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「こんなに楽になるのね」マイナンバーカードが健康保険証に。いつから?

そなえる 中村 賢司

「こんなに楽になるのね」マイナンバーカードが健康保険証に。いつから?

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マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになること、みなさんはご存知ですか?

マイナンバーカードの普及率は2021年5月時点で30%(総務省のHP)とまだ少なく、健康保険証として利用することで普及率アップが期待されています。しかし、マイナンバーカードの利便性についての理解が進まず「なぜマイナンバーカードが必要なの?」と考える方が少なくない状況です。

そこで今回は、マイナンバーカード利用のメリットを解説していきます。

そもそもマイナンバーカードとは?

マイナンバーカードとは、マイナンバー(12桁の個人番号)が記載された顔写真付きのカードです。プラスチック製のこのカードには、ICチップが埋め込まれており、カードの表面には本人の顔写真と氏名、住所、生年月日、性別が記載されています。

マイナンバーカードは本人確認書類として利用できるほか、カードの裏面にはマイナンバーが記載されているので、税・社会保障・災害対策の法令で定められた手続きを行う際の番号確認にも利用できます。

2016年に開始された「マイナンバー」との違いは?

マイナンバーとマイナンバーカードの違いを一言で言えば、マイナンバーとは12桁の番号そのもののことで、マイナンバーカードとはマイナンバーが記載されたICチップ付きのカードのことをいいます。

マイナンバーは、日本に住民票がある人全員が持っていて、社会保障・税の番号制度(マイナンバー制度)として2016年1月1日より導入されました。これはマイナンバー制度が始まることで国や地方公共団体間の情報連携が進み、これまでに情報の照合や転記等にかかっていた労力や時間を減らすこと、私たち国民が税や社会保障関係の申請をする際に複数の機関を回って準備が必要だった書類を削減されて手続きをスムーズにすること、国民の所得が把握しやすくなり、税や社会保障に関する不正受給防止や、本当に困っている人への支援を可能にするといった目的があります。

一方マイナンバーカードとは、カード発行を申請した人のみが持つカードです。2021年4月までにマイナンバーカードを申請すれば、マイナポイントが最大5000円分もらえるというマイナポイント事業が行われたことで、マイナンバーカードの普及が一気に向上しました。

マイナンバーカードが健康保険証として利用できるのはいつから?

健康保険証
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2021年3月よりマイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになりました。現在はまだプレ運用中で、全国で1362件の医療機関と薬局のみ利用できます。福岡県でも117の医療機関や薬局で利用できるようになっています(2021年7月14日現在)。

本格的に運用が開始されるのは2021年10月からと予定されています。

マイナンバーカードを健康保険証として利用する場合は、医療機関や薬局に設置されたカードリーダーにかざすことで、オンラインで医療保険資格を確認することができます。対応している医療機関や薬局では、オレンジ色の「マイナ受付」と書かれたポスターやステッカーが掲示されています。

健康保険証として使える医療機関や薬局は、下記サイトで確認できます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/index_16743.html

マイナンバーカード利用でどんなメリットがあるのか

マイナンバーカードを活用することで次のようなメリットがあります。

個人番号を証明する書類として利用できる

マイナンバー(個人番号)の提示が必要な様々なな場面でマイナンバーを証明する書類として利用できます。

各種行政手続きのオンライン申請ができる

マイナポータルへのログインを始め、行政の各種手続きのオンライン申請ができ、電子証明書として利用することができます。

本人確認の際の公的な身分証明書として利用できる

マイナンバーの提示と本人確認が同時に必要な場面では、このカード1枚で済む唯一のカードです。金融機関における口座開設やパスポートの新規発給など様々な場面で活用することができるので、とても便利です。

各種民間のオンライン取引などに利用できる

ネットバンキングを始め、各種の民間のオンライン取引等に利用できるようになる見込みです。

様々な行政サービスをこのカード1枚で利用できる

市区町村や国等が提供する様々なサービスに必要だった複数のカードがマイナンバーカードと一体化できます。まだ一部ですが、国家公務員や地方公務員の職員証として活用が始まっている省庁や県庁があり、一部の市役所では出退勤管理にも使われています。市民病院の診察券として利用が始まった自治体もあり、将来的には運転免許証と一体化することも予定されています。

コンビニなどで各種証明書を取得できる

コンビニに設置されているコピー機と一体化した機器を使い、住民票や印鑑証明書等の公的な証明書を取得することができます。筆者もこのサービスを今まで何度も使ったことがあるのですが、役所まで足を運ばず住民票や印鑑証明書を取得することができるのはとても便利で助かっています。

(取得できる証明書)
・住民票の写し
・印鑑登録証明書
・住民票記載事項証明書
・各種税証明書
・戸籍証明書
・戸籍の附票の写し
※お住まいの市区町村によりサービスの内容が異なります

セキュリティは大丈夫なの?

マイナンバーカード発行を躊躇されている方の中にはセキュリティを心配されている方が多いようです。

万一、紛失盗難にあっても、顔写真付きなので悪用される可能性は低く、たとえマイナンバーを見られたとしてもそれだけでは財産的被害が生じることはありません。顔写真が付いているのでなりすましの防止対策にもなります。

また、ICチップの中にたくさんの情報が入っていると思っている人が多いようですが、実はこのICチップには氏名、住所、生年月日、顔写真、マイナンバーなど券面に記載されている情報や電子証明書ぐらいしか入っていません。

さらに安全対策としてICチップの情報を利用するには暗証番号が必要ですし、不正に情報を読み出そうとするとICチップが壊れる仕組みになっています。

マイナンバーカードの申請方法って?通知カードはどうするの?

スマホで申請
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マイナンバーカードを申請する方法としては、スマートフォンを使って申請する方法が簡単で便利です。まず通知カードが送られてきた際に同封されていた「個人番号カード交付申請書兼電子証明書発行申請書」に二次元コードが記載されていますので、その二次元コードをスマートフォンで読み取り、申請用ウェブサイトにアクセスしスマートフォンで撮った顔写真を添付して送信すれば申請手続き完了です。

スマートフォン以外にも申請書に顔写真を貼って郵送で手続きする方法や、パソコンでウェブサイトにアクセスし画面に従って必要事項を入力し顔写真を添付して送信する方法もあります。

また、台数が限られていますが、証明用写真機でもタッチパネルから個人番号カード申請を選択して交付申請書の二次元コードをかざして申請することもできます。

いずれの方法でも交付申請を行うとおおむね1ヵ月程で市区町村から交付通知書(ハガキ)が自宅に届きます。そのハガキと通知カードと本人確認書類(運転免許証やパスポート等)を持って市区町村の役所にマイナンバーカードを取りに行きます。

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まとめ

マイナンバーカードを利用することによりどのようなメリットがあるのか、ご理解いただけましたか。

セキュリティ面においても不安になる要素はありません。既に日本国民全員に採番されているマイナンバー制度と混同している方が多いようですが、マイナンバーカードは様々な場面で役に立ちます。まだ作成されていない方は、早速作ってみてはいかがでしょうか。