転職したら「確定申告か年末調整か」に注意!忘れがちな税金控除もチェックして
目次
転職はいまや特別ではない時代となりました。読者で転職経験がある方も多いと思います。ところで、転職時に自分で確定申告が必要になるケースがあることをご存知でしたか?
今回は転職と確定申告の関係についてのお話です。また医療費控除や住宅ローン控除に関しても触れていきます。
意外と知らない転職が住宅ローンに与える影響、借入や返済中の注意点
1.そもそも確定申告とは?
日本の税制では、1月1日から12月31日の間の所得に対して所得税という税金を徴収されています。「自分の所得は〇〇万円でした、だから税金は△△万円です」という申告を行うことを確定申告といいます。
ただし全員が確定申告を行うと大変なので、会社員は源泉徴収という仕組みで会社が本人に代わって税金を納め、多く納めた税金があれば11月に行われる年末調整を経て戻ってくるようになっています。そのため会社員であれば、確定申告を一度もしないまま仕事を引退することもあるわけです。
2.転職後、確定申告する必要はあるの?
会社員は源泉徴収・年末調整という手順で所得税を納めており、各種の控除がなければ基本的には確定申告の必要はありません。ただし転職をした場合は少し事情が異なります。
1. 転職後、確定申告の必要がない人
前の会社で発行された源泉徴収票を新しく勤め始めた会社に提出し、新しい会社で年末調整を受けることができた人は確定申告をする必要はありません。例えば4月に前の会社を退職し9月から新しい会社で働き始めた場合、前職の「源泉徴収表」を新しい会社に提出し、年末調整を受ければ確定申告をする必要はありません。また、無職期間中に国民健康保険料を支払った場合、その保険料の支払い証明書を年末調整の際に提出すれば、社会保険料の控除が受けられます。
2. 転職後、確定申告の必要がある人
前の会社で年末調整を受ける前に転職して、12月までに再就職しなかった方や年末調整を待たずに退職・失業状態になった・転職先の年末調整時期に間に合わなかった人などは確定申告する必要があります。これは所得を確定させて所得税や住民税を納める必要があるためです。
3.転職後に確定申告をしたほうが得になる場合とは?
転職をした人だけではなく、会社で年末調整を受けている方でも確定申告をすると税金が還付(税金が戻ってくる)される場合があります。
・医療費控除
・住宅ローン控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
年末調整をした後に「生命保険料控除証明書」が出てきたといった場合は、確定申告をすれば払い過ぎた税金が戻ってくることがあります。
4.転職したら年末調整・確定申告はどうしたらいいの?
会社は、給与の金額・社会保険料・扶養控除や生命保険料控除などの情報を元に年間の所得税を計算して、源泉徴収票の紙にまとめます。源泉徴収票は各社員が自身の年収を確認できるものであり、ほかに所得がある場合や医療費控除を受ける場合などには確定申告の添付資料として使用します。
このように源泉徴収票は会社が本人に代わって確定申告をした結果といえます。もし転職をしているのであれば、源泉徴収票を元に確定申告を行いますので、とても重要な書類となるわけです。
次は、確定申告に必要となるものや書類、申請方法について見ていきましょう。