第十一話「株でお金を育てる!!」
目次
監修・ライター
私、決めました。
つみたてNISAではなく、通常のNISAで、株式投資をします!
どちらかしか選べない「NISA」と「つみたてNISA」。
迷いましたが、「つみたてNISA」は、仕事が忙しくて時間がない夫にやってもらうことにしました。
株式投資・・・不安がないと言えば嘘になります。株で大損!なんてコトも聞きます。
でも、それ以上に目にする言葉・・・
【たった数年で、資産が10倍に! 100倍に!! 数万円が、何千万、何億円に!!!】
本当に、そんな可能性があるのでしょうか。
調べてみますと、一般的に株式益利回りは7%程度と言われているそうです。
7%・・・NISA枠の120万円の7%は8万4000円・・・。それを複利で数十年間運用できたら・・・? じゅるる。
もちろんリスクはあるわけですから、最初にルールを決めておきます。
・教育費、老後資金用の貯金には手をつけず、別でストックする「ゆとりのお金」から資金を捻出する
・「最悪ゼロになっても勉強代だと割り切れる金額」で始める
未来を明るくするために投資をするのに、貯金を削ってしまったら意味がありませんよね。
家族旅行などのために貯めてある「ゆとりのお金」から捻出するとしても、それでもゼロになったらむなしいので・・・。
沖縄旅行を近県の温泉旅行にするくらいの差額だと考え、5万円を捻出することにしました。
まあでも、よっぽど、ゼロになることは、ないですよね。・・・ね?
とりあえず、某ネット証券に口座を開設し、NISA口座も作り、株式投資のドアを開けます。
これだけで、すでにいっぱしの投資家になれた気がします。
が、もちろん気のせいだと、後ほど心底思い知ることになります。
いざ、5万円以下で買える銘柄を検索!
これが、結構あるんですよね。(2018年1月、東証1部の銘柄でも100社以上、東証2部、東証マザーズ、ジャスダックを合わせたら300社以上。)
ただまあ、聞いたことない企業名ばかり。たま~に、知ってる企業を見つけると、うおっ!と嬉しくなります。
「え!? この会社の株も、5万円以下で買えるの!?」なんて驚くような有名企業もあったりして。
「これを買ったら、私、ここの株主になれるんだ・・・」
試しに、「現物買い」のボタンを押してみます。
すると、表示される「買い注文/受付」の画面。
「数量」に1口分の株数(単元株数)を入力します。「価格」は指値(さしね:値段指定)か成行(なりゆき:その時の価格)を選び、指値なら値段を入力。特定口座かNISA口座かを選択し、暗証番号を入力すると・・・。
買い注文、執行開始!
「めっちゃドキドキする・・・ま、まだ買えたわけじゃないんだけど」
指値で、今の値段よりも5円ほど低く指定。
現在値は上がったり下がったり、上がると「あ~逃げられた~」、下がると「よし、もう少し、来い! 来い!」
なんだか、この姿、投資家っていうかギャンブラー?
次第に、グググっと下り・・・指値に到達!
「あ、あれ・・・? 買えた・・・?」
注文画面を確認すると、目に飛び込んでくる「約定」の文字。買えてる! 私、株主だ!
「わあ、やったあ! あ、1円戻った、100円ブラスになってる・・・!! ああ、すごい! このまま上がればどんどん増えていくの・・・ね・・・ああ!? あああああああ!?」
一瞬戻った株価は、そのまま、グググっと下がっていき・・・ちょっと戻っては下り、また少し戻っては下り。
15時。終値は-23円。評価損益額は-2300円・・・
ぱたり、とPCの画面を閉じました。
そう、私は、チャートも見ず、業績も見ず、配当や優待はあるのか落日(※1)はいつなのか、なんてのもなーんも見ないで、株主になってしまったのです。
最悪ゼロになっても勉強代だと割り切れる金額。だけど。私は、何を勉強した・・・?
「こりゃダメだ」
私は、ここからやっと、株でお金を大きく育てるための勉強を始めたのでした。
(※1)落日(おちび):「配当落日」または「権利落日」とも。決算日の3営業日前、株主として登録される権利が確定される日の翌営業日を指す