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リボ払い返済残高90万円、利息の総額ヤバい?早く完済するには

うちの家計簿 世継 祐子

リボ払い返済残高90万円、利息の総額ヤバい?早く完済するには

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FPオフィス「フォルテシモ」へ依頼されたお客さまの家計簿を、mymoで診断する【うちの家計簿】。今回はキャッシングで借りたローンのリボ払い返済を続けている一人暮らしの自営業38歳女性Mさんの家計簿です。

38歳自営業女性Mさんの相談内容

自営業で毎月支出が一定ではありません。今は収入も増えてきているのですが、接客業ということもあってコロナ禍のときに収入が少なくなり、キャッシングをしてお金を借りました。まだ借入残高が90万円ほどあり、リボ払いで返済中です。返済が終わったら、今度こそお金を貯めようと思うのですが今からできることなどあれば教えてください。

Mさんの家計簿は…?

手取り29万5600円。手取り額は毎月変動があるとのことです。現在の借入残高は90万円、リボ払いの月々の返済額は現在3万円です。貯金残高は15万円です。

 リボ払いの仕組みは?

リボルビング払い、いわゆるリボ払いとはクレジットカードの支払い方法の一つです。あらかじめ設定した金額を月々支払っていくものです。月々の返済額を一定にすることができるため、家計の管理がしやすいイメージを持たれる方もいらっしゃると思います。

例えば毎月の支払額を5000円と設定した場合、クレジットカードでの買い物を毎月繰り返し、借りている金額が増えても月々の返済額が5000円以上に増えることがありません。

しかし一方で、どのくらい利息を払わなければいけないのか、借りている金額の合計が返済できる金額なのか把握することが難しくなるなどのデメリットもあります。

リボ払いと分割払いの違い

リボ払い
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リボ払いは設定した金額を毎月支払う方法で、分割払いは利用した金額の支払い回数を指定して支払う方法です。

例えば2万円を4回の分割払いで返済する場合、利息も含めた金額を4回支払うことで返済が完了しますが、リボ払いで5000円を毎月定額で返済した場合、利息がかかるため4回では完済できず、5回目に残金を一括返済しないと支払いは完了しません。

利用金額を自身が設定した金額で毎月分割して支払うと、月々の返済額が抑えられるという点ではメリットがあります。しかし、借金をしている意識が希薄になり、家計の中で自由になるお金を余裕があると勘違いしてカード利用などを繰り返し、借金の総額を増やしてしまうことになりかねません。

リボ払いと分割、利息はいくら違う?借入金20万円で試算

リボ払いと分割払いでは、支払い利息の総額にどのくらいの差があるのでしょうか?支払元金が20万円のケースで比較してみました。

【リボ払い】

●借入金額:20万円
●リボ払い:金利16%
●毎月返済金額:5000円(最終月:2670円)
●返済回数:58回
●合計返済額:28万7670円(利息金額:8万7670円)

上記の通り、金利16%で月5000円のリボ払いにした場合、完済まで58回の支払いが必要となります。6年近い返済期間が必要となり、支払い利息の総額は8万7670円です。

【分割払い】

●借入金額:20万円
●分割払い:金利16%(1、2回は金利がかからないとする)
●分割回数:24回
●毎月返済金額:9000円
●合計返済額:23万8232円(利息金額:3万8232円)
※金融庁「借金シミュレーター」にて試算

一方、リボ払いと同じく金利16%で24回に分割して支払った場合、月々の返済額は9000円、返済期間は2年、利息の総額は3万8232円です。

リボ払いと分割払いの利息金額や返済期間を比較した上でリボ払いを選んでいる方は実際には少ないと思います。しかし、もし毎月9000円の返済が可能であれば返済期間も、利息も半分以下で済む分割払いの方が良いのは明らかです。

毎月の借金返済額を一定にする返済手段はリボ払いだけではありません。分割払いの仕組みの方がシンプルでわかりやすく、返済している実感があるため、安易な借り入れやカード利用を防ぐ効果もあります。リボ払いをどうしても利用したい場合、仕組みやデメリットをきちんと理解した上で利用することを検討しましょう。

