1マイルから支払い可能に!?ANAの新マイルサービスに注目!
監修・ライター
航空大手のANAホールディングスが10月20日、新たなゲートアプリのローンチと、ポイントサービス「マイル」のリニューアルを発表しました。
ANAホールディングスの発表によると、これまで航空チケットやホテル・旅館の宿泊費用、ANAオンラインショッピングなどへの支払いに利用できていたマイルを現金のように使えるようになるそうです。
来年の年明けには、日用品や家電、各地の特産品などを取りそろえたECサイトを、国内航空会社として初めて自社運営でオープン。ユーザーが貯めたマイルはこのECサイトでの支払いに使えるほか、来春には電子マネーサービス「ANA Pay」を刷新し、1マイルから現金のようにチャージし、支払いができるようになります。
これまでも現金化に近いことはできたけれど…
ANAホールディングスは、「マイルで生活ができる世界」を掲げていて、新たなサービスでは、1マイルから貯めることができ、貯めたマイルは現金の代わりにコンビニやスーパー、飲食店などの支払いに充てられるようになります。
実は、ANAのマイルはこれまでも現金化に近い交換方法が用意されていました。電子マネーの楽天Edyや楽天ポイント、Tポイントなどに「1万マイル=1万ポイント(1万円相当)」のレートで交換できます。楽天EdyやTポイントは全国のコンビニやスーパーなどで支払いに使うことが可能です。楽天ポイントは、ECサイト「楽天市場」での支払いなどに利用できます。
これだけ聞くと、「いまさら現金として使えるようにしなくても良いのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。しかし、Tポイントなどに交換できる最低単位は1万マイルです。東京―那覇(片道)での区間基本マイレージは984マイルのため、1万マイルをフライトだけで貯めるとなると、東京―那覇間を5往復以上しなければなりません。ホテルへの宿泊で貯まるのは100円ごとに1マイルのため、たとえば1泊1万円のホテルに泊まったとしても、100マイルしか貯まりません。
このように1万マイルを貯めるのは旅行に頻繁に行く人でないとかなり難しく、「1万マイル=1万ポイント(1万円相当)」に交換することのハードルは非常に高いと言っても良いでしょう。また、「1万マイル=1万ポイント(1万円相当)」のレートで交換できるのは、同一年度内(4月1日~翌年3月31日)に2口まで。3口目からは「1万マイル=5000ポイント(5000円相当)」と交換レートがユーザーにとって不利になってしまう点も注意しなければなりませんでした。
1マイルが何円のレートで交換できるかの詳細はまだ発表されていませんが、たとえば「1マイル=1円」のレートで現金として、いつでもどこでも使えるとなると、ユーザーの利便性は大幅に向上するでしょう。
ライフスタイルに最もあったポイント選びを
また、有効期限を気にする必要がなくなる点もメリットです。期間限定マイル以外の通常マイルの有効期限は、マイルを獲得してから36カ月後の月末までと定められています。これまでもANAのマイルは1マイルから使うことは可能でした。しかし、1マイルから使うには、使い道は全国各地の提携のホテルや旅館の宿泊費に充当したり、ANAの航空券や旅行商品に使ったりという使い道しかありませんでした。そのため、気づかないうちにポイントを失効してしまったという人も少なくなかったでしょう。
このように、ANAのマイル制度は、旅行にあまり行かない人にとって、これまでは使い勝手があまり良くない側面もあるポイントサービスでした。しかし、1マイルから現金として使えるのであれば、無理をすることなく、無駄なく貯まったマイルを使い切れるようになります。
今回のANAの新たなポイントサービスのほかにも、今年4月にはスマートフォン決済でシェア1位のPayPayがポイント事業に参入。さらに、今年10月にはTポイントを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブと三井住友フィナンシャルグループがポイント事業を統合しました。ポイントサービス大手のNTTドコモ「dポイント」、楽天グループ「楽天ポイント」を含め、戦国時代の様相を呈してきているポイントサービス業界。自分のライフスタイルに最もあったポイントサービスを選ぶことが、これまで以上に重要になってきていると言えるでしょう。