありますが、やはりSさんの生活への価値観や希望を優先すべきだと思います。現在Sさんが親の家に同居して介護を行っているのであれば、

・今の環境が好きかどうか
・どのような働き方や老後を送りたいか


といった、「Sさんの今後」をベースとして描いたプランに最適な住環境を選んでください。

家の改修費やかかる税金は事前に把握しておこう

住宅リフォーム
【画像出典元】「iStock.com/Lex20」 

金銭的な負担(経済面)についても触れておきます。一番大きな費用負担は改修費用になると思われます。築何年経過しているのかにもよりますが、屋根、外壁をはじめ改修費用は数百万に達するケースも少なくありません。特に自然災害が増えている昨今、水害や地震へ備えるための改修の必要性なども視野に入れておく必要があります。

もし実家を売却することになった場合は、その際の税金についてもあらかじめ試算しておいてください。賃貸を選んだ場合、いずれ実家を売却することになると思いますが、土地建物の売却益(譲渡所得)に税金がかかることが見込まれます。

売却益は、通常売却額から購入額や諸費用を差し引いて計算するのですが、築年数が古い建物などは購入時の資料が残っていないケースも多く、この場合は売却額の5%を取得費(家やマンションなど不動産の購入時にかかった費用)とするというルールがあります。

つまり、2000万円で売却した場合、取得費が2000万円の5%、100万円とみなされます。仮に売却に伴う諸費用がゼロだった場合、2000万円-100万円=1900万円が譲渡所得として課税されます。税率は20.315%(長期譲渡の場合)。よって、400万円近い税負担が生じます。

ただし「居住用財産」であればさまざまな特例があります。例えば「居住用財産の3000万円特別控除」を使えば3000万円まで税金がかからないため、上記の場合、実質税負担ゼロとなります。文字通り「居住用」であるため、Sさんが所有者として居住していることが前提となります。やや複雑であるため、事前に税務署等で売却した際の税負担を確認しておくことをおすすめします。

なお、居住していない「空き家」でも一定の条件を満たせば3000万円特別控除を利用することができます(2023年までの時限措置)。

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1人生活の場合、賃貸できないリスクがあることも知っておこう

ソファでくつろぐシニア女性
【画像出典元】「iStock.com/Zinkevych」 

昨今は高齢者の孤独死も社会問題となっており、アパートなどの大家さんが高齢者には貸したくないと拒むケースも増えているようです。Sさんがこのまま老後生活となった場合、賃貸生活もまた1つのリスクといえます。それらを考慮すると、実家を相続した後なるべく税負担が生じないように対応し、売却代金などを元手にSさんが快適に過ごせる住宅を購入するのも1つの選択肢かもしれません。希望する将来の住環境を具体的に思い浮かべることで選択もしやすくなりますので、試してみてください。

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