好きが高じて月商20万円以上を稼ぐ!? 写真を撮影して販売するという仕事の面白さ
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さまざまなwebサイトで使用されているイメージ写真の数々。これらの多くは画像専用の素材サイトで販売されているものです。こうした写真を撮っているのは一体どんな人たちなのでしょうか?
今回は、こうしたサイトで写真を販売して生計を立てる福岡在住のリチャードさん(仮名)を取材しました。
自ら撮影した約9000点の写真を素材サイトで販売
カメラが趣味という方は多いと思います。子どもの写真やペットの写真、鉄道やモデル撮影など、SNSの進展によりさまざまな写真をインターネットにアップして楽しむ機会も増えてきています。デジタルカメラも年々高機能化し、今や素人でもプロ並みのクオリティの写真が撮影できるようになってきました。
今回ご紹介するリチャードさんも、最初から写真のプロフェッショナルとして活躍していたわけではありません。スタートは単なるカメラ好きの青年に過ぎませんでした。好きが高じて懸命にスキルを磨き、今では9000点近い写真を素材サイトで販売しコンスタントに収入を得るようになったのです。
ますますニーズの高まる写真販売サイトの現状
リチャードさんが主に写真を販売しているのは、画像・動画の素材サイト「PIXTA」。2740万点以上の写真やイラストが販売されています。実はPIXTAのようなサイトで購入した写真の使用権は購入者に帰属します。
著作権や肖像権などが厳しく問われている現在、webメディア管理者にとってはPIXTA等から写真を購入したほうが手間も省けて効率的なのです。
リチャードさんがPIXTAで販売している写真は料理や子ども、モデルを使ったビジネスシーンなど幅広く、福岡の風景なども販売しています。
最初に売れたのは「肉じゃが」の写真。1枚500円でした
リチャードさんがPIXTAで写真販売を始めて、最初に売れたのは「肉じゃが」の写真だったとか。販売価格は500円。子どものお小遣いのような金額ですが、自分の実力が認められた証のような気がして「とてもうれしかった」と言います。
しかし一方で、写真販売で生計を立てていくのは相当ハードルが高いと実感したのも事実。写真販売は「塵も積もれば山となる」世界であるため、10枚~100枚程度の写真ストックでは厳しいと感じました。
そこからクオリティの高い写真を何百枚何千枚と撮り、アップする繰り返し。ようやく軌道に乗り始めたのは、最初に写真をアップしてから3年が経過していました。
売上は月間平均20万円以上。Webで「使われる」写真を撮るコツは?
PIXTAで売れている写真にはある共通点があります。それは”買う人のニーズを満たしているかどうか”。つまり、どれだけ美しい写真を撮ったとしても、ニーズが無ければ売上には結び付かないのです。
実際、Webで使用される写真の多くは何かしらのイメージを連想させるものです。写真を見た人に喜怒哀楽などのイメージを思い起こさせ、より深い理解や感動を与える役割を果たさなければならないのです。
例えば幸運の象徴である四つ葉のクローバーは、それ単体ではあまりイメージが深まりません。そこで、リチャードさんが考えたのは、四つ葉のクローバーがどこまでも続くように見える写真を撮影し、見た人に「永遠に続く幸せ」をイメージしてもらうことでした。
このように「『写真を見た人が何をイメージするか』という着眼点が撮影する上でとても大切」と、リチャードさんは話します。よりイメージしやすい写真を掲載するようになったことから、現在の安定した収入につながりました。
カメラが良ければいい写真が撮れるわけではない。「センスを磨く」方が大事!
プロフェッショナルとして活躍するためには、カメラに対する投資を惜しまないのは当然です。安くなったとはいえデジタル一眼カメラは数十万円するものが多く、レンズを買い揃えるにもそれなりの投資が必要でした。
こうした機材への投資は、「カメラ沼」ともいわれる、多くのカメラマンが陥りがちな底なし沼なのだそう。
リチャードさん自身も比較的高価な機材を購入して仕事に臨んでいますが、投資額が大きければ大きいほど写真が売れるというものでもありません。「投資額よりも顧客のニーズを満たしたイメージの写真を撮るセンスの方が大切」と言います。これから写真販売に取り組んでみたい方は、「機材をそろえるよりもセンスを磨く方が大事」とアドバイスをくれました。
また、モデルや撮影場所の確保も重要な要素です。プライベートな写真なら問題ありませんが、PIXTAなどのサイトで販売するとなると、さまざまな制約が生じます。事前に撮影場所の許可を取ったり、必要なモデルを手配したり、こうした事務仕事も疎かにできないとのことで、現在、こうした手配を請け負ってくれるパートナーを探しているところだとか。
「より多くの人に自分の撮影した写真を見てほしい」。カメラ好きなら誰もが思うこの気持ちをビジネスにつなげているリチャードさん。今後は「より強く福岡をイメージさせる風景写真も多く撮っていきたい」と意気込みます。さまざまなwebサイトでリチャードさんの写真を目にする機会が、これからもっともっと増えていきそうですね!