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「老後の年金は年間70万円」って少なくない!?/40代独身女性相談

うちの家計簿 世継 祐子

「老後の年金は年間70万円」って少なくない!?/40代独身女性相談

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FPオフィス「フォルテシモ」へ依頼されたお客さまの家計簿を、mymoで診断する【うちの家計簿】。今回は会社員40歳女性、Tさんの家計簿です。「ねんきん定期便」が届いて内容を確認したところ老後資金が不安になったとのご相談です。

40代会社員女性Tさんの相談内容

大学を卒業後、正社員として働いてきました。現在の年収は約350万円です。60歳が定年なのでその後は再雇用制度で65歳までは契約社員として働きたいと思っています。今後結婚する予定もなくそろそろ真剣に老後のお金のことを準備しなければと思いますが「ねんきん定期便」が届いて「これまでの加入実績に応じた年金額」が70万円程度だったので大丈夫かな…と思っています。老後資金を増やす方法があれば教えてください。

Tさんの家計簿は・・・?

手取り20万9000円。毎月手取りの13%、2万8000円を貯金しています。貯金以外の生活費は18万1000円。現在の貯蓄額は380万円です。

「これまでの加入実績に応じた年金額」とは

Tさんの「ねんきん定期便」に書かれている「これまでの加入実績に応じた年金額」とは今までTさんが支払った国民年金と厚生年金の保険料で準備できている、65歳からの年金受取額の目安となる金額です。

Tさんの定期便には、国民年金の基礎年金部分が約39万円、厚生年金部分が約32万円で合計約71万円が年金額として記載されています。

今後Tさんが仕事を辞め年金保険料も一切納付しない場合65歳からの年金額は70万円程度となってしまいますが、Tさんが考えていらっしゃるように65歳まで働けば、支払う年金保険料も増えていき、それに応じて将来の年金の「加入実績に応じた年金額」も増えていきます。

ちなみにTさんが現在の年収350万円で60歳まで働き、60歳から65歳まで契約社員として厚生年金に加入し年収200万円で働いた場合、年金額は約154万円、月額にすると約12万8000円が見込み額となります。

現在Tさんの貯金を除いた生活費が18万1000円なので同じ生活をする場合は5万3000円ほど不足する計算になります。

年金を月5万円増やすには

2019年の高齢者の就業者(※)数は892万人と過去最多となっており、2004年以降増加し続けています。

(※)就業者とは、月末1週間に収入を伴う仕事を1時間以上した者、又は月末1週間に仕事を休んでいた者
総務省「労働力調査」(基本集計)より

Tさんが70歳まで働いて年金受取開始時期を70歳まで遅らせることができた場合、年金は65歳から受け取る年金額の42%増えるため、年金額154万円が218万円、月額にすると約18万2000円となり、月5万円程度年金を増やすことが可能です。現在の生活費と同じ位の金額となります。

貯金と年金のちがい

年金
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貯金は使えば減っていき、使い続ければなくなりますが、公的年金は生きている限り100歳以上でも受け取ることができます。生きている限り受け取ることができるのが公的年金の最大の魅力です。

Tさんが年金を65歳から100歳まで受け取った時の年金受取総額を単純計算すると
154万円×35年=5390万円
70歳から100歳まで受け取った場合は
218万円×30年=6540万円となり、1150万円増えることになります。

厚生年金は70歳まで加入でき、支払う保険料が増えればその分年金受取額も増えます。
毎年の年金額は賃金・物価動向によって反映され、生きている間受け取ることができます。

退職~年金受取までに必要なお金を計算しておこう

公的年金の受給開始を遅らせるためには、年金受取を開始するまでの生活費を準備しておくことが必要です。

Tさんは65歳までは働く予定ですが、70歳まで年金受取開始時期を遅らせた場合は生活費を18万円として5年間の生活費は18万円×12カ月×5年=1080万円となります。
65歳以降70歳まで働くことができたとしても、どのくらいの年収を得られるか分かりませんので、1080万を65歳までに準備しておき、その準備資金から使うことを検討しておきましょう。
現在の月々の貯金を65歳まで続けると2万8000円×12カ月×25年=840万円
今の貯金380万円と合わせて1220万円となり、1080万円以上はお金が貯まる計算となります。

月々の貯金を増やす

介護時の費用や葬儀費用、老後のレジャー費用などを考えると十分な金額とは言えないので60歳までの間は手取りの15%以上、月3万1000円以上の貯金を検討してみてください。
食費、通信費、光熱費、美容費、おこづかい、雑費の中身を見直し月3000円貯金することができれば可能になります。まずは通信費から見積もりをしてみてください。
実行できればラクに継続することができます。

貯金の一部を「つみたてNISA」や「iDeCo」を利用し運用することができれば20年以上の資産運用が可能になるため検討されることをおススメします。

長く働くためには

働くシニアの女性
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健康であれば長く働くことが可能な時代になってきました。健康であることが老後資金作りには欠かせません。Tさんは65歳までに重い病気になったときなどにお金が受け取れる保険に加入し就業不能時にも備えていらっしゃいますが、受け取れる金額は月額5万円でTさんの生活費の目安18万円には足りない金額です。

コロナ禍の中で、がん検診の受診率も下がっています。健康に気を付けて検診等も受診し早期発見ができるよう健康に気を配って頂ければと思います。

アドバイスを受けたTさんの感想

年金は増やすことができるんですね。知りませんでした。いろいろシミュレーションしてもらって具体的にイメージができてよかったです。スマホの通信料もずっと同じ会社のまま他社で見直したことがなかったので家計の中から3000円浮かせられないか調べてみます。「つみたてNISA」も友人が始めていて気になっていました。合わせて検討していきたいと思います。

家計簿診断を終えて

Tさんのお母さまも70歳まで働かれていらっしゃったそうです。2022年4月から年金制度が変わり、年金受給開始年齢が現在の60歳~70歳から60歳~75歳と変更となります。75歳からの年金受給が可能となり、いつから受け取るかは自分で決められます。長生きしたときもお金がなくならないように制度をよく理解して公的年金を軸に老後のライフプランを検討しておきたいですね。

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