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積立投信一度止めたいけど、損しそうで止められない/FP相談

FPにききたいお金のこと 権藤 知弘

積立投信一度止めたいけど、損しそうで止められない/FP相談

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20代男性からの相談内容

現在、毎月のつみたてNISAで積立投資をし、会社の制度で自社株を買っています。しかし、月給に対してまあまあ大きな額を投資と運用に回しており、貯蓄の中の投資割合が高すぎるため、できれば、余裕ができるまでつみたてNISAを止めたいと考えています。一度止めたり、金額を減らしたりすることは可能なのでしょうか?

また、一度止めていつか再開するのと、金額を減らして続けるのではそれぞれどのような影響が考えられますか?止めると損しないかな・・・などと思うとなかなか実行できません。

つみたてNISAは減額したり、止めたりできる?

自社株やつみたてNISAなど積極的に投資を行われているようですね。投資を始めると、お尋ねのように投資金額や制度についての疑問や、こうしたいという希望が出てくるのは当然だと思います。

結論から申し上げると、毎月の積立金額の減額、積み立ての停止・解約はご自身の希望で自由に変更できます。

銀行や証券会社でつみたてNISAの口座を開設すると、一般的にはインターネットでも証券口座の残高の確認や金融商品の購入、そして投資信託の積立金額の変更、売却もできます。よって、積立金額の減額や、積み立てをストップするような手続きも、ご自身の考えで自由に変更できます。

また、一度中断した積み立てを再開させることも可能です。ただし金融機関によっては必要資金の移動や購入タイミング、最低積立金額が決まっており、希望の金額に変更できないことや変更に時間を要することもあります。

一度止めていつか再開するVS金額を減らして続ける、それぞれどのような影響が?

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相談者の方にとって、どちらが今の状況にしっくりくるかを考えてみましょう。

①    一度、積み立てを止める

積み立てを止めることで手元資金に余裕ができるのであれば、一度止めた方が良いでしょう。特に、現在手元資金に余裕がなく、クレジットカードで分割払いやリボ払いなどを行っているようなら、つみたてNISAはすぐに止めましょう。

手元資金がどれくらいあれば良いかというのは人それぞれだと思います。私見ですが緊急予備資金として、生活費や家賃などの合計金額の3~6カ月分の現金が用意できるまでは投資を始めるべきではないと考えます。この資金の準備ができたら投資を再開するというのはいかがでしょうか?20代ということですので一度止めた後に再開しても運用にまわす時間は十分にあります。

②    金額を減らして継続

積み立て投資で利益を得るための最大のポイントは「継続して積み立てること」です。そのため金額を減らしてでも積み立てを続けることは、投資効率の面では有利だと思います。

ちなみに積み立て投資は「ドルコスト平均法」とも呼ばれています。株式や投資信託などの金融商品には価格の変動があり、その価格変動による資産価値の変動リスクを「毎月同じ金額を、同じタイミングでコツコツと買い付けてリスクを抑える」という投資方法です。そのため可能であれば金額を減らしてでも継続して積立投資ができると良いでしょう。

③    結局どちらが良いか?

自社株を含め、毎月の投資金額が不明なため、想像です。

自社株は職場での事情もあると思いますので変更が難しいかもしれませんが、まずは「手元資金を充実させること」を優先しましょう。そのため自社株とつみたてNISAはいったん金額を減額することをおすすめします。

なお金融機関によっては、つみたてNISAは「毎月5000円から」「1万円から」など最低購入金額が決まっていることがあります。その金額が今のご自身にとって高いと思われるのであれば、積み立てを中断しても良いでしょう。

積み立て投資は長い時間を掛けてゆっくりとリターンを求める投資方法です。一度止めると損をしないかな?というお気持ちはごもっともです。ただ、投資を継続していてもマーケットの状況によっては元本割れするタイミングもあります。まだ20代ということですから、手元資金を整えて投資を再スタートしても時間を味方に付けることは十分可能です。頑張ってください。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。