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掛け捨てか貯蓄型?20代におすすめの保険をメリットデメリットから比較 (2ページ目)

そなえる 中村 賢司

20代が優先した方がよい保険とは

20代が社会に出てまず検討すべき保険は、自分に万が一のことがあった時におりてくる「死亡保険」よりは、病気やケガで入院した時の「医療保険」でしょう。

理由としては、まだ会社員になりたての頃は貯蓄も少なく、そんな時に思いがけず長期の入院が必要になると、医療費がかさみ、親に頼らざるを得ないケースが多いからです。自立した社会人として、自分のことは自分で解決するためにも医療保険は有効だと思います。

また自分の家族ががん家系であれば、がん保険も追加で加入しておくと良いでしょう。20代のがんの罹患率は極めて低いですが、全くゼロではありません。少しでも心配であれば早いうちに準備しておかれる方が良いと思います。

もし自分に万が一何かあった場合、家族に心ばかりの保険金を残すという意味で終身保険に200万~300万円程度入っておかれるのも良いかもしれません。

子供が亡くなり保険金を受け取っても喜ぶ親はほとんどいないと思いますが、何も残さないよりは少しでも感謝の気持ちを残すという意味で終身保険はおすすめです。また終身保険は掛け捨てではないので、将来解約すれば支払った保険料以上の解約返戻金が戻ってくるので将来の蓄えのためにも有効です。

定期保険や収入保障保険などの掛け捨ての保険は大きな保障が必要になった時に加入すれば良いと思います。具体的なケースとして、結婚してから配偶者に対して加入する、子供が生まれたら子供の教育資金や残された遺族の生活費の補填目的として加入する、そういう入り方がおすすめです。

保険の掛け捨て型・積み立て型それぞれのメリットとデメリット

医療保険
【画像出典元】「stock.adobe.com/takasu」

掛け捨て型の説明・メリットとデメリット

掛け捨て型保険の一番のメリットは、安い保険料で大きな保障を準備できるという点です。特に20代30代の子育て世代にはまだそんなに多くの貯金がないため、世帯主に万が一のことがあった場合には保険で遺族の生活費をまかなう必要があります。

そんな時に、3000万円や5000万円といった大きな保障を毎月数千円ほどの保険料で備えることができるので安心ですね。

タバコを吸わない人や健康診断の結果が良好な人には保険会社によって割引制度があり、さらに安い保険料で保険に加入することができます。

一方掛け捨て型のデメリットは、保険期間の途中で解約しても解約返戻金はありませんし、保険期間満了まで続けても満期保険金などもありません。

掛け捨て保険がおすすめな人とおすすめできない人、その理由

なるべく大きな保障を確保したいけれど、それほど予算がないという方には掛け捨て保険がおすすめです。掛け捨てタイプの方が積み立てタイプに比べて保険料は安いので、一家の大黒柱が万が一の時に必要となる大きな保障を確保したいと考える人にはぴったりでしょう。

その一方で掛け捨て保険をおすすめできない人は、独身でまだそんなに大きな保障を必要としない人です。独身の場合は、掛け捨て保険よりは終身保険など、積み立て型の保険の方が良いでしょう。

よって結婚するまでは積立保険、結婚した後は掛け捨ての保険というような区別でも良いかもしれません。

医療保険やがん保険にも積み立て型がありますが、医療保険やがん保険は年々進化しているので、一度加入したらなかなか見直すことができない積み立て型よりは、好きな時にいつでも見直すことができる掛け捨て型の方がおすすめです。

積み立て型の説明・メリットとデメリット

積み立て型の保険は、掛け捨て型の保険と違い保険料が高いことがデメリットです。同じ保障額でも、掛け捨て型の保険に比べて保険料は10倍以上高くなるでしょう。

しかし保険料が高い分、長期的にお金を積み立てることができるため、意識せずにお金が貯まりやすいのがメリットといえます。毎月銀行口座やクレジットカードから保険料が引き落とされるので強制的に貯金ができるという意味では、貯金が苦手な人にはこの積立型の保険が向いているかもしれません

終身払いか60歳払いかはどう選んだら良いか

一般的に医療やがんに備える保険は一生涯の保障を確保しておきたいという人が多いので保障期間が終身タイプのものが多いのですが、保険料の払い込み方法には、一生涯払い続ける「終身払い」と、定めた期間内に収めてしまう「60歳払い」や「65歳払い」という払い込み方法の二通りがあります。

60歳払いなどの保険料は、終身払いに比べて短期間で収めることになるので保険料が高くなります。一方で終身払いは一生涯払い続けるため、60歳払いよりは保険料が安く設定されています。

どちらが得でどちらが損ということはありませんが、現役の間に保険料を払い終え、老後は払いたくないという人には60歳払い込み満了などの払込期間が定められている方が良いでしょう。

終身払いを選ぶと一生涯保険料を払い続ける必要がありますが、その分契約当初の保険料は安くおさえることができます。概ね70歳を過ぎるまでは総額で支払う保険料は終身払いの方が安くなります。

また終身払いのメリットは、将来的に新しい保障の医療保険が発売された時、そちらに乗り換えることも気軽にできるという点です。60歳払いを選ぶとそれまで支払った高い保険料がもったいなく感じます。よって途中で医療保険やがん保険を見直す可能性があると思われる人は終身払いを選ぶと良いでしょう。

保険の選び方、見直すタイミング

今まで見てきたように、掛け捨て型と積み立て型それぞれメリット・デメリットがあるので、一概にどちらが得でどちらが損とは言えません。何のために保険に加入するかの目的によって、掛け捨て型や積み立て型を選ぶと良いでしょう。

ファイナンシャルプランナーとして私が20代の皆さんにおすすめする保険の入り方は、社会人になったら、まずは掛け捨ての医療保険やがん保険を検討し、結婚して家族が増えたらその年収などに応じて掛け捨ての死亡保障を検討するという方法です。

また積み立て型は独身の人がとりあえず貯蓄代わりに入ったり、結婚後は子供の学資積み立ての代わりに入ったり、という目的で加入するのが良いでしょう。

保険は何か1つ入っていれば安心ということではなく、目的を持って選ぶことが大事です。その目的に応じて、掛け捨てか積み立てかを選ぶと良いと思います。

保険についてのQ&A

Q.家族のために生命保険に加入しようと会社の先輩へ相談したところ、収入保障保険が良いという意見を聞きました。どの程度入れば良いでしょうか。

A.安い保険料で大きな保障を準備できる収入保障保険はおすすめです。具体的な保険金額の決め方は、毎月の生活費や住居費などを計算し、お子さんがいれば将来の教育資金なども加算し、それをまかなえる位の金額を設定すると良いでしょう。


Q.貯蓄代わりに終身保険に加入したいのですが、注意点を教えてください。

A.まずその貯蓄の目的を明確にしておくことです。教育資金を短期間で貯めるという時には払込期間を10年や15年と設定し、老後資金として積み立てる場合は払込期間を60歳や65歳というように定年退職の年齢に合わせて設定すると良いでしょう。保険金額を優先するのではなく、毎月無理なく支払える金額で保障額を決めることをおすすめします。
 

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