納めている所得税や消費税はどこへ?いまさら聞けない税金の使い道
会社員や公務員、パート・アルバイトとして働いていると、毎月1回、強烈に意識するのが税金です。所得税や住民税などが「こんなに引かれている!」と思っている人も多いでしょう。少なくない金額が引かれている税金ですが、今回は国民から集められた税金の使い道について解説していきましょう。
税金は計47種類
私たちの生活で目にする機会が多い税金として所得税や住民税、消費税や自動車税などが挙げられます。そのほかにも様々な税金が設けられており、財務省の資料では全部で47種類の税金が挙げられています。
なお税金は国が集める国税と、地方自治体が集める地方税に分かれています。国が集めている国税と地方自治体が集めている地方税を合わせ、令和6年度は118兆5845億円と見込んでいます。
税金は何に使われている?
できれば少ない方が良いと思うのが税金ですが、国民から集めた税金は何に使われているのでしょうか。国や地方自治体は、国民が安心して快適な生活を送るために公共サービスや公共施設、各種のインフラを提供しています。このような公的サービスを提供するための費用に税金が使われています。
わかりやすい例をいくつか挙げてみましょう。
例1)国や地方公共団体が負担している、公立小中高の生徒における一人あたりの1年間の教育費
小学生:975,000円
中学生:1,122,000円
高校生:1,063,000円
上記の費用には施設の費用や水道光熱費、先生たちの給与などが含まれています(参照:国税庁「税の学習コーナー」)。
例2)市区町村が行うゴミ処理に掛かる費用
2020年度の数字では、年間で一人あたりおよそ1万9700円でした。自治体によっては専用のごみ袋を購入していますが、それ以外にも高額な費用が税金でまかなわれています(参照:国税庁「税の学習コーナー」)。
例3)生活に必要な道路、洪水を防ぐ堤防などの整備
国民一人あたり年間でおよそ16万円が使われています(参照:財務省「財務省キッズコーナーファイナンスらんど」)。
このように社会で生活していく上で、税金は公共サービスを受けるための会費の一つと言えるでしょう。
税金の使い道は誰が、どうやって決めている?
税金の使い道は、国民が選挙で選出した国会議員や地方議会議員が協議して決定されます。国に納められる税金については、まず、財務省が他の省庁と協力して予算案を作成し、その案を内閣で討議した後、国会に提出します。
国会では、国会議員がその案を討議し、最終的に承認します。都道府県や市区町村でも同様に、自治体の首長が予算案を作成し、議会で各議員が予算案の内容を討議し、承認します。
よって、税金の使い道は国民が選出した国会議員や地方議員を通じて、間接的に国民自身が決定していると言えるでしょう。この予算に基づき、私たちが快適に生活できる環境を整えるための各種サービスが提供されています。これらのサービスがあるおかげで、私たちの生活や社会活動が円滑に営まれているとも言えるでしょう。
税金の使われ方や税制に関心を持とう
税金に対して、どうしてもネガティブな見方が先立ってしまいますが、もし税金がなければ私たちの生活は成り立たないでしょう。税金は豊かな暮らしのための必要経費であることは間違いありません。
税金の使い道や使われ方について、細かいところまでは難しいかもしれませんが関心を持っておくことは重要です。税金の使い道は、私たちが選挙で選んだ首長や議員によって決まります。このことは忘れないようにしましょう。
まとめ
2024年6月から物価高対策として、一人あたり合計4万円の定額減税が行われます(所得税3万円と住民税1万円)。
会社員や公務員、パート・アルバイトなど給与所得者は、源泉徴収されている6月からの所得税の合計金額が3万円に達するまでは徴収されません。また住民税は6月から新年度分の徴収が始まりますが、2024年は6月の住民税は徴収されず、1万円が引かれた金額を2024年7月から11カ月に亘って徴収される予定です。
普段は気にすることが少ない税金のことを考える良い機会にしましょう。