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スマホとe-Taxで確定申告!なんと控除額が○万円もお得に!

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スマホとe-Taxで確定申告!なんと控除額が○万円もお得に!

【画像出典元】「hearty- stock.adobe.com」

e-Taxは「インターネット上で確定申告や納税が行えるシステム」です。このシステムを利用することで、パソコンやスマホから簡単に確定申告ができます。しかしスマホから行う場合はいくつか条件があり、マイナンバーカードや専用アプリも必要になります。

今回はスマホで確定申告を行う場合の、仕組みや進め方を解説していきます。

e-Taxをスマホから利用できる条件

部屋でしゃがんでスマホを操作する20代くらいの女性
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スマホでe-Taxの確定申告ができる人は、かつてはサラリーマンのような、「給与以外の収入がない人」のみに限られていました。

これが令和4年分の確定申告より、以下のように対象が広がりました。
太字部分が令和4年分の確定申告より対象になったもの

【スマホから確定申告できる所得(令和4年分)】
・給与所得
・雑所得
・一時所得
・特定口座の上場株式等譲渡所得や配当所得
・上場株式等の譲渡損失額(前年繰り越し分)
・事業所得および不動産所得※

※2023年(令和4年)提出分の確定申告より、確定申告書等作成コーナーで青色申告決算書・収支内訳書を作成する場合に限り、事業所得と不動産所得もスマホから申告できる対象になりました。

【スマホから確定申告できる所得控除】
・すべての所得控除
・政党等寄附金特別控除
・災害減免額
・外国税額控除
・予定納税額
・本年分の繰越損失額

つまり、今現在はサラリーマンで副業をしている人であっても、条件を満たせばスマホから確定申告が行えます。

おすすめは「マイナンバーカード方式」

マイナンバーカードのカード右上のアップ
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スマホから確定申告を行う場合、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2つの方式が用意されています。

1)マイナンバーカード方式・・・事前にマイナンバーカードの取得が必要(通知カードでは不可)
2)ID・パスワード方式・・・税務署に「電子申告等開始届出書」を提出し、「利用者識別番号(ID)」と「暗証番号」を入手

「マイナンバーカード方式」であれば、面倒な手続きが必要なく、すぐにe-Taxの利用を始められます。近年はマイナンバーカードが普及したためこちらが主流です。

2023年1月からは、過去にマイナンバーカード方式で申告したことがある人であれば、マイナンバーカードを利用した申告の際、マイナンバーカードの読み取り回数が1回になりました。また初めてマイナンバーカードを利用して申告する人は、マイナンバーカードで本人確認を行うことで、次回の申告からは1回の読み取りで申請が可能です。

「ID・パスワード方式」はマイナンバーカードを持っていない・使いたくないといった人向けでの救済手段です。マイナンバーカードは不要ですが、税務署に出向いて届出手続きを行う必要があります。

読み取れるスマホ機種+アプリが必要

マイナンバーカード方式を利用する場合、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホ機種である必要があります。地方公共団体情報システム機構・公的認証サービスポータルサイトにて、対応したスマホ機種の一覧が随時更新されていますのでご確認ください。

さらに「マイナポータルアプリ」のインストールが必要になります。このアプリはマイナンバーカードを読み取る機能を持つソフトウェアです。マイナポータル公式サイトにて、アプリが利用できるスマホ一覧が掲載されていますので、こちらもチェックしておきましょう。

スマホで確定申告書を作成する手順(マイナンバーカード方式)

薄型のスマホを操作する男性の手元のアップ
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※マイナンバーカード方式での手順として解説します。

手順1.確定申告書等作成コーナー

国税庁のWEBサイト上の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、[作成開始]をクリックします。

「申告内容の質問」と題して、収入区分や控除などに関するいくつか簡単な選択形式の質問が表示されますので、はい・いいえやチェックで選んでいきます。

手順2.マイナポータルアプリのインストール

画面を進んでいくと、「マイナポータルアプリ」のインストールが求められますので、App StoreもしくはGoogle Playからインストールします。

手順3.マイナンバーカードの読み取り

マイナポータルアプリを起動し「マイナンバーカードの読み取り」をタップします。

画面の指示の通り、スマホのカメラをマイナンバーカードに合わせ、カードの読み取りを行います。正常に読み取れれば、「ログイン認証に成功しました」と表示されます。

マイナンバーカードにスマホをかざして読み取るイラスト
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手順4.申告書の作成

ログイン認証後は、申告書の作成が行えますので、必要事項を入力します。

・給料所得、源泉徴収票情報の入力
・医療費控除、寄附金控除など控除の入力
・本人情報(名前や生年月日)の入力 など

手順5.申告書データの送信

申告書が完成したら、画面指示に従い、申告データの送信を行います(印刷も可能)。「送信成功しました」と表示されれば完了です。受付結果を確認しておきましょう。

「マイナポータル連携」でより便利に

マイナポータルとは、政府が運営するオンラインサービスです。利用者登録を行うことで行政の手続きや、所得・地方税などの自分の情報を確認できるようになります。
マイナポータル連携を行うと、控除証明書など、確定申告において必要となるデータをマイナポータル経由で一括で取得でき、e-Taxで確定申告書を作成する際、該当の項目が自動で入力されます。

また、2023年提出分(令和4年分)の確定申告からは、1年間分の医療費通知情報や公的年金等の源泉徴収票、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書も、新しくマイナポータルに連携できるようになりました。

スマホで確定申告に向いているのはこんな人

東京国税局の入り口からビル全体をとらえた写真
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手間を省きたい人

e-Taxで確定申告することで、次のような手間が省け、スムーズになります。

・インターネット経由のため税務署に出向く必要がない
・データのため誤字・脱字の訂正も簡単
・医療費控除の領収書、源泉徴収票などは、原本書類の提出・提示を省略することも可能(ただし原本は一定期間保管しておく必要あり)。

還付を早めに受けたい人

e-Taxで確定申告することで、紙面での確定申告よりも税の還付を早めることができます。目安として、1~2月に申告すると2~3週間、3月に申告すると3~4週間程度で還付の処理が行われるようです。

申告を早めにしたい人

紙面での確定申告は、毎年2月16日~3月15日の間となりますが、e-Taxではこれよりも早く、1月上旬から確定申告を行うことができます。

青色申告特別控除額を10万円分増やしたい人

e-Taxでの確定申告を行うと、特例として、青色申告特別控除額が55万円→65万円に増額されます(令和2年分以後より)。控除額が10万円ほど増えるため、青色申告を行っている人には明確なメリットとなります。

スマホによる確定申告は、最初は戸惑うことも多いかもしれませんが、慣れてしまえば従来よりも簡略化できることが多く、申告はスムーズで楽に感じられるはずです。マイナンバーカードが交付された方は、ぜひ今年分からチャレンジしてみてはいかがでしょう。