銀行融資を受けることで、効率よく所得を増やせる理由とは?
監修・ライター
一度しかない人生。“自分らしく”“豊かに”“自由に”生きたいと思いませんか?
この講座「『パラレルインカム』のはじめ方」では、そうした生き方の実現方法を、身近な生活のお金や会計、経済、資産運用などに関して幅広い見識を持つ「ファイナンシャルアカデミー」の代表・泉正人先生が、わかりやすくレクチャーします。
また3講座が終了するごとに、このメソッドを実践し、自分らしい生き方を手に入れた6名の「パラレルインカム・ストーリー」も紹介。
今、話題の「FIRE」の先をゆく新しいメソッド「パラレルインカム」。みなさんもぜひ、このメソッドを活用して、自由で豊かな人生を自らつくってみませんか?
銀行融資を受けられることに気づく
前回は、2軒目の不動産を購入した時点で貯金がほぼ底をついてしまった、という話をしたところで終わっていたよね。
はい。もうその続きが気になって気になって…。
そうだったんだね(笑)。では続きを話していくけど、その頃僕は、銀行融資について勉強をしはじめていたんだ。
銀行にお金を借りるということですね?
独立してから3年は、銀行からは、“独立したばかりの不安定な人”と見られて、銀行は融資をしてくれない。何度か銀行に行って交渉してみたけれど、どの銀行からも「3期分の確定申告書と決算書を持ってきてください。それから融資の検討を行います」と言われて、融資についてはあきらめていたんだ。
だから、現金で不動産を買うしか選択肢が…。
そう。僕はたまたまうまくいったビジネスで現金を持っていたから、それをほぼすべて不動産購入に充てることにした。
でも、不動産を現金で購入していると、貯蓄が増える速度よりも貯蓄が減る速度のほうが圧倒的に早いんだよ。
それで、2軒購入した時点で、貯蓄がなくなってしまったんですね。
ただし、その頃はちょうどタイミングよく、起業して3年が経つ直前だった。そこで、以前融資を断られた銀行に、再度アポを取って相談しに行くことにしたんだ。
すると、2年目までの財務状況と、もうすぐ1年を迎えて終了する3年目の財務予測を見て、融資を検討してくれることになった。
やっぱり信用を作るって大事なんですね。で、そこからは…?
不動産物件探しにも力が入っていくよね。今までは現金でしか購入できなかったのが、銀行からの融資を使って、より大きな不動産を購入することができると知ったんだから。僕は、7,000万円の物件を購入し、月60万円の不労所得を得ることを目指して、物件探しを行ったんだ。
結果、どうでしたか?
見つけた1つ目の物件が、千葉県にある3,000万円のアパートだった。お世辞にもきれいとは言いづらいアパートだったけど、収益率が高かったので銀行に相談しに行ったところ、融資をしてもらえることになったんだ。
3,000万円。思い切りましたね!
そうだね。これが人生初の銀行融資。借金することになったのに、なぜかとてもうれしかったことを今でも覚えているよ。
そして、これをきっかけに、僕の不労所得は急激に大きくなっていったんだ。
千葉県のアパートは3,000万円ですよね。全部を銀行融資で賄ったんですか?
そう、銀行融資で3,000万円。諸費用などがあるので、かき集めてつくった200万円を頭金に購入したんだ。
購入後は、月間の家賃収入35万円に対して、ローン返済が20万円、さらに管理費などの支出が5万円ほど。実質手残りが月10万円、年120万円となった。
不動産の価格としては3,000万円だけど、実際に自分が投資したお金は頭金の200万円だけ。それに対して、年120万円の不労所得が入る。収益率を計算すると、なんと60%にもなるんだよ。
最初に投資した200万円は1年8か月で回収して、1年9か月目以降は、ずっとお金が増え続けるということですね。
そうなんだ。繰り返すけれど、この月10万円のお金は、自分が働いて得たお金ではなく、自分の資産が働いて得たお金。自分が仮に病気で倒れても、世界一周旅行に行っていても、翌月も、そのまた翌月も、ずっと永続的にお金が入ってくる不労所得なんだ。その仕組みを元手200万円でつくれたことで、僕は銀行融資を活用し、効率的に所得(収入)をつくり出す体験をした。
そして僕の毎月の不労所得は、6万円+9万円+10万円で、計25万円ほどに。この時点で、あることに気づいたんだ。
どんなことですか?
当時の僕は、7,000万円の物件を購入して月60万円の不労所得を目指していたけれど、何も7,000万円の現金がなくても、月60万円は達成できるのだということだよ。
えっ?つまり…。
たとえば千葉県のアパートであれば、投資額200万円に対して月10万円の不労所得が得られているので、計算上は投資額1,200万円で月60万円の不労所得が得られることになる。
そうですね。
当初、現金で行う不動産投資が、ほかの投資よりも収益率が高いということに気づいて不動産投資をスタートしてきたけれど、実は現金ではなく、融資を活用した不動産投資は、さらに収益率が高くなるということに気づいたんだ。
銀行からの融資を活用することで収益率が高まるということは、用意する資金が少なくても、多くの収益を上げられるということと同義。なので、僕はこの融資についてさらに学びを深めていったんだ。
好きなことを仕事にできるようになった
3年後。僕は頭金をほとんど使わず、15億円の不動産を保有し、2億円の家賃収入、返済後の不労所得が1億円、という経済的に自由な状況にまで持っていくことができたんだ。
不労所得が1億円!
その時点で僕は、毎月自由に使える収入と、悠々自適で自由なライフスタイルを手に入れた。
まさに悠々自適ですね。
悠々自適といっても、仕事をリタイアしてただのんびりするだけではなく、将来のお金の不安にかられることなく、好きなことが自由にできる人生を築くことができたと思っているよ。
先生が好きなことって、どんなことですか?
趣味のサーフィンや旅行もあるけれど、創立したファイナンシャルアカデミーを通じて、社会に金融経済教育を広げるという普及活動も含まれる。
僕の場合はサーフィンや旅行だけだとどうしても飽きがきてしまうので、日々チャレンジをしながら、大きなものに向かっていくという刺激が必要。それが、仕事そのものなんだ。
我慢した時間の対価としての仕事ではなく、余暇を削ってお金を得るという仕事でもなく、生きがいや日々の充実度を高めるために、好きなことを仕事にできるようになったんですね。
そう。経済的自由を得て、ビジネスを整理して捻出できた時間を、僕はよりいっそうファイナンシャルアカデミーの仕事へとつぎ込んだんだ。
先生は、最初は仕事による収入を貯蓄して、つくった貯蓄で株式投資を行って、不動産を購入することで経済的自由を達成することができたんですね。
いま振り返ると、「最初に労働所得を増やし、株式投資で資産構築を行い、その資産をもとに不動産を購入して資産所得を増やしていく」というパラレルインカムのステップを忠実に踏んでいたことがわかるよね。
ファイナンシャルアカデミーを運営して21年が経過した今、僕自身が半ば無意識のうちに行っていた「パラレルインカム」というメソッドをあらためて体系化し、ノウハウに落とし込むことができたと思っているよ。
やりたくない仕事をやらない自由
経済的自由を得て、仕事への取り組み方はどんなふうに変化していったんですか?
それまでは、生活のために仕事をしなければいけないというプレッシャーが大きく、よくも悪くも、どんな仕事もがむしゃらに取り組んでいたんだ。けれど、経済的自由を得てからは肩の力が抜けて、自然体で仕事ができるようになった。
今はやりたくない仕事はやらなくていいと思っているし、社会のためになる仕事だけをするように心がけているかな。
理想的すぎます!
僕自身は、たくさんの人にお金の扱い方について伝えたい、という情熱を持っているし、やりがいを感じている。
それに今は、社内のメンバーとお互いのスキルを補完しながら、スクールを運営している。そうすることで、全員が好きで、得意で、やりがいのある仕事に取り組めていると感じるよ。あと仕事以外のことで言うと、人とのつき合い方も変化したかな。
どんなふうにですか?
僕はもともと積極的に人脈を広げたいと思うタイプではないのだけど、特に今では、心地よく時間を過ごせる人や、お互いに成長し合えるような人、そして尊敬できる人など、自分が魅力的だと思える人との時間を人づき合いのベースに置いて、それを選択できるようになった。
うらやましい…。
ビジネスにおいては、やむを得ず接待の酒席に参加したり、接待ゴルフにつき合ったりするケースもあるかもしれないけれど、僕は仕事のためだけの接待は行わない状況もつくれるようになったんだ。
パラレルインカムになると、住処に関しても、自宅を1か所に固定することなく、都心と地方、さらに海外にも拠点を構えるなんてこともできそうですね。
そうだね。僕は季節に応じて生活拠点を変えていくことを理想としていて、そのような生活に移行していこうと思っているよ。
パラレルインカムは100人100とおり
ここまで、僕自身の経験についていろいろ話してきたけれど、もちろん僕の生き方が唯一の正解とは考えていない。人にとって、自由な人生のあり方は違うからね。
つまり、100人いれば100とおりのパラレルインカムが成り立つということですね。
そうだね、パラレルインカムのあり方は「支出のサイズ」「仕事のサイズ」「拠点の数」で方向性を分類できるんだ。
どういうことですか?
「支出のサイズ」では、月20万円あれば生活できる人もいるし、50万円あれば生きていけるという人もいる。中には100万円、200万円が必要という人もいるかもしれない。
この講座では、毎月50万円のフローを基準にしているけれど、これはあくまでも目安。自分にとって理想的な支出のサイズを決めることが大切なんだよ。
なるほど。「仕事のサイズ」に関しても、一人でブログなどを書きながら10万円くらい得られれば十分という人もいるでしょうし、自分で会社を立ち上げて事業を拡大していきたいという人もいそうですもんね。
コーヒーショップを開くにしても、一人で細々とやっていくか、従業員を雇うかによっても仕事のサイズは変わってくるよね。
それに、大きなビジネスをやることが正しいとは限らない。自分にとって自由とやりがいを両立できるサイズを見つけることが一番だと思うんだ。
そして「拠点の数」も、そういうことですよね?
そう。一拠点派の人と、僕のように複数拠点を求める人に分かれる。同じ一拠点でも、東京のタワーマンションに仕事場兼住居を構えたい人と、長野県の山奥の一軒家で質素に暮らしたい人とでは、だいぶ生活スタイルが違ってくるよね。
複数拠点といっても、東京と熱海もあれば、北海道と沖縄、東京とハワイ、東京とパリとロスなど、組み合わせと拠点数は千差万別ですね。
そうだね。もちろん、何をどう選ぶかは自分しだい。ぜひ、自分にとってベストなパラレルインカムを目指してもらえればと思っているよ。
自分にとって、ベストなパラレルインカム。探してみます!
次回は、「パラレルインカムで手に入れられる『5つの自由』とは?」について話していきます。お楽しみに!