1000万円貯めるには、1日いくら貯めればいい?達成させるコツは
「貯金1000万円」という目標は一見すると大きな挑戦に思えます。しかし、日々の積み重ねで必ず達成できる目標であり、誰でも達成可能な現実的な金額です。そこで今回は、1000万円貯めるための具体的な方法や、貯金を継続するためのコツを紹介していきます。また、貯金を続ける年数別で1日あたりや毎月あたりでいくら必要なのかもシミュレーションしています。
金融資産1000万円超の人はどれくらいいる?
金融広報委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年度)」によると、金融資産保有世帯の全世帯平均額は1678万円でした。回答者の39.2%が1000万円以上貯めているという結果も出ています。
一方で、保有額が1000万円未満と回答した人の割合は56%と、半数以上の世帯が1000万円を貯められていません。小さい金額から並べてちょうど真ん中にくる中央値も600万円でした。
ご参考まで年齢別の平均保有額と中央値は以下のとおりです。
このように、1000万円貯金することは決して簡単なことではありません。しかし、日々の積み重ねで必ず達成できる目標です。次章から1000万円貯めるための具体的な方法や、貯金を継続するためのコツを紹介していきます。
FPおすすめの「チリツモ貯金」のやり方4選
1000万円という大きな目標も、「チリも積もれば山となる」という考え方を取り入れることで現実的な金額となります。日々の小さな貯金を積み重ねる「チリツモ貯金」の効果的な手法をいくつかご紹介します。
先取り貯金
給料が振り込まれたら、最初に一定額を貯金口座に移す方法です。あらかじめ貯金額を確保することで、使いすぎを防げます。毎月の家計のやりくりは、余ったお金を貯金する「収入-支出=貯金」ではなく、「収入-先取り貯金-固定費=日々の買い物をやりくりして支出」の方が貯まりやすくなります。
小銭貯金
日々の買い物で出た小銭を貯金箱に入れる手法です。無理のない金額で始められ、意識せずに積み立てられます。500円玉や100円玉など、特定の硬貨を貯めるルールを決めるとより効果的です。毎日の小さな積み重ねが、長期間で大きな金額に育ちます。
つもり貯金
「外食をしたつもりで」「缶コーヒーを買ったつもりで」「新しい洋服を買ったつもりで」と、使う予定だったお金を貯金に回す方法です。他にも「ランチ1000円のところを800円で済ませた」などと少し節約できた分を貯金に回すのもいいですね。
節約貯金
日々の支出を見直し、無駄遣いを減らすことも重要です。先取り貯金をした後、1カ月や1週間の予算を決めてやりくりし、残った金額は貯金するとさらに貯金のペースも上がるでしょう。また、サブスクリプションサービスを見直したり、ポイントカードを活用したりすることでより節約効果を得られるかもしれません。
1000万円貯めるのにかかる期間をシミュレーション
次に具体的に1000万円を貯める期間について考えてみましょう。以下は運用しなかった場合と、運用した場合でシミュレーションしました。
10年で1000万円を貯める場合
運用しない場合:1年間に100万円(月約8.3万円)を貯金する必要があります。1日あたりにすると約2740円必要です。
年利3%の運用を行う場合:毎月約7万円の積み立てで目標達成が可能です(元本859万円、運用収益141万円)。1日あたりでは約2353円となります。
20年で1000万円を貯める場合
運用しない場合:年間50万円(月約4.2万円)の貯金が必要です。1日あたりでは約1370円必要です。
年利3%の運用を行う場合:毎月約3万円で目標達成が可能です(元本731万円、運用収益269万円)。1日あたりだと約1002円となります。
30年で1000万円を貯める場合
運用しない場合:年間約33万円(月約2.8万円)を貯金する必要があります。1日あたりだと約914円必要となります。
年利3%の運用を行う場合:毎月約1.7万円で十分です(元本618万円、運用収益382万円)。1日あたり約565円となります。
40年で1000万円を貯める場合
運用しない場合:年間25万円(月約2.1万円)を貯金する必要があります。1日あたり約685円必要です。
年利3%の運用を行う場合:毎月約1.1万円で十分です(元本518万円、運用収益482万円)。1日あたりでは約355円となります。
このように長期的な計画と適切な運用を組み合わせることで、貯金の負担を軽減することができます。
1000万円達成まで貯金を継続するためのコツ
1000万円の貯金を成功させるためには、継続することが大切です。以下に貯金を継続するためのコツを紹介します。
貯金の目的と金額と期間を決める
具体的な目標を設定することで、貯金のモチベーションが高まります。例えば、「5年後にマイホームの頭金として500万円を貯める」というように、明確な金額と期間を決めましょう。
先取り貯金を心がける
給料日に自動的に一定額を貯金口座や積立投資に回すことで、貯金を確実に継続して行うことができます。余ったお金を貯めるのではなく、最初に貯める習慣が大切です。
節約をする
支出を見直して無駄を省くことで、貯金に回せるお金を増やせます。固定費の削減や趣味・娯楽費の適正化など、無理のない範囲で節約を心がけましょう。今まで家計簿を付けたことがない人は家計簿を付けることでより節約を意識することができるでしょう。
資産運用も取り入れる
ほとんど金利が付かない銀行預金だけでなく、投資信託などの金融商品を活用することで、資産を効率的に増やすことができます。さらにNISAを使えば運用益も非課税なので、資産運用を取り入れる際は活用しましょう。ただし、リスクを十分理解して自分に合った運用商品を選ぶようにしてください。
まとめ
1000万円という金額は決して手の届かない目標ではありません。20代、30代のうちから計画的な貯金を始め、資産運用も組み合わせることで、着実に資産を築いていくことができます。特に意識していただきたいポイントは以下の3点です。
1.日々の小さな積み重ねが大きな結果を生む
2.長期的な計画を立て、目標に合わせて貯金ペースを調整する
3.資産運用を活用して、効率的に資産を増やす方法を検討する
貯金1000万円は遠い道のりかもしれませんが、計画的に小さな努力を積み重ねることで、誰にでも手が届く目標となり得ます。自分に合った方法で貯金を始め、将来の安心と夢の実現に向けて一歩を踏み出しましょう。
※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。