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失業しても安心?退職前に「失業保険の期間や受給額、注意点」を確認

そなえる 権藤 知弘

失業しても安心?退職前に「失業保険の期間や受給額、注意点」を確認

【画像出典元】「iStock.com/PeopleImages」

目次

ファイナンシャルプランナーの権藤知弘です。今回は、ちょっと気になる失業保険についてお話しします。「失業時にお金がもらえる」ありがたい保険ですが、受給期間や給付額は条件によって異なるので注意が必要です。

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1.    そもそも失業保険とは?

皆さんの給与明細に「雇用保険料」という項目はありませんか?この雇用保険料という明細があると、いわゆる失業保険をもらえる資格の一つを満たしていることになります。
失業保険とは正しくは雇用保険(失業給付)の制度で、会社都合での失業で働けなくなった場合だけでなく、自己都合で退職した場合でも、未就労期間(離職期間)の生活費として受け取ることができる制度です。

受給対象者は
①    会社が雇用保険に加入していること。
②    ハローワークを使って再就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、仕事がないこと。
③    離職の日以前2年間に、雇用保険に入っていた期間が通算で12ヵ月以上あること。
*倒産や解雇などにより離職した場合は、離職の日以前1年間に、雇用保険に入っていた期間が通算して6ヵ月以上あること。

なお、雇用保険の適用事業所で31日以上、かつ週20時間以上雇用される場合、労働者の雇用保険加入が義務付けられており、保険料は事業所と労働者で支払います。

2.   失業保険給付額はいくらもらえるの?

保険の申請
【画像出典元】「iStock.com/numbeos」

気になるのはいくらもらえるかですね。
雇用保険で受給できる1日当たりの金額を「基本手当日額」といいます。

この「基本手当日額」は原則として離職した日の直前の6ヵ月に毎月決まって支払われた賃金(賞与等は除いて計算)の合計を180で割って算出した金額(「賃金日額」)のおよそ50~80%(60歳~64歳の場合は45~80%)となっており、賃金が低い方ほど高い率となっています。

また、基本手当日額は年齢区分ごとにその上限額が定められています。現在の上限額は下表の通りです。

平姓30年月改正後の基本手当上限額表
ハローワーク資料より筆者作成

 上限額が決まっていますので、年齢によっては「これだけしか受け取れない!」とがっかりすることもありそうですね。

3.    いつから、どれぐらいの期間もらえるの?

受給期間や受給開始日は離職理由によって異なります。自己都合と会社都合の違いで、受給開始までの時間や受給期間に大きな違いが出てきます。

離職してハローワークで受給手続きをすると、まず「待機期間」が7日間あります。つまり、手続きをして1週間は手当が支給されないということです。さらに自己都合による退職であれば、それにプラスして給付制限期間が3ヵ月あります。会社が倒産したり解雇であったりした場合は「手続き後1週間」で給付されるのですが、それ以外の場合は「3ヵ月+1週間」は手当が支給されないということになります。

この違いはかなり大きいですね。

また受給期間に関しても違いが出てきます。

◆自己都合による離職の場合
自己都合で離職すると、受給期間は90日~最大150日となり、さらに、雇用保険の被保険者期間が1年未満の場合は雇用保険からの支給はありません。

雇用保険の受給期間表
【出典元】「ハローワークインタネットサービス」

◆会社都合による離職の場合
これが会社都合での離職になると、大きな違いがあります。
被保険者期間が1年未満の場合でも、90日までの支給が受けられるようになります。

給付日数表
【出典元】「ハローワークインタネットサービス」

会社からもらう離職票には、「退職理由」の記入欄があります。そこに記入するのは会社側であるため、しばしば退職者が思っていた内容ではないことがあります。

「退職理由」は受給期間に大きく関係しています。万が一、事実ではない「退職理由」で間違った受給日数が決定してしまわないように、必ず離職票の「退職理由」をチェックするようにしましょう