パラレルインカムが「FIREの5倍ラク」なのは⚪︎⚪︎率が高いから
監修・ライター
一度しかない人生。“自分らしく”“豊かに”“自由に”生きたいと思いませんか?
この講座「『パラレルインカム』のはじめ方」では、そうした生き方の実現方法を、身近な生活のお金や会計、経済、資産運用などに関して幅広い見識を持つ「ファイナンシャルアカデミー」の代表・泉正人先生が、わかりやすくレクチャーします。
また3講座が終了するごとに、このメソッドを実践し、自分らしい生き方を手に入れた6名の「パラレルインカム・ストーリー」も紹介。
今、話題の「FIRE」の先をゆく新しいメソッド「パラレルインカム」。みなさんもぜひ、このメソッドを活用して、自由で豊かな人生を自らつくってみませんか?
FIREの「4%ルール」には、落とし穴がある!?
今日からは、なぜパラレルインカムがFIREと比較してラクに実現できるのかについて、具体的な材料を挙げながら考えていくよ。
よろしくお願いいたします!
早速だけど、一般的にFIREの方法として紹介されているものには、どんなものがあるだろう?
株とか、投資信託とかでしたよね?
そう。株や債券、投資信託、有価証券などのいわゆる“ペーパーアセット”で金融資産1億円をつくり、その1億円から配当収入を得て、年間400万円で生活していくというものだよね。逆に言うと、年400万円(月約33万円)の所得を得るためには、1億円の元手(資産)が必要になるということ。
なぜ、1億円の資産が必要なんでしたっけ?
米国株に投資して、そこから得られる配当の利回り基準を4%と想定しているからだよ。ちなみに今は日本の証券会社を通じて、日本にいながら米国株の取引をすること自体はそれほど難しくないけれど、米国株を運用するにはそれなりの知識や情報が必要。英語で公開されている企業の情報をチェックしたり、日本にいながらアメリカのトレンドをつかんだりする努力も必要なんだ。
なお株式投資で利益が出ると、NISA口座を除いては約20%の税金が差し引かれることになるので、手取りはその分少なくなってしまう。
20%はなかなかの金額ですよね。
そうだね。この税金分の約20%をカバーしたい場合、元手となる資産をもっと大きくする必要が出てくるからね。
株は市場の動きに影響されやすい
株などのペーパーアセットは、どうしても市場そのものの動きや政治的要因に影響を受けやすいという性質もあるんだ。
「リーマンショックで、持っていた株が半分にまで暴落してしまった」という話を耳にしたことがあります。実際に損をした経験を持つ人も、もしかすると近くにいるのかも…。
そうかもしれない。そして、こういった金融危機の影響で資産が半分に目減りすると、当然ながら配当も半分以下になる。1億円で年間400万円の収入を得ていくはずが、200万円しか入ってこない状況に直面するわけだ。
収入が半分になるなんて、かなり辛い状況ですよ。
今はたまたま株式投資ブームのような状況にあるけれど、リーマンショック級の株価下落は10年に一度くらいのペースで起きている。だから突然年収が200万円になるというのも今後、普通にあり得る事態なんだ。
それに、1億円の資産が50%減ったとき、単純に資産を50%分増やせばいいかというと、実はそれでは足りないんだよ。
どういうことですか?
5,000万円から50%増やして1.5倍にしても、7,500万円にしかならない。資産が50%減ったとき、元の額に戻そうと思ったら、実は100%増やす、つまり2倍にする必要があるんだ。
うわ~!
本当に、1億円貯められますか?
ところで、当たり前のように「FIREでは1億円を元手にする」と言ってきたけれど、そもそも1億円の資金をつくるのは相当、至難の業だよ。
1億円の資産を10~20年かけて築いていくということは、冷静に考えると、20年かけて1億円をつくる場合、1年に500万円くらい積み上げる必要があるということですもんね。
国税庁によると、日本人の給与取得者の1人当たりの平均給与は433万円(2020年)だから、1年に500万円というのは平均的な給与を得ている人にとって非現実的なミッションだよね。そういった現実をあいまいにしたまま、「1億円をつくれば自由になれる」とスタートしても、なかなか実現は難しいものだと知っておいたほうがいいと思う。
仮にコツコツ貯めて20年かけて1億円の資産構築に成功したとして、果たしてそれが本当に幸せなことなのか、という疑問もありますよね。
その通り。我慢しながら、節約をしながら人生の大半の時間、しかも20~40代という気力・体力ともに充実した時間を資産づくりに捧げ、気力や体力が衰えはじめた段階で経済的自由を得ても、楽しい人生を送れるとは限らないからね。
老後の生活や医療費などの不安はなくなるかもしれないけれど、それが自由な人生なのかといわれると、ちょっと違うようにも思います。そもそも、なぜ1億円をつくっていたのかというと、何かから解放された自由な生活を送るというゴールを目指していたからですよね。自由な人生を送るのが目的なのに、それを達成するために不自由な何十年を過ごすのは本末転倒ですよ。それなら、最初から我慢しないで生きる方法を探したほうが充実した人生が送れるのではないかと思ってしまいます。
では、パラレルインカムの場合はどうだろう。パラレルインカムでは資産所得を得るための手段として、基本的に不動産投資を活用する。不動産の魅力について前回までの講座で話してきたように、FIREで扱う株などと比較すると、収入(所得)も資産価値(資産価格)も安定しているというメリットがあるんだ。
不動産からの収入が安定していることについて、改めて聞かせてもらえますか?
