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20代~30代、年収いくらあれば普通?2020年版世代別・年収中央値を解説 (2ページ目)

ふやす 内山 貴博

会社員の平均年収と手取り年収、中央値は

国税庁の「民間給与実態統計調査」(平成30年)によりますと、給与所得者の平均年収は約440万円となっています。勤続年数で統計を見てみますと、10年~14年勤続の人の平均年収が全体の平均年収に近いことが分かりました。

つまりちょうど30歳から40歳にかけてが全体平均の約440万円となるため、それよりも若い20代は平均よりやや低め、40歳以降の人は平均よりもやや高めになることが見込まれます。

では中央値はどれくらいでしょうか?
上のマラソン大会の事例で紹介しましたが、賃金は最低賃金があるため平均から大きく乖離して下回るという人はそれほどいません。その逆で高収入の人は一定数平均に含まれており、結果、平均はやや底上げされていると思われます。

同調査内の給与階級別構成割合を用いて中央値を推察しますと355万円~365万円付近となりました。なお、以下特に断わりのないデータは全て「民間給与実態統計調査」(平成30年)を用いたもの、またはそのデータから推察したものです。

会社員の男女別平均年収

次に会社員の男性・女性別の平均と中央値です。

男性
平均年収 約545万円
中央値 460万円~470万円程度


女性
平均年収 約293万円
中央値 250万円程度


年代別でも見てましょう。

会社員 年齢別・男女別の平均年収

(単位:万円)

上のデータを見ますと、男性は20代後半に一気に年収がアップする傾向にあります。高卒や大卒で最初の数年頑張れば、徐々に余裕のある生活もできそうです。一方で、50代になるとそれほど大幅な上昇は見込めないことも分かります。

女性の場合は20代後半が年収のピークで30代からはむしろ少し下がります。おそらく20代後半で結婚・出産などで一度会社を退職し、その後、パートで職場復帰をするという方も多いため、そういう傾向が平均に現れているようです。

これについては「女性が働きやすい社会」という大きなテーマがあります。特に出産についてはパートナーである男性、そして会社がしっかりとバックアップすることによって、正社員で働き続けることが可能となります。近年は実際にそういう会社が増えている印象があります。今後、女性の平均年収も40代、50代に向けて上昇していく社会になることを願います。

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会社員 業種別の平均年収と中央値

お金が増える
【画像出典元】「stock.adobe.com/fotogestoeber」

これから就職や転職をする人は、どの業種の年収が高いのか気になるところだと思います。最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の759万円です。ライフラインに関わる業種が1位となりました。

次いで「金融業・保険業」の631万円です。銀行など金融機関は年収が高い印象がありますよね。また保険業など営業の歩合給などが加味され、かなり年収が高めの人もいます。3位は2位とわずかな差で「情報通信業」の622万円です。TV等のメディア関係、インターネット関連の企業がそれにあたりますが、やはり高収入のようです。

なお、「電気・ガス・熱供給・水道業」(平均年収759万円)は年収800万円超が約40%占めています。半数以上が年収700万円を超えており、中央値は710万円程度と推察されます。平均・中央値どちらを見ても高い水準であることが分かります。

一方、「金融業・保険業」(平均年収631万円)で800万円超の割合は約25%と「電気・ガス・熱供給・水道業」の約40%に比べると大きく下回ります。また、平均年収631万円に対して中央値は510万円程度と推察されます。平均から100万円以上乖離していることから、一部上位の人が大きく稼いでいるのかもしれません。

このように平均年収と中央値の違いに注目すると業種による特徴が把握できる場合もありますよ。

その他は以下のようになっています。

(国税庁ホームページより)中央値は「業種別の給与階級別構成割合」から筆者が計算した値

気になる手取りはどれくらい?

300万円や400万円といった年収額が出てきていますが、こうなると気になるのが「手取り」です。一般的に手取りは税金や社会保険料を差し引いた後の金額を指します。会社の健康保険組合制度などによって変わるため、あくまで目安ではありますが、おおよそ年収の8割程度が手取りとなります。以下は独身の人を対象とした概算です。

 

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