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出産時は出産手当金だけでなく傷病手当ももらえる?

ふやす 中村 賢司

出産時は出産手当金だけでなく傷病手当ももらえる?

【画像出典元】「stock.adobe.com/candy1812」

子供が生まれるとベビー用品やミルク代などにお金がかかり、成長とともに教育費等も必要となりますので、出産のタイミングは今後のライフプランについて考える良い機会です。

今回は、出産までの妊婦検診費用の補助や、出産に伴い仕事を休んだ時にもらえる手当や一時金など、出産にまつわるお金について詳しく解説します。

出産でもらえる手当や給付金にはどんなものがある?

出産に伴いもらえる手当や一時金については、出産一時金や出産手当金など代表的なものがありますが、その他にも意外と知られていない補助制度があります。それぞれの手当や給付金について詳しく見ていきます。

「妊婦検診費用補助」

妊娠は病気ではないため健康保険の適用はありません。よって妊婦が定期的に受ける検診の費用も保険適用とはなりません。検査にかかる費用は全額自己負担となります。

そのため、自治体からの費用補助として、妊婦には妊娠届を提出した後に交付される母子健康手帳とともに妊婦健康検診が受診できる妊婦健康検査補助券が交付されます。妊婦検診14回分の補助券がついているので、受診する際に病院へ提出してください。

補助券で割引される金額は各自治体により異なるため、詳しくは各自治体のホームページでご確認ください。検診の費用総額から補助券の金額を差し引いた金額は自己負担となります。補助券で受診できるのは、基本検診に加えて妊娠初期血液検査や超音波、貧血、血糖検査といった健康検査などです。

医療機関を受診するときはその補助券を医療機関(助産院)に持参してください。

「出産手当金」

会社員や公務員が出産に伴い休職する際に受け取ることができる手当金です。出産のために仕事を休んでいる間は会社から給与支給がないため、その間の収入減を補い、出産前後の生活を安定させるために支給される手当金です。

出産日以前の42日間(双子以上の多胎であれば出産日以前98日)から出産の翌日以降56日までの範囲で会社を休んだ期間の日数分が支給対象となります。1日あたりの支給額は、直近12カ月間の標準報酬月額平均額÷ 30 × 3分の2相当額となります。

対象となるのは会社の健康保険や公務員共済組合の被保険者本人であり、扶養している配偶者等は対象とはなりません。また、自営業者やフリーランスなどで国民健康保険に入っている人も給付の対象となりません。

この出産手当金は健康保険に加入していることが支給の条件なので、パートやアルバイトなど正社員でなくても被保険者であれば対象となります。最近では大企業を始め健康保険(社会保険)の加入対象が広がっているため、対象となるケースが増えてきているようです。また、中小企業でも会社単位で労使の合意があれば社会保険に加入できるようになりましたので、非正規の方でも会社に相談してみると良いでしょう。

また、既に会社を退職している人でも退職まで1年以上続けて勤務していて、出産手当金の支給期間内に退職している(出産予定日前42日+出産や出産予定日から遅れた出産日までの日数+産後56日)場合は出産手当金の対象となります

「出産育児一時金」

出産出産育児一時金は赤ちゃん一人当たり一律42万円支給されます。最近の産婦人科では出産にかかる費用として40万円から50万円ほどかかるところが多いようです。また出産後の食事がフランス料理のフルコースや産後ケアが豪華な個室で充実している医療機関などではそれ以上かかる場合もあります。

これが全額自己負担となりますので出産に伴う負担は結構大きいのですが、出産育児一時金がありますのでかなり軽減されることになります。

ただし産科医療保障制度に未加入の医療機関・産科院で出産する場合や、妊娠22週未満での出産の場合は40.4万円となります。この出産育児一時金の支給は、受給者本人が直接受け取ることもできますが、医療機関に直接支払われるようにする制度もあります。この制度は自営業者やフリーランスも受給対象となります。

「育児休業給付金」

この給付金は1歳未満の子供がいる親が育児休業を取得した場合に支給される雇用保険の制度で、育児を支援してくれる制度です。

育休前の2年間で11日以上働いた月が12カ月以上あり、雇用保険に加入していることが条件となります。よって会社員や公務員の方が対象で、フリーランスや個人事業主、自営業は対象外となります。

この育児休業給付金は出産した女性だけではなく男性も取得することができるので男性の方もぜひ活用してください。

1カ月あたりの育児休業給付金の支給額は、休業開始時賃金日額×支給日数(通常30日)の67%(支給率)です。育児休業が6カ月を超えると、支給率は50%となります。例えば給与30万円の人がこの育児休業給付金を受け取る場合は、約20万円となり6カ月経過後は約15万円となります。

育児休業給付金の支給期間は、通常子供が1歳になるまでですが保育園等に預けられないなどの理由があれば2歳まで支給期間の延長ができるようになっています。

この育児休業給付金の取得率は女性が約8割に上り、男性はまだまだ低く1割程度です。男性の育休取得を推進するため2022年4月より育児休業等の環境整備個別周知が義務化されることとなりました。これにより男性の育休も取りやすくなるでしょう。

働き方によりもらえるお金は違う

今まで見てきたように会社員や公務員は出産手当金や育児休業給付金がもらえます。出産育児一時金は自営業やフリーランスの方も支給対象ですが、会社員や公務員と比べると産前産後にもらえるお金は少なくなります。社会保障は自営業の方よりも会社員や公務員の方の方が手厚いといえるでしょう。

 

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