くらし

えっ、照明でこんなに変わる?劇的リノベに学ぶおうち時間充実計画!

1500円でかなうコト 松山 真介

えっ、照明でこんなに変わる?劇的リノベに学ぶおうち時間充実計画!

間取りは? フローリングの色は?

マイホームを購入する時にこだわりたいポイントはたくさんありますよね。だけど、意外に見落としがちなのが照明です。家族で食卓を囲んだり、仕事から帰ってソファーでくつろいだり、家でゆっくり過ごすのは夜が多いもの。せっかくなら、照明にもこだわってみませんか?

数多くのリノベーションを手掛けるリノベエステイト代表・一級建築士の松山真介さんに、実際のリノベーションの事例をもとに、おうち時間が豊かになる照明について教えてもらいました。

事例1)和モダンの部屋を格上に見せる、間接照明+ペンダントライト

白桃の咲く家 和室

こちらは古い一軒家をリノベーションした家です。間接照明で部屋の格が上がったように感じられますね。モダンなペンダントライトが和室とマッチしています。

白桃が咲く家 リノベーション前

こちらはリノベーション前の家。全体的に老朽化していて、住みにくさもあったそうです。

リノベーション後キッチン

写真上はリノベーション後のキッチン。すっきりした明るいキッチンに生まれ変わりました。さらに、庭の白桃の木を眺められるように窓を新設し、夜でも楽しめるように白桃をライトアップしました。

天井にレールのようなものが設置されているのがお分かりでしょうか? 配線ダクトレールというものです。レール上ならどこでも照明を取り付けられるのでとても便利。例えば模様替えをして家具の配置を変えた時も、それに合わせて照明の位置を変えられます。

配線ダクトレール

レールの色は黒もあるので、空間に合わせて選べます(写真上)。1メートルあたり約1500円(工事費別)と、値段もお手頃。ただし、取り付けには電気工事の資格が必要ですので、設計段階から計画しておく必要があります。

デッキの照明

このオシャレな感じ、まるでお店みたいですね。デッキにも照明を置くことで、リビングとつながっている空間に見え、部屋が広く感じられます。

松山さんは「たとえば、マンションのベランダでも、植物を照らすように照明を置いてリビングの照明を少し落とす。これだけでベランダも第二のリビングのようになり、空間に広がりが生まれますよ」と教えてくれました。

それくらいなら、すぐにも取り入れられそうですね。

事例2)「大人の2人暮らし」を演出するシャープなダウンライト 

スタジオの家 リビング全景

こちらは、築40年のマンションをリノベーションしたもの。施主はご夫婦2人暮らしとのことで、「大人の2人暮らし」がリノベーションのテーマでした。空間をすっきりと見せるために基本的にダウンライトだけで照明を構成しています。「ホテルのラウンジのようなデザインを目指した」(松山さん)との言葉通り、シャープな印象の空間にとてもよくマッチしていますね。

リノベーション前リビング

こちらはリノベーション前のリビング。部屋の真ん中にシーリングライトが1個だけという、オーソドックスな照明でした。

リノベーション前 玄関

さらに、玄関から廊下を、リノベーション前と後で比較してみましょう。

写真上がリノベーション前の玄関。廊下はホールから横に延び、正面に壁があって視界が遮られるため、狭く感じますね。

玄関と廊下 リノベーション後

上はガラリと変わった玄関と廊下部分。玄関から廊下がまっすぐに延び、奥のリビングの窓まで見通せるようになりました。

それに合わせて、照明も工夫されています。シューズケースの下部に間接照明を設置することでプレミアムな空間を演出(写真左)。

さらに、普通は中央に一列につけられることの多い廊下の照明を壁際に設置しました(写真右)。壁に表情が生まれ、高級感がありますね。

リノベーション後 キッチン

最初の物件でも紹介したダクトレールには、実は後付けできる簡易式のものもあります。キッチンカウンターの上、ペンダントライトが取り付けられているレールがそれ。

天井にもともと設置されている照明の配線器具にレールを差し込み、好みの照明を取り付けるだけで、簡単に部屋のイメージを変えられます。

「こうしたダクトレールはホームセンターやインターネットで購入可能です」と松山さん。レールの長さによって異なりますが、価格は約4000円~。

事例3)分散照明と調光で明かりと暗がりをデザインした自社オフィス

リノベエステイトショールーム

こちらは、昨年11月にリニューアルしたリノベエステイトのショールーム。松山さんは「シーリングライトでくまなく照らすのではなく、分散照明と調光を使って、明かりと暗がりをレイアウトしました」と話します。

「でも、たくさんの種類の照明を置くと、スイッチのオンオフや調光が面倒くさそう」と思う方、いませんか?

ライトコントローラー

そこで便利なのが、写真左下に設置されたパネルとリモコン。こちらはライトコントローラーで、これ一つで各照明のオンオフや調光のパターンを設定できます(価格は約5万円)。

調光 一番明るい

調光 2番目に明るい

調光 一番暗い

写真上から、段階的に明かりを落としたショールームの様子。こんなふうに、シーンに応じてワンタッチで変えられます。

スイッチパネル

スイッチパネルもいろんな種類があります。「壁を彩るアクセサリーとして考えてみて」と、松山さん。

照明は、空間の印象を大きく左右するエレメントなんですね。リノベーションするときには照明についてもよく考えたいですね。

また、リノベーションしなくても取り入れられる方法も教えてもらったので、手軽にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

※《画像提供》いずれもリノベエステイト