屋台や花火にも税金がかかる?意外と知らない夏の風物詩の納税事情
夏の訪れとともに、日本各地で開催されるお祭りや花火大会。楽しいイベントが盛りだくさんですが、実はこれらのイベントにも税金の影響があることをご存じでしょうか?屋台のたこ焼きの消費税率はどうなっている?自治会主催のお祭りも税金は納めないといけない?など、今回は、夏の風物詩にまつわる意外と知らない税金事情についてご紹介します。
お祭り屋台(露店)の商品にも消費税は含まれる
お祭りの楽しみの一つといえば、屋台での買い物です。焼きそばやたこ焼き、金魚すくいなど、バラエティ豊かな商品が並びますが、これらの商品にも実は消費税が含まれている、ということをご存じでしょうか。実際に屋台で販売される食品や飲み物にも、一般の店舗と同様に消費税が課されています。
屋台の商品の消費税率は10%もしくは8%
屋台と一口に言っても、金魚すくいなどの物販については10%の税率が課せられます。一方、たこ焼きや焼きそばなどの飲食関係は8%の軽減税率が適応されるのか、もしくは標準税率の10%のどちらが適応されているのか微妙なところです。一般的にはスーパーなどで購入する持ち帰りの食品は軽減税率が適応されて8%、飲食店で食事をすると標準税率となり消費税は10%が課せられます。
屋台の場合は事業者自身が用意していなくても周辺に椅子やテーブルなどの設備があれば10%、なければ8%というように判断されることが多いようです。同様にショッピングセンターなど施設側が椅子やテーブルなどを用意しているようなケースでは、屋台やキッチンカーなどの税率が10%となっている場合もあるようです。
ただし夏祭りなどの屋台では椅子やテーブルなどの設備もなく、価格についても「1個800円」「1パック1000円」といった形式で表示されており、屋台が税金の表示をしていることは皆無といって良いでしょう。現実として税率が8%なのか10%なのかは消費者には分からないのが実情だといえます。
自治会の夏祭りの税金(法人税)の取り扱いは?
住んでいる町やマンションなどの自治会は「人格のない社団等」に分類されます。「人格のない社団等」は法人格を持っていない団体ですが、税金に関連する法律では「法人」とみなされます。そのため収益事業を行い利益が出た場合は法人税が課されます。なお人格のない社団等が行う収益事業としては、以下に該当する事業が挙げられます。
・委託契約等による事業
・事業場を設けて行われる
・継続して行われる
上記のいずれかの項目に該当していれば、得られた利益に対して課税されます。そのため夏祭りなどの屋台のように継続的に行われるものでなければ、利益が出たとしても法人税は課税されないと考えられています。
自治体主催の花火大会も消費税・法人税が発生する?
自治体が運営主体になって花火大会などを開催し、利益が出た場合は法人税や消費税が発生します。例を挙げると、東京都世田谷区では区が事務局を担当した4つのイベントで法人税や消費税の申告漏れが発生し、税金の追納を行いました。また最終的なことははっきりしていませんが、延滞税を支払う可能性もあったようです。このように自治体などの公的機関が主催になっても、収益事業に該当すれば納税の必要があります。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の影響で夏祭りが開催されない時期もありましたが、徐々に以前の姿を取り戻しています。屋台は夏祭りに欠かせないもので、多くの人が楽しみにしています。普段の買い物では消費税を意識する人も、夏祭りの屋台ではあまり考えないことが多いでしょう。ただ屋台の価格の中にも消費税が含まれているということを知っておくと、少し違った視点で楽しめるかもしれませんね。