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年収250万円貯金なし、貯めるべき目安はいくら?独身一人暮らしの場合は

FPにききたいお金のこと 白浜 仁子

年収250万円貯金なし、貯めるべき目安はいくら?独身一人暮らしの場合は

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Wallet+ユーザー様からいただいた「FPに聞きたいお金のこと」に、白浜がお答えします。今回は、年収250万円の貯金の目安が知りたいという20代女性からの相談です。

貯金ができないと焦る20代女性Mさんの相談

私の現在の年収は250万円ですが、このくらいの年収だと、毎月どのくらい貯金すべきでしょうか。貯金額の目安や他の人の平均が知りたいです。 年齢は20代半ばなのですが、貯金ができていなくて焦っています。

「実家暮らし」か「一人暮らし」かで貯蓄可能額は変わる

20代半ばのMさん、貯蓄ができてなくて焦っているとのこと。Mさんが置かれている環境によっても違いますので、ここでは、Mさんが独身で実家暮らしなのか、一人暮らしなのか、または既婚なのかに分けて考えていくことにします。

Mさんが独身の場合

貯金する女性
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まず、Mさんが独身の場合です。ここでは20代の貯蓄額の統計データを参考にします。

金融広報中央員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」によると、金融資産を持つ単身世帯の貯蓄額は、20代の場合、平均203万円、中央値81万円です。

平均値が中央値よりも大きいのは、貯蓄をたくさん持つ人が平均を引き上げていることが考えられます。最も多い貯蓄ゾーンが中央値ですので、貯蓄をしている20代の多くが80万円くらい保有しているということになります。中央値の貯蓄額が適当かは別の話になりますが、まずは参考にしてください。

また、同調査では、20代の年間貯蓄率が手取り収入の18%とも示されています。Mさんの年収が250万円なら恐らく手取りは190万円くらいと思いますので、統計を手本にすると年間34万円貯めていく計算です。もしボーナスがあるのでしたら、毎月の貯蓄額を減らしてボーナスから貯める方法もありますね。

なお、この調査は単身世帯を対象としたものですが、一人暮らしの人だけでなく世帯は別だけど実家暮らしなので家賃の負担がないという単身世帯の人も含まれる可能性があります。つまり、環境はそれぞれなのであまり統計に囚われすぎるのも良くないとは思います。

もしMさんが一人暮らしで、かつ毎月3万円の貯蓄が難しいなら、まずは生活に必要な支出、見直せそうな支出を書き出し、月の貯蓄額を検討することから始めても良いと思います。

無理のない範囲で1万円からでも検討して、昇給時などに徐々に増額していくのも良いでしょう。実家暮らしで生活費の負担が少ないのであれば3万円以上貯蓄できることも十分考えられます。

既婚なら、夫婦で決めた割合を貯蓄するのもひとつ

夫婦で貯金する
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次に、既婚の場合でみていきましょう。Mさんが既婚で配偶者の収入もあるのならお金は貯めやすい環境といえます。

同「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」にある金融資産がある世帯の貯蓄額は、20代で平均350万円、中央値235万円、平均貯蓄率は13%とのこと。単身世帯の18%より貯蓄率が下がっているのが分かります。その理由のひとつとして、共働き世帯や専業主婦世帯が混在していることがあげられると思います。

この調査結果をもう少し紹介すると、最も多い貯蓄率は10%~15%未満で、次に20~25%未満となっています。共働き世帯の方が、専業主婦(夫)世帯より貯蓄がしやすいと考えるなら、手取りの20%~25%を目安に貯蓄していくのも良いと思います。その場合、Mさんは毎月3万円強~4万円を貯めるのが目標になりそうですね。

あくまで統計値ではありますが、これらを参考にしながらご自身の置かれている環境や家計と照らし合わせ貯蓄目標を決めましょう。

貯蓄方法としては、自動引き落としの社内預金や銀行等の積立預金がおすすめです。ある程度貯蓄ができたら、資産運用としてつみたてNISAやiDeCoも検討してみると良いですよ。ただ貯めるだけではつまらないので、たとえば結婚資金、車の購入、旅行や将来資金として○年後にいくらなど目標を決めると張り合いがでます。

20代の今から貯蓄体質に切り替えておくと、先々とっても楽です。何事も積み重ねです。頑張ってください。