お金

生涯コスパを考えると「健康をお金で買う」が一番の近道なのか!?

山崎俊輔のライフプラン3.0時代を生きるルール 山崎 俊輔

生涯コスパを考えると「健康をお金で買う」が一番の近道なのか!?

ヘルスマネジメント、意識していますか?

ヘルスマネジメント(健康管理)、意識していますか? 食生活、生活習慣、そして運動習慣について自分なりのヘルスマネジメントをしているでしょうか。

食を楽しみつつもバランス良い食事を心がけ、カロリーコントロールや糖質のコントロールを考えるような食生活のマネジメントはできているでしょうか。

十分な睡眠は健康だけではなく仕事の生産性にも直結します。睡眠時間をしっかり確保したり、生活のサイクルを規則正しくするなどして、体調管理を意識する事はとても大切です。

生活習慣のひとつとして重要なものは運動習慣です。スポーツジムに通っている人もいれば、ウォーキングなどを通じて自然に負荷をかけるような生活を意識している人もいると思います。オフィスでも1~2階の移動であれば階段を使うよう意識するだけで運動習慣としては違いがあるともいわれます。

また、ストレスのコントロールも重要です。ときどきストレス解消をすることはとても大事です。仕事やプライベートでストレスと上手につきあい、ストレスをためすぎないように何か工夫をすることも意識しなければなりません。

先日、ニュースで紹介されていたのは、入浴の習慣の有無が、病気のリスクに大きな影響があるというものです。「そんなことで違いが?」と思うような、ちょっとした毎日の生活習慣の差が、自分の未来の健康を変えてくれるかもしれません。

アラサーになったら生活習慣の見直しを考えたい

20歳代は、「無理がきく」世代でもあります。体力もありますし、回復力もあります。少々の暴飲暴食が体型に影響してこないこともあります。

とはいえ、人間の体はいつまでもそうはいきません。ネットではよく「40歳になったら…」とか「アラフォー(35歳)になったら…」のような記事をみかけますが、実際、加齢による影響はあります。まずはアラサーになったら自分の健康をしっかり考えてみてください。

筆者は50歳代に入ったばかりですが、若い頃と比べてパワーが落ちてきたことは否めません。徹夜をすると翌日に明らかに響きますし、いきなり運動をすると翌日どころか翌々日に体調不良がやってきます。私の場合、運動不足の不摂生も問題で、忙しさにかまけて長年サボっていたことも体調にマイナスの影響が出ていると感じます。

アラサーの年代で、自分の生活習慣をある程度整えておかないと、どこかでガクンと体に影響が出てくることがあります。病気になれば、当然医療費の負担が生じます。体調によっては、より多く稼ぐことも難しくなります。さらに日常生活に影響が出れば行動範囲が狭まってしまいます。

「数十年先のことを考えた健康管理を」と言われても若い人はぴんとこないと思いますので、まずは日々を快適にすることを具体的に意識してみるといいでしょう。

「ウォーキングや運動をすれば気持ちも体もスッキリするので、週に一度は一駅分歩いてみる」

「ご褒美で時々カロリーを摂り過ぎることもあっていいが(ストレス解消でもある!)、その後数日くらいは意識してカロリーを抑える」

「お酒は好きだけど、人と会って盛り上がる時以外、だらだらと口にしないようにする」

など、具体的に考えてみると、実際に役立つ健康管理となってきますのでおすすめです。

社会保険と民間保険は大事だが医療費コストを下げるチャンスは自分次第

ここはお金のコラムですから、ちょっとお金とヘルスマネジメントの関係についても考えてみましょう。

病気やケガのリスクに備える仕組みとしては公的なもの(社会保険)と、民間でやっているもの(民間保険)があります。

社会保険の代表は健康保険です。会社員であれば会社の健康保険組合や協会けんぽに加入しており、健康保険料を毎月納めていますが、これにより実際にかかった病気やケガの経済的負担を軽減することができます。

健康保険証を持っていれば、実際の医療費の3割負担で治療を受けることができます。また、負担が高額になった場合は上限の歯止め(高額療養費制度)があり、天井知らずの負担にならない仕組みもあります。

長期療養で仕事を休む場合も、3分の2相当の収入を最大1年半にわたってもらえる傷病給付金制度があり、無理をせずに治療に専念することができます(自営業者が加入している国民健康保険には療養給付はない)。

さらに自身で民間保険に加入していた場合、加入時に約束していた条件について生命保険や医療保険の契約にもとづき給付が行われます。ただし、まったく病気にならなかった場合は保険料の一部は掛け捨てとなります(いくら戻ってくるかは保険契約による)。

こうしたもしものときの備えを活用することで病気やケガになったときの経済的負担を抑えることができます。しかし、これはあくまで「たくさん負担がかかった場合の医療費」を下げる仕組みです。負担しなくて済むならそれがもっとも安上がりです。

特に生活習慣に関する疾病は継続的な通院を要することも多く、また他の病気を招く恐れもあります。将来にわたって大きな負担となる疾病リスクをできるだけ回避するには、やはり若いうちから自分自身のヘルスマネジメントが必要になってきます。

ジム会費やサプリの購入費用などの一定範囲の出費は、一見すると小さくない出費です。しかし長い目で見た時に医療にかかる出費を下げてくれる可能性があると考えれば、無駄な費用ではないわけです。そういう視点も持つと、自身のヘルスマネジメントへのアプローチも変わってくるかもしれません。

個人差の大きい健康問題、自分と向き合っていこう

このテーマ、難しいのは個人差が大きいことです。タバコや酒をさんざん嗜んだ人が、肺がんにもならず肝臓も壊さない一生を過ごすということもあります。

健康管理に気をつかって適度な運動をしていても、心筋梗塞で倒れてしまうこともあります(心筋梗塞は必ずしも不健康と一致しない)。

人間の寿命や発病については親の遺伝的な形質、単純な個人差も大きく、「○○をすれば、寿命が90歳になることは確実」とか「△△をすれば、絶対にガンにならない」ということはありません。

それでもやはり、傾向としてヘルスマネジメントの意義はあります。医学的な研究や知見から、「病気になりにくい」生活スタイルや「生活がちょっと楽になる」生活スタイルが明らかになってきており、参考にすることは決してムダではありません。

自分の体と向き合い、話し合ってみると、いろいろな変化に気づくことができます。私もサプリをいくつか飲んでいますが、本当に効果はあるのかと疑って時々中断してみて、体調の変化を調べてみることがあります。でもやっぱり体調に違いがあるようで、効果がムダではないことを確認し、継続しています。

自分のヘルスマネジメントのやり方に疑問を持ったときは、たまに違うアプローチを採用してみるのもいいでしょう。もしかすると、よりよい効果が現れるかもしれません。

また、プロのアドバイスをもらってみることも有効です。食生活について、あるいは運動習慣について専門的な知見を得ることができれば、より効果的な健康管理が可能になります。私の友人はスポーツジムでパーソナルトレーナーと一定期間契約をしてトレーニングをしたところ、効果が大きかったそうです(結果として継続的にお願いすることになったとか)。

日本は超高齢社会になりましたが、大切なのは「元気で、長生き」をすることです。常日頃から心身の健康管理をすることはそのための大きな力になるはず。

少しお金を払ってでも自分の心身の健康を「買う」こと、若いうちから心がけてみてはどうでしょうか。