リボ払い返済3万円の元金と利息の割合

Mさんの現在の借入残高は90万円で月々の返済額は3万円の設定となっています。今月90万円を借り入れて金利を16%として考えてみましょう。返済額3万円のうち、初回の元金の返済は1万8000円のみで、利息の支払いが1万2000円となります。1回目の返済額のうち元金は60%。40%は利息を払っているという仕組みをまず意識しましょう。

支払い回数が2回目、3回目と増えていくと少しずつ元金の返済割合が増えていきますが、支払期間中は金利がかかり続け、支払額には利息が含まれるということを忘れてはいけません。

借金の返済方法を考える際には、返済額に対する元金の利息の割合を意識することがとても大切です。ちなみに3万円の返済ペースだと元金90万円に対して合計返済金額は115万7028円となり、利息金額は25万7028円です。39回の支払いが必要となります。

返済額を2万円に減らした場合の合計返済額と利息はいくら?

仮に月々の返済を楽にしたいと月2万円の返済にしたらどうなるでしょうか。支払い回数は70回となり支払期間が長くなります。返済期間中は金利がかかり続けるので、1回目の返済額2万円のうち元金返済は8000円のみで、利息の支払いが1万2000円を占めます。つまり元金返済は40%で、60%は利息を払っていることになります。合計返済金額は138万3538円となり、利息金額は48万3538円です。

月々の返済を少額にすると、返済残高がなかなか減らなくなります。さらに月々の買い物も便利だから、現金がなくても欲しいものが買えるからと安易にクレジットカードで買い物をし続けると借金の総額が見えにくくなり、お金を貯めることはおろか将来生活が立ち行かなくなってしまうこともあります。月々の返済額を少なくすることが本当に自分のメリットになり、自分にとってより良い選択なのか、よく考えて判断することが大切です。

まずは借金の早期返済を

ローン
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自営業の方の場合、老後の生活費の基本となる公的年金制度の老齢基礎年金の年金額は40年間加入し、保険料免除の期間がなかったとして79万5000円です(67歳以下の方:2023年4月分から)。月額にすると6万6250円ですが、この金額から健康保険料と介護保険料が天引きされるため、月々使える金額はさらに少なくなります。

自営業の方は自分で仕事をやめる時期を決めることができるため、老後も長い期間働き続けることも可能ですが、体調不良やさまざまな要因で働いて収入を得ることが難しくなることも。

収入が多いときは毎月の返済だけでなく繰り上げ返済なども検討してできるだけ早く借金を返済し、お金の不安を軽くして頂きたいと思います。

また、2023年の一人暮らしで働いている世帯における年間の食料の支出金額は56万8295円です。月額約4万7000円となります。※総務省「家計調査家計収支編単身世帯2023年

Mさんはついつい外食をしてしまいがちとのことですが、できる限り外食を減らすなどして、現在の食費7万5000円を一人暮らしの食費の平均4万7000円に減額し、2万8000円を借金返済に充て、収入が増えた月には返済額を増やすよう検討してみてください。仮に、月3万円の返済を月6万円に増額すると、6万円のうち80%の4万8000円を元本の返済にあてることができ、17回で返済を終えることができます。

借金を早く返すことができれば、お金を早く貯め始めることができます。まずは家計を見直し、借金を早く返すことを優先に考えてみてください。

返済を終えたらできるだけ早く生活費の半年以上の貯金を貯めるようにして、緊急時にもできるだけ借金をしなくてもすむように備えておきましょう。

アドバイスを受けたMさんの感想

リボ払いの仕組みをあまり理解していませんでした。できるだけ簡単に借りて、楽に返せればいいと思っていました。簡単に考えていてはいけないですね。まだ若いし、なんとかなるかなと思っていましたが、もうすぐ40代。これを機に、ちゃんと考えようと思います。早く返済すれば、利息も減るし、なにより借金から解放されるので、まず月々の返済額を変え、1000円でも多く返済することを検討します。

家計簿診断を終えて

一般にお金を簡単に借りられるものは金利が高いと考えましょう。お金を借りる目的は生活費なのか車の購入なのか、住宅の購入か、教育費か。借りる目的によっても、さまざまなローンを利用でき、金利は大きく違います。お金を借りるときは、使用目的にあった借り方を検討し、金利や返済方法等についても十分理解した上で、しっかり検討して利用するようにしましょう。まずは早期の借金完済を目指してください。