学生時代奨学金を借りたことで、卒業後の生活が苦しくなる・・・本来は若者を経済的に支援するはずの奨学金が大きな負担になっていることが社会問題になっています。自分が奨学金の返済で苦労したから、子どもにはなるべくその負担をかけたくないとお考えの保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか？　そういった現状を踏まえ、最近では、返還の必要のない奨学金に注目が集まっています。そこで、福岡県の私立大学が独自に用意している「給付型奨学金制度」や授業料等が免除になる「特待生制度」について調べてみました。

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大学生を対象とした給付型奨学金とは？

学校に通う学生を経済的に支援するための奨学金には、卒業後に返済が必要な「貸与型奨学金」と返済の要らない「給付型奨学金」の2種類があります。奨学金の多くを占める貸与型奨学金は、金額が大きく返済期間も長いため、返済が大変であることが問題となっています。

こういった問題を受け、拡大の方向にあるのが「給付型奨学金」です。2017年度からは、所得の少ない住民税の非課税世帯の一部で、日本学生支援機構（旧日本育英会）が支給する給付型奨学金の導入が進められています。また、独自に給付型奨学金を支給する学校も増えてきています。

最長4年間の授業料が免除される「九州産業大学」

九州産業大学には、センター試験・一般入試等の成績優秀者100名を対象に適用される「フレッシュマンスカラシップ制度」があります。入学年度から最長4年間の授業料（合計260万円）が免除となる制度で、特に所得制限等はなく誰でもチャレンジできます。

そのほかにも「学校法人中村産業学園創立50周年記念給付奨学金制度」という給付型奨学金があり、1人月額3万円（年間36万円）を最長4年間受け取ることができます。学校法人中村産業学園創立50周年記念給付奨学金制度の給付予定人数は295名、毎年6月に採用決定がされています。

年間30万円が一括で支給される「近畿大学福岡キャンパス」

近畿大学福岡キャンパスには年間30万円が一括で振り込まれる「近畿大学給付奨学金」があります。「優秀でありながら、経済的に学資の援助を受けることが必要であると認められる人」が対象となっており、入学後に募集があります。

そのほかに「学業特待生制度」があり、入試の成績優秀者に対して学費の全額または半額が免除されます。全額免除は20名、半額免除は50名の予定です。また、在学中に一定の資格を取得すると奨学金が給付される「資格取得奨学金制度」も用意されています。近畿大学給付奨学金は、毎年6月から応募可能で、9月末に採用者に振り込まれる仕組みになっています。

入試前に奨学金の有無がわかる「福岡大学」

福岡大学では、入学前に給付を確約する「入学前予約型給付奨学金」を支給しています。入学前予約型給付奨学金は一般入試が行われる前に奨学金がもらえるかどうかがわかるため、受験生とその家族にとって予定が立てやすくメリットのある制度です（所得制限あり）。

支給額は入学後1年間で文系30万円、理系50万円（成績優秀者は特別増額あり）です。採用候補者数が2000名と多いのも特徴のひとつです。家計の経済状況を審査した上で、貧窮度の高い順に決定します。この奨学金は新入生を対象とする支援のため、1年生時に1回のみ支給されます。2年生以降には、返還義務のない「福岡大学給費奨学金」が別途用意されています。11月から応募可能で、12月下旬に採用者が決定されます。

今回は返済不要の奨学金制度のある九州産業大学、近畿大学福岡キャンパス、福岡大学ごの3つの大学をご紹介しましたが、これはほんの一部。給付型奨学金のある大学は九州地区にまだまだありますし、首都圏や関西圏にもたくさんあります。また民間団体が実施している給付型奨学金も、条件にあてはまれば活用することができます。進学予定のお子さんがいるご家庭は給付型奨学金についてじっくり調べてみてください。経済的な問題で未来ある若者が進学をあきらめることが減るように、今後も給付型奨学金の拡大に注目していきたいですね。

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