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フリーランスも労災保険加入可能に!保険料はいくら?注意点も

経済とお金のはなし 中新 大地

フリーランスも労災保険加入可能に!保険料はいくら?注意点も

【画像出典元】「True Touch Lifestyle/Shutterstock.com」

こんにちは、フリーランスのコピーライター、中新大地です。

従来、フリーランスの働き方は自由度が高く、独自のキャリアを築くことが可能とされてきましたが、一方でセーフティーネットの欠如が懸念されてきました。
そんな中、厚生労働省が全業種のフリーランスを労災保険へ加入可能にすると発表。リスクが軽減されることで、フリーランスの安心と自由の両立が期待されます。

今回はこの話題について、フリーランス視点でご紹介します。

原則全業種対象に、フリーランスの労災保険とは?

労災保険とは、仕事や通勤中の事故やケガ、職業病といった病気、そして最悪の場合の死亡に際して経済的な支援を提供する制度です。
フリーランスの場合、従来は「特別加入制度」によって、建設業にかかわる、いわゆる一人親方や食事宅配サービスの配達員などへの適用に限られていました。それが、早ければ2024年秋から業種にかかわりなく適用されることになります。
幅広い業種のフリーランスも保護の対象となることで、個人で仕事を請けることのリスクが軽減され、より柔軟な働き方を体現する人の増加が期待されます。

フリーランスが労災保険に加入するメリットは?

労災保険
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フリーランスが労災保険に加入することで、多くのメリットを享受できます。仕事中の事故や職業病によって治療が必要になった場合、治療費は全額補償されます。仕事を休む必要が生じた際には休業補償により収入の一部が支給されます。これにより、経済的な安心感を持ちながら治療に専念することが可能です。

さらに、事故や病気が原因で障害を負った場合には、障害の程度に応じて給付金が支払われます。最悪のシナリオ、つまり労働者の死亡が発生した場合には、遺族に対して経済的なサポートが提供されます。

これらの保障は、フリーランスにとって大きな安心材料となるでしょう。例えば、写真撮影中の転倒、長時間のPC作業による腱鞘炎、外回り中の交通事故など、様々なリスクに備えられます。このように、労災保険はフリーランスの働き方を支え、リスク管理に大きく貢献する制度です。

弱いとされてきたフリーランスの立場を支えることにつながり、金銭的かつ精神的な安心感をもたらします。また、こうした議論が進むにつれて、フリーランス新法が可決されたように、フリーランスにとってさらに働きやすい社会になっていくことも期待されます。

労災保険への加入手続きと注意点

労災手続き
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現行のフリーランスの労災保険料は、1日の給付基礎日額に365日分をかけたのち、0.3%の保険料率をかけて算出します。
仮に希望する給付基礎日額が1日1万円なら年間保険料は10,950円(月額約912.5円)、2万円なら21,900円(約1,825円)となります。
労災対象の理由により休業した場合、給付基礎日額の6割の休業補償給付と、2割の休業特別支給金を得られます。

なお、この給付基礎日額は自身の年収に見合った金額を設定することが推奨されています。また、フリーランスの働き方が多様化する中で、労災保険の制度も進化し続けています。新しい職業や働き方が登場するたびに、保険の適用範囲や条件が更新される可能性があるため、定期的に最新の情報をチェックし、自分の状況に合った保険加入を検討しましょう。

自己責任と言われてきたフリーランスに光

労災保険への加入は、フリーランスにとって重要なセーフティーネットとなります。仕事に集中し、クリエイティブな活動を続けるためにも、適切なリスク管理が不可欠です。新しい制度は、フリーランスの働き方をさらに充実させ、安心と自由の両立への大きな一歩となるでしょう。「自己責任」と社会から突き放されてきた印象のあるフリーランスにとって、心強い支えとなるに違いありません。

これまで「会社が守ってくれないぶん、自分の身は自分で守ろう」と、いくつもの生命保険等で自衛していたフリーランスにとっても、今回の労災保険に関する決定がコスト削減になるかもしれません。
無論、保険加入の最終判断は自分自身で行う必要があります。自分には何が必要で何が不要かは、よく吟味しましょう。