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投げ銭に500万円!?10~20代視聴者が止められない仕組みとは?

中新 大地

投げ銭に500万円!?10~20代視聴者が止められない仕組みとは?

【画像出典元】「Reksita Wardani/Shutterstock.com」

こんにちは、ライター/ランサーズ新しい働き方LABコミュニティマネージャーの中新大地です。

皆さんは自分が好きなタレントやアーティストを応援したいと思ったとき、どんな方法でその気持ちを伝えますか?
おそらくこれまでは、彼らの開催するライブに行ったり、グッズを買ったりするというのが定番であり、形にも記憶にも残る応援の方法だったのではないでしょうか。ライブから帰ってきて、グッズを鑑賞しながら思い出話をするのはとても楽しいですよね。

しかし今は、動画配信やライブ配信でよく見るようになった応援のカタチ、「投げ銭」という方法があります。高額なスーパーチャットやギフトを贈る若者も結構いるようです。今回はそんな投げ銭の仕組みや注意点について紹介します。

高額なスーパーチャットも!視聴者がついやってしまう投げ銭のシステムとは

「投げ銭」制度は主にYouTubeやTikTokなどの動画配信サービス内において、課金をすることによって配信者にプレゼント(お金)を贈ることができるというものです。
このプレゼント(サービスによりスーパーチャット、コインという名称があります)は、視聴者側が任意の金額・数を購入し、配信者へ自由に贈ることができます。

投げ銭は、購入手続きさえクリアしてしまえば、だれでも気軽にできてしまうものです。その手軽さ故に、子どもが親のクレジットカードを勝手に使い込み、数十万円以上の投げ銭を行ってしまったという例もあります。とある男子高校生は約500万円、女子小学生は30万円使ったとの話も…。大人でも躊躇してしまうほどの金額を「喜んでほしいから」という理由で払ってしまうのです。

配信者とのつながりを感じられる?若者が魅了される投げ銭の魅力

スマホを見て喜ぶ女性
【画像出典元】「stock.adobe.com/hailey_copter」

新型コロナウイルスの拡大が危惧されるようになった2020年3月下旬に行われたアンケートでは、ライブ配信サービス利用者のうち18.1%が、投げ銭の経験があると回答。最も多く投げ銭をした時の合計金額は「501円~1,000円以下」が22.1%で最多に。高額の「20,001円以上」経験者も3.7%いることがわかりました。
参考:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1857.html

この1年、家で過ごす時間が増え、パソコンやスマートフォンで動画を観ることに時間を使う人が増えました。画面越しの憧れのタレントやアーティスト、そしてYouTuberやVTuberと呼ばれる人たちの数も増え、さまざまな魅力的なコンテンツを配信しています。

投げ銭をすると通知が配信者に届きます。すると、自分のアカウント名を呼んでくれたり、感謝のメッセージをくれたり、場合によっては配信内容のリクエストにも応えてくれる場合も。投げ銭の醍醐味はここにあります。形には残らずとも、有名人と交流できるチャンスを得るために、惜しみなくお金を払うのかもしれません。実際に投げ銭を行う方のSNSを見てみると、配信者に反応してもらった際の動画やスクリーンショットを撮り、Twitterの固定ツイートやカバー画像などで記念に残している方も多いようです。

投げ銭の利用者の増加や高額化は、その手軽さだけでなく、コロナ禍によるつながりの希薄化も影響しているのかもしれません。

過度の投げ銭を防ぐ方法とは?

クレジットカードを片手にストップジェスチャーの女性
【画像出典元】「stock.adobe.com/kues1」

とはいえ、いつのまにか数十万、数百万円と投げ銭を払い過ぎてしまい、生活が困窮するような事態は考え物です。どうすればそのような問題を防げるのか考えてみましょう。

1.    クレジットカードは親がしっかりと管理する

投げ銭問題でよく挙げられるのが、子どもが親のクレジットカードを使い込むことです。これを防ぐには親が自身のクレジットカードを徹底的に管理することでしょう。
返金手続きが行えた事例も見受けられますが、実際には一度支払った以上取り戻すのは不可能、もしくは取り戻せたとしても少額になることを肝に銘じておきましょう。

2.縛りを決めた上で投げる

投げ銭をする人のなかには、「反応がもらえるまでお金を投げ続ける」という人もいます。しかし、これこそが“投げ銭の沼”とも言える点です。
反応がもらえてももらえなくても、ひと月あたりに使っていい金額の上限を決める、配信者の誕生日やデビュー記念日だけ投げるといった“縛り”を決めておくと良いでしょう。

3.投げ銭をするサービスを限定する

配信者は、単一のサービスだけでなく、複数のサービスにまたがって配信を行う場合もあります。いくらファンであるとはいえ、そのすべてで同じように投げ銭をしていては、金額は膨れ上がっていきます。
あらかじめ投げ銭をするサービスを限定することで、ある程度自分を抑制できるかもしれません。

自由で楽しい投げ銭を!

投げ銭で高額のお金を使う事例を聞くと「無駄遣いだ」と揶揄する人がいますが、私はそうは思いません。

前述の通り投げ銭は、ファンによる推し活やオタ活の一種であり、自身の憧れに対してどのような形で愛情を示そうとそれは自由だからです。さらに、投げ銭を受け取る側も、良質なコンテンツやファンサービスを提供するモチベーションに繋がっているのではないでしょうか。

また、『配信者の○○が投げ銭で1000万円獲得』といったニュースが話題になることがありますが、ファンが一体となって「推しを勝たせたい!」「話題にしてあげたい」といった、一種のお祭り状態のなかで高額のお金が飛び交うことがあるのも事実です。

お金をどう使うかは自由ですが、大切なのは自分が自由にできるお金の範囲で投げること、自分の身の丈にあった投げ方をすることでしょう。
ぜひ無理のない範囲で、投げ銭を楽しんでくださいね。