手取り27万円で、教育費300万円と老後資金3000万円を貯めるライフプラン(後編)
30代結婚2年目、由香さん夫妻のライフプラン。前編では実際にライフプラン表を作成して夫婦の未来を覗いてみました
▽前編はこちら
手取り27万円で、教育費300万円と老後資金3000万円を貯めるライフプラン(前編)
続いて今回は、お金を貯めるための「仕組み作り」について見ていきます。
まずは、絶対にやってはいけないことから。
給与口座での貯金はNG!
「貯金はどのようにしていますか?」の回答で意外と耳にするのが、「給与口座の残高=貯金です」というケース。実はこれ、お金が貯まらない体質を自然と作っています。給与口座で貯金をしている理由は、「何となく」とか、「忙しくて」の他に「低金利でどこに預けても一緒だから」と預け先に興味がないという意見も。
確かに納得・・(涙)
・・ではありますが! 給与口座で貯金をしている家庭は明らかに貯蓄ペースが遅いように感じます。必要なお金をその都度ATMで払い出して、次の給料日までに使わなかったお金が貯金というダラダラ貯金はよくありません。
たとえば、夜に家族と楽しもうと買ってきたケーキがテーブルの上にあります。ずっと目の前にあったら貴方はどうしますか?我慢できずに自分だけ先に食べたくなりませんか? 少なくとも私はそうです(笑)。でも、冷蔵庫にしまっておけば、しばらく忘れて夜まで待てたりするものです。
お金だって同じこと。
この冷蔵庫を未来で楽しむためのマジックボックスとするなら、お金もこのボックスに入れて未来の家族のために取っておくことができます。その手段として最適なのが「自動積立」。今さらですが、資産形成には欠かせない仕組みです。
由香夫妻は、自動積立で、3つのマジックボックスにお金を入れることにしました。
ひとつは定期預金、残りの2つは・・
<マジックボックス2:教育費用>守りの保険と攻めの投資信託
目標:大学までに300万円準備する!
教育費は、国からの児童手当を中心に準備することにしました。
児童手当の支給額は総額で約200万円にもなります。つまり使わずに貯めておけば目標額の3分の2が準備できるのです。残りの100万円は、高校卒業まで毎月5000円ずつ貯めるだけでOK!
由香さんは、「もし夫が死亡した時に学費が準備できなくなるのは心配」とも言っています。そこで、万一の時に払い込みが免除される学資保険を検討。払い込み免除後も当然、児童手当は受け取れるので、その分はさらに貯金に回せます。
ただ、学資保険は、今の低金利での契約が満期まで続くというデメリットを持ち合わせていることもあり、由香さんは「実は、mymoの記事で見かけたニーサ(NISA)にも興味あるの~」と。そこで、「ジュニアNISA」の制度を利用して子ども名義で投資信託に5000円ずつ積み立てることに。
”守りの保険”と”攻めの投資”のハイブリット型で準備することになりました。
「でも、投資信託が元本割れしたらどうしよう・・」と由香さん。
確かに投資は、市場動向などにより運用が左右されます。それなら、もしお子さんが大学入学時に運用結果がイマイチだったら、取りあえず他の貯蓄から立て替えて回復するのを待つのも手です。
<マジックボックス3:老後資金用>長期の資産運用
目標:定年までに3000万円!
老後資金を準備する方法として最強なのが「イデコ(iDeCo・確定拠出年金制度)」です。イデコは、節税メリットが非常に大きいのが魅力ですが、通常は60歳まで払い出せないので無理な積立ては禁物。
由香さん夫婦は、イデコを利用して旦那さん名義で1万5000円/月ずつなら大丈夫と投資信託を始めることにしました。イデコの運用目標を年3%とすると60歳までに約700万円準備できます。後は退職金1500万円と定期預金の積み立てでリタイア資金の準備は万全です。
このように、長期的にのんびりコツコツと積立投資をすることで、ライフプラン表で見積もった貯蓄額より大きく増やす可能性がでてきます。「余ったら何に使おうかな~」なんて考えるとワクワクして資産運用も楽しくなってきますよね。(投資は自己責任です。運用の基本やコツを抑えてから始めましょう。)
また、第1回で作成した由香さん夫婦のライフプラン表は、投資をする前のプランです。今後、資産運用を取り入れることでよりゆとりあるマネープランが期待できるようになります。
由香さん夫婦にステキな未来が訪れますように~!
※この記事は、ライフプランの基本的な考え方を示すために簡易的に作成、アドバイスしたものです。どうぞご容赦ください。
▽第1回記事はこちら
【ライフプランの扉】手取り27万円で、教育費300万円と老後資金3000万円を貯めるには?(第1回)