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夫海外赴任中の送金や教育費計画はどうすれば…/20代主婦相談

FPに聞きたいお金のこと 内山 貴博

夫海外赴任中の送金や教育費計画はどうすれば…/20代主婦相談

今回は夫が単身赴任で海外勤務している中、1歳のお子さんを育てている20代主婦Fさんから、教育費と老後資金、海外送金についてのご相談です。

〈20代主婦Fさんの相談内容〉

夫(29歳)、私(27歳)、子供(1歳)です。夫は海外に駐在しており、私と子供は一時的に日本にいます。現在は夫の収入(給与+家賃収入)のみですが8月以降私にも収入が入る予定です。

①教育費の悩み
子供がこれから大きくなるにあたって、どのタイミングでどのくらい出費があるのか、またどのタイミングが貯めどころなのかを知りたいです。

②老後資金の貯め方について
老後資金がいくらぐらいあったらいいのか知りたいです。現在は家賃収入と給与から5~6万を先取り貯金しています。残りの給与は生活費に充て、余った場合はさらに貯金しています。

➂海外と日本との送金事情について
夫が海外赴任中なのですが、送金の手続きに時間がかかり手数料も高くて面倒です。何か良い方法がありますか?また、駐在後、帰国する時に持って帰れるのが1人100万円相当額までと上限があるのですが、法的に安全かつ、より多く持って帰れる方法はないでしょうか。

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1.子供の教育費について

母と子
【画像出典元】「stock.adobe.com/pololia」

お子さんが1歳ということで、日々成長し、とてもかわいい時だと思います。上手に教育費を貯めたいところですね。教育費がかかるタイミングやその出費額など、いずれも多くの人が関心のあるところです。

「子供1人あたり1000万円はかかる」など、さまざまなデータや表現を目にすることがあると思いますが、教育方針によって大きく異なるため、参考程度にとどめておくべきです。私立中学受験をする場合は、小学校の頃から受験対策での塾の出費が大きく、毎月数万円から夏期講習など数十万円という費用が必要になります。一方、公立の場合はそういった費用はそれほどかかりません。(参考/平成28年度子供の学習費調査の結果について(文部科学省)) 

それから筆者も子育てをする立場として感じることがありますが、中学以降はどの部活に入るか?ということも出費額を左右します。

本格的な運動部ともなると、道具代はもちろん遠征費などもかかりますし、体のケアのために定期的に整骨院などに通う学生も多く、積み重ねるとそれなりの金額になります。中学と高校で全く違う競技をするとなると、全て道具を買い直す必要があり、悲鳴を上げている親御さんも多いですよ。もちろん部活をしながら塾に行く子も多いです。

私立受験や部活を例に紹介しましたが、教育費は子供の希望、家庭の方針などで大きく異なるため、一般的な額について触れることは難しいのです。そこで、幼稚園から中学ぐらいまでは何とか月々の収入やボーナスの範囲内でやりくりすることにして、教育費の本丸でもある大学費を意識して貯めるという考え方も1つです。

大学費用については各大学のホームページで学費が掲載されていますので、国公立や私立、理系と文系でどれくらい学費が違うのか、実際に夫婦で検索しながら、その金額を目安に貯めるというのはいかがでしょうか。国公立で下宿なしであれば、4年間で250万円ぐらいは必要で、2人となるとちょうど500万円。あえて「一般的」な話をすれば、こういった金額が見えてきます。また、今年より私立高校授業料の無償化制度もはじまっていますから、条件を確認してみるとよいでしょう。
文部科学省HPより

今後、少子化対策としてさまざまな制度が創設される可能性もありますので、こういう情報に敏感になることも大切ですね。

2.老後資金はいくら必要?

このテーマでは2019年に「老後2000万円問題」が話題になりました。今でもよく使われる表現で、色んな見方・意見があることが前提となりますが、私はこの2000万円は1つの目標にするのに適した額だと思います。

今までファイナンシャルプランナーとして多くのライフプランを作成してきましたが、その経験を踏まえると、65歳時点で3000万円あれば老後破綻する可能性は極めて低いと感じています。よって最低でも夫婦2人で2000万円を目指してください。
ご夫婦どちらも30歳前と若いので、50歳位までは積極的にリスクをとって長期的な収益に期待しながらの運用が良いと思います。例えば世界株式ファンドなどが候補の1つとなりそうです。50歳以降は少しずつ保守的な運用に見直していくということも大切です。

3.海外送金や日本円の国内持ち込みについて

海外送金
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私も何度か国内外での送金を行ったことがありますが、手続き時間と手数料が大きな負担になりますね。ただ、今はオンラインの国際送金サービスがどんどん普及しています。

代表的な「トランスファーワイズ」はアメリカと日本で、それぞれ送金をしたいと思っている人をマッチングさせることで、さまざまな事務手続きや手数料などのコストを抑える送金方法です。

例えば日本にいるAさんがアメリカにいる息子に10万円相当の米ドルを送金したいとします。日本の金融機関で手続きをすれば、必要書類を準備したり、手続きに時間がかかったり、数千円から1万円近くの手数料を払ったりするわけです。ではその時、アメリカで、Aさんと逆のことをしたいという人がいたらどうなるでしょうか?

アメリカにいるBさんは米ドルを使って日本にいる母親に10万円相当を送金したいと思っています。この場合、BさんがAさんの息子に10万円相当の米ドルを渡し、日本にいるAさんがBさんの母親に10万円を日本円で渡せば、どちらもお金の移動は発生しませんね。

しかし、見ず知らずのAさんやBさん、その息子や母親がお金のやりとりをすることは困難です。こういった人々をマッチングさせる仕組みをネット上に作り、送金までの時間や手数料のコストを抑えたのがトランスファーワイズです。同様の会社が数社あります。利用できる通貨など制限などもあるようなので、駐在先の国や通貨などを踏まえ、一度このようなサービスについて調べてみるのも良さそうですね。

なお、駐在が終わった際の日本円の持ち込みについては「100万円が上限」とありますが、「100万円以上の持ち込みを行う際は、日本税関に届け出が必要となる」というのが正確なところで、100万円以上持ち込めないわけではありません。

これは犯罪がらみの高額なお金が国内外を行き交うことを監視する目的で行われています。たしかに申告する手間はかかりますが、持ち込むことができないわけではありません。むしろ100万円以上を無申告で持ち込むことは法律に反することになりますので、その点注意してください。

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