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【初心者必見】NISA初挑戦!投資信託選びのコツや妥当な積立額は?

FPにききたいお金のこと 中村 賢司

【初心者必見】NISA初挑戦!投資信託選びのコツや妥当な積立額は?

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2024年からNISA制度が拡充されることで、NISA口座を開設して投資を始めてみようという若者が増えています。今回の「FPに聞きたいお金のこと」は、20代の女性から寄せられたNISAを活用した積み立て投資についての相談です。

20代女性の相談

近々結婚する予定なので、将来のためにお金もちゃんと貯めようと思っています。預金はある程度あるので、最近よくCMなどで耳にする「NISA」にも挑戦しようと、口座を開設しました。まずは5000円からやってみようと思っていますが、投資信託がたくさんありすぎて、どれを選べばいいか分からず、つまずいています。

利回りランキングや、販売額ランキングなど、さまざまなランキングがあり、選ぶポイントが分かりません。どのような基準で選択したら良いでしょうか?また将来的にはもっと積立額を増やそうと思っていますが、5000円から積み立てを始める場合、投資信託の数は何本から始めるのがおすすめですか?    

投資初心者は「少額・積み立て」がおすすめ

オススメ
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相談者のようにある程度お金が貯まったら投資の始め時です。とはいえ大きな金額を一度に投資する行為はおすすめできません。特に投資初心者は、積み立て投資から始めると良いでしょう。

投資上級者であれば独自の相場感を持ち将来のマーケット動向を予想し、一度にまとまった金額を投資することで大きな利益を追求します。しかし投資初心者はそのようにはいきません。そこでおすすめなのが積み立て投資です。

投資する商品の価格が安い時も高い時も毎月一定額積み立てることで、購入価格が平準化され利益が出やすくなるのです。(必ず利益が出るわけではありませんのでご注意ください。)

積み立て投資は、銀行窓口では5000円から、ネット証券などは100円から積み立て投資を始めることができます。

投資信託選びは目的を決め、期間・リスクを考える

では次に投資信託選びのポイントについて解説します。

投資を始めるに当たって大切なことは、「毎月の積立額をいくらにするか」「投資先をどこにするか」ではありません。まずは投資の目的を決めることです。老後資金、教育資金、マイホーム購入の頭金、結婚資金など、お金を貯める目的があると思います。このうち何を目的に積み立て投資をするのかをまず決めてください。

投資目的が決まれば自ずと投資期間が決まります。老後資金であれば長期運用、教育資金や住宅資金の確保であれば中期運用、結婚資金などは短期運用となるでしょう。

この投資目的を決めることで、投資先(マーケット)が絞られていきます。長期運用であれば国内外の株式投資信託やREIT、中期運用であれば海外の債券投資信託、短期運用であれば国内の債券投資信託など、リスクの許容度に応じた投資先を検討しましょう。

初心者は人気ランキングや販売額ランキングを参考に

投資信託の情報サイトや証券会社のサイトを閲覧すると、トータルリターンランキングや販売額人気ランキング、手数料ランキングなどさまざまなランキングを確認することができます。

投資初心者の方は、ついトータルリターンランキングや利回りランキングに目が行きがちです。しかしこのランキング上位にはハイリスクハイリターンの投資信託もあり、投資初心者にはおすすめできません。

これから積み立て投資を始める方が参考にするランキングは、販売額ランキングや販売人気ランキングなどを見ると良いでしょう。要は売れ筋の投資信託を選ぶということです。

どのサイトを見ても人気ランキングの上位には、投資初心者にもおすすめの外国株式や米国株式のインデックスファンドが並んでいます。インデックスファンドであれば買付手数料が無料で信託報酬も低めに設定されているので初心者にはおすすめです。

慣れてきたら投資先を分けてみよう

分散投資
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相談者は5000円で積み立てを始めるにあたり投資信託の数を何本にしようか悩んでおられますが、私のおすすめは1本です。

毎月の積立額が少ないうちは本数を分けず1本にしておくことで管理もしやすくなるでしょう。慣れてきて積立額を増やそうといった時に本数を増やすことも検討してみてはいかがでしょうか。

例えば、積立額を1万円に増額する際、株式ファンドと債券ファンドで5000円ずつ、それぞれ違う値動きのもの2本に分けて保有し、リスク分散するという考えです。

投資信託を分ける、すなわち投資先を分けると、値動きが異なる別々のマーケットに投資をできるため、どちらかが下落した際、別のファンドがその下落を下支えしてくれる効果があります。場合によってはどちらかが下落した時にはもう一方が上昇していることもあるでしょう。

そうやってリスクを分散することは長期投資の基本です。投資に慣れてきたら金額を増やして投資先の本数も増やしていきましょう。

まとめ

2024年から新NISA制度が始まります。投資金額が拡充され非課税期間も無制限と大幅に改善されますので、注目度が高く来年からの新NISAを利用して投資を始めようと考えている人が増えてきました。

国も「貯蓄から投資」という方針を掲げています。相談者のように20代のうちから少しでも投資を始めて、投資がどのようなものか体験し徐々に投資額を増やしていくと良いでしょう。

繰り返しになりますが、投資を始めるうえで大切なことは、投資金額や投資先ではなく投資する目的をまず始めに決めることです。そして投資期間を決め、投資先を決める、この順番を忘れずにいてください。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。