エアコン掃除、しないと電気代で年間〇円も損をすることに!?
エアコンの内部は、冬場に溜めた綿ボコリや毛などの汚れであふれています。そのまま夏を迎えてしまうと電気代が余計にかさむことに。電気代の値上げが続いている中、少しでも節約したいですよね。
そこでおすすめなのが早めのクーラー掃除。初夏にクーラーを掃除することで、電気代を大きく節約することができるんです。
エアコンを掃除しないと、電力が余計にかかり、電気代が上がる
エアコン内部に汚れやカビが溜まると、風量が落ちてしまうことがあります。風量が落ちると、クーラーを動かすために余計な電力が必要となります。
一般的に、風量が30%落ちると、約15%の電力が余計にかかるといわれています。
特に冬場に稼働したエアコン、もしくは長く使っていないエアコンには、汚れやほこりが溜まっていることが多く、風量が大きく落ちていることがあります。
エアコンを掃除しないで使った場合の損失額は?
クーラーを掃除せずに使い続けた場合の、具体的な損失額を考えていきます。
エアコンの1年間の電気代は?
まず、エアコンの1年間の電気代はいくらくらいかかるのでしょうか。
例として、シャープのスタンダードな6畳タイプのエアコン「N-Sシリーズ AY-N22S」の消費電力は590W(冷房時)です。次に一般的な電気料金の目安は27円/kWhといわれています
これらの要素をもとに電気代を計算すると次のようになります。
1時間あたりの電気代・・・0.59kW(590W)×27円/kWh=15.93円/h
1か月あたりの電気代・・・15.93円/h(1時間あたりの電気代)×6時間(一日6時間使った場合)×31日=2962円 ※小数点以下切り捨て
1年間あたりの電気代・・・2962円(1か月あたりの電気代)×12カ月=3万5544円
使用頻度にもよりますが、1年間で3万5544円もの電気代が発生することになります。
エアコンが汚れて風量30%ダウンの場合
続いてエアコンが汚れており、30%の風量が落ちていた場合のケースで考えます。前述もしたように風量が30%落ちると、約15%分の電力が余計にかかります。
1年間あたりの電気代(風量が落ちていないエアコン)・・・3万5544円
1年間あたりの電気代(風量が30%落ちたエアコン)・・・3万5544円×1.15(+15%)=4万875円
電気代の差額・・・4万875円-3万5544円=5331円
このようにエアコンが汚れていると1年間で5331円の電気代が余計にかかってしまう恐れがあります。
また汚れたままで使っているとエアコンの故障も起きやすくなるため、余計な修理費が発生する恐れもあります。
身体への悪影響も
汚れたエアコンを使い続けると、内部に溜まったカビや細菌などが放出され、アレルギー性鼻炎や肺炎などを誘発させる恐れがあり、最悪の場合は癌などの病気の原因につながるともいわれています。
クリーニングの効果はどれくらい?
「フィルターの掃除」や「本体クリーニング」を行うと、風速が改善され、エアコン本来の機能を取り戻すことができます。結果的に余計にかかっていた電気代を抑えることができます。
以下は、清掃業大手「ダスキン」が行ったエアコンクリーニングによる風速改善の試験結果です。
<掃除やクリーニングの効果値>
フィルターのみ洗浄・・・クリーニング前と比べ、風速10.4%UP(風速m/秒)
本体クリーニング・・・クリーニング前と比べ、風速42.3% UP(風速m/秒)
※ダスキン「エアコンクリーニングをすると電気代が安くなるってホント?」より
ご覧のようにフィルターだけでなく本体クリーニングまでした方が、エアコンのポテンシャルを回復できます。
加えてダスキンの試験によれば、本体クリーニングの効果は古い年式のエアコンほど大きくなることも明らかになっています。
フィルター掃除の効果(環境省)
フィルター掃除は、2週間に1度、小まめに行うのが良いとされています。
環境省によれば、2週間に1度フィルターの掃除をすることで、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力の削減につながるとも公表されています。
エアコン掃除事業者の相場、自分でできるフィルター掃除
本体クリーニングの料金相場
クーラーの本体クリーニングを業者に頼んだ場合、おおよその費用は次のようになります。
<本体クリーニング費用相場>
通常壁掛けタイプ・・・8000円~1万4000円
お掃除機能付きエアコン・・・1万7000円~2万3000円
天井埋込タイプエアコン・・・2万円~3万7000円
一般的な壁掛けタイプのエアコンであれば、安い業者は8000円程度で引き受けてくれます。
また自宅のエアコンを2台、3台と同時にクリーニングする場合、割安プランを用意している業者が多いです。
本体クリーニングは業者に依頼するのが確実
本体クリーニングは、それなりにお金がかかりますが、プロの業者に依頼した方が確実です。
市販の洗浄スプレーなどを利用して自分で本体クリーニングを行うこともできますが、素人ですとスプレーでは届かないフィンやファン部分をうまく洗浄できないことがあります。
また、スプレー薬剤を詰まらせたりで故障の原因を作ることもあり、余計な出費が生じる恐れもあります。
フィルター掃除は自分でもできる
一方、フィルターの掃除は特に難しい作業ではないため、素人でも簡単に行えます。
<フィルター掃除の流れ>
・エアコン前面のカバーを開ける
・掃除機でフィルター表面のホコリを吸い取る
・フィルターを外し、歯ブラシなどで汚れを落とし、水洗いする
・水洗い後、乾かしたら再び装着する
作業時間も10分程度です。稼働の多くなる夏場には、こまめに行うのがよいでしょう。
汚れたエアコンを使い続けていると余計な電気代が発生してしまう恐れがあります。またそれだけでなく、エアコンの汚れは本体の故障の原因ともなり、住む人の体にも悪影響を与えかねません。
特にこれまで一度もクリーニングを行っていないエアコンであれば、見えない部分の汚れが酷い可能性がありますので、夏を迎える前に一度本体クリーニングを検討してみるのがよいかもしれません。