2年間や3年間の「賃貸借契約」があることで、毎月決まった家賃収入が契約に則って入ってくるからだよ。途中解約などもあるけれど、基本的には次の入居時にはまた賃貸借契約を締結するので、そこで定められた収入がほぼ入ってくるんだ。
さらに、なぜ資産価値も安定するかというと、賃貸借契約に基づいた収入が安定していることによって、その収入からの逆算により算出された不動産価格も安定するからだよ。家賃収入が変わらなければ、その資産価値もあまり上がり下がりしないということなんだ。
なるほど。
そして、FIREと比較したもう1つのメリットは「資金効率がよい」ということだよ。
資金効率、ですか。
そう。不動産の物件には数百万円のものもあれば、1億円を超えるようなものもある。大きな物件を購入するには高額の購入資金が必要であり、手持ちの資金だけでは間に合わなくなる。
そこで投資家の多くは、以前の講座で話した僕の例のように、銀行から融資を受けて購入資金にあてるんだ。その結果、手持ちの資金以上の物件を買うことができ、大きな所得を得られるようになる。これが「資金効率がよい」という意味なんだよ。
具体例を挙げていただいてもいいですか?
たとえば3,000万円の物件に、頭金として300万円を出す。家賃は月5万円×4室で、年間にすると240万円の家賃収入が入ってくる計算だ。一方、返済に回しているお金は年間120万円、維持管理費などのお金は年間20万円。
3,000万円の価格に対して240万円の家賃収入が入ってくるとき、利回り、正確には「表面利回り」というものだけど、これは8%。利回りは、満室想定の年間の家賃収入を物件の価格で割り、そこに100を掛けると導き出せるよ。余談だけど、利回りは不動産の収益を測る重要な基準なので、数字を見たときにパッと計算できるようになるのが理想だ。
さて、この3,000万円の物件をJくんが購入したとする。年間に240万円の家賃収入が入ってきて、120万円を銀行に返済して、維持管理費が20万円かかったとすると、手元に残るお金は?
年間100万円ですね。
そう。不動産投資の世界では、家賃収入からすべてのコストを差し引いた手残りを「キャッシュフロー」というのだけれど、このケースでは、キャッシュフローが100万円ということになる。そしてこれが、私たちが目指している資産所得ということになるんだ。
300万円を自分で出したかわりに、年間100万円のキャッシュフローが残る。300万円を使っておよそ3年で回収できる投資は、かなり効率がいいですよね。
「パラレルインカムはFIREの5倍ラク」の答えとは?
ここで「ROI」という重要な指標を紹介するよ。
前回、「投資利益率」であることはチラッと聞いたような…。
そうだね。日本語では「投資利益率」で、「Return on Investment」の略。自分が投じた資本に対して得られた利益の割合を意味し、「利益÷投資額×100」の計算式で導き出すことができるんだ。先ほど話した不動産の事例でいうと、100÷300×100=33.333…、ROI33%ということになる。
それは高いのでしょうか、低いのでしょうか?
株式投資で30%のキャッシュフローを安定的に出すのは至難の業。なので、ROI33%は相当高い数字といえる。株式の世界では神様といわれるような存在のウォーレン・バフェットをもってしても、年間の平均的な利回りは20%前半くらいといわれているから、それと比較してもROI33%は驚異的だよ。
しかも不動産投資の世界では、きちんとした知識とノウハウを身につければ、ROI33%は誰であっても不可能な数字ではないんだ。このROIに注目し、高めていけば高めていくほど、経済的自由に短期間で近づくことができるようになる。
投資の神様レベル以上の結果が得られる可能性があるわけですね。すごい。
FIREにならって年間400万円の資産所得をつくる場合、2,000万円の元手をつくり、1億円の物件を購入してROI20%を実現すれば、達成可能となる。言い換えれば、2,000万円をつくることで年間400万円の資産所得を得られるわけだから、「20%ルール」と呼ぶことができる。
FIREの「4%ルール」では1億円の資金が必要だったけれど、不動産投資の「20%ルール」では、たった2,000万円の資金があれば同じ目標を達成できる。単純に計算して5倍の速さだよ。
なるほど、これが「パラレルインカムはFIREの5倍ラク」という根拠なんですね。
この講座では、好きなコトを制約なくできるための収入として、年間600万円の資産所得をゴールに設定している。その場合、「20%ルール」を適用すれば、3,000万円の元手をつくれば実現できる計算になるんだ。
なんだか、自分でもできるような気がしてきました!
次回は、実際にパラレルインカムを実現した人たちのエピソード「パラレルインカム・ストーリー」をお届けします。お楽しみに!