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築100年の家を夫婦が暮らしやすいよう和モダンにリノベ!あえて変えなかった場所も

2000万円でかなう͡コト 松山 真介

築100年の家を夫婦が暮らしやすいよう和モダンにリノベ!あえて変えなかった場所も

最近注目されている古民家のリノベーション。年月を経た家屋にしかない味わいが魅力ですよね。今回は、リノベエステイト代表・一級建築士の松山真介さんに、約100年前に建てられたという古民家を、現代の生活にフィットするようリノベーションした事例を紹介します。古民家の間取り図、ビフォーアフターもありますので参考にしてください。

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今回ご紹介するのは、福岡県みやま市にある約100年前に建てられたという戸建て。施主のご夫婦は定年退職後、実家であるこの家に戻ることにしたのです。ただ、100年の間に増築を繰り返してきたため、
・家の中心部が暗い
・夫婦2人には広すぎる
といった問題がありました。そこで、増築した部分を撤去して床面積を減らすことに。もとに近い状態にすることにより、構造を安定させるという狙いもあったそうです。

《リノベ前後の間取り図》
間取りビフォー
間取りアフター

そして、こちらがリノベーション前の外観です。
リノベーション前の外観

リノベーション後です。
リノベーション後の外観
昔の面影を残しつつも、すっきりとした和モダンのお宅に変身しました!
「日本家屋のたたずまいが感じられるデザインにし、集落の景観にとけこむよう配慮しました」と、松山さん。1階部分の外壁は、増築部分を撤去したところ現れた土壁を塗り直したものだそう。
リノベーションの工事費は約2000万円です。

リノベーション前は玄関を入ったところに広い土間がありました。
リノベーション前の土間

ここを多目的に利用できるギャラリー空間にリノベーションしました。
リノベーション後 ホール
見違えるほど明るくなりましたね。

多目的スペース
ギャラリーは20畳もの広さがあります。以前は、この上に蔵のような部屋があったそうですが、天井板を抜いて大空間に。太い梁が存在感大です。耐震性能を高めるため、構造用の合板を壁に使いました。そして、右側の白い漆喰壁は前からあったものをそのまま残しています。漆喰と合板の組み合わせがおもしろいですね。

夫婦2人暮らしにフィットするシンプルで使いやすい水回り

水回りもガラリと変わりました。こちらがリノベーション前の浴室です。
リノベーション前の浴室
レトロな雰囲気が漂っています。こちらを​使い勝手のいいユニットバスに変えました。

リノベーション後の浴室
窓が大きくて開放感のあるバスルームです。設備も最新のものに変えています。

リノベーション後のLDK
こちらはリノベーション後のLDKです。
夫婦2人暮らしとのことで、コンパクトな台所に。無垢の床材と白を基調としたキッチンでさわやかな印象ですね。庭を眺めながら家事ができます。

リノベーションであえて変えなかった場所とは

リノベーションで明るく暮らしやすくなったこのお宅。実はあえて変えなかった場所があります。それは、仏壇を置いている二間続きの和室です。
リノベーション前の和室

こちらがリノベーション後です。
リノベーション後の和室

畳を張り替えたくらいで、建具も以前からあったものを使っています。こちらのお宅はいわゆる「本家」で、親戚が集まる和室はきちんと残しておきたいという施主ご夫婦の希望があったそうです。

日本の伝統的な工法である在来工法は、柱と梁が構造体です。そのため、間取りの自由度が高く、本来はリノベーション向きと松山さんは話します。そこで、今回は残せるものは極力残しつつ、夫婦2人暮らしにフィットする住まいづくりを考えたそうです。

「古い家も、新しい活用の仕方をデザインすることで資産になるんです」と松山さん。ご先祖から引き継いだ家が、リノベーションによって新たな命を吹き込まれました。きっと次の世代にも引き継がれていくことでしょう。

※【画像・間取り図出典元】いずれも「リノベエステイト」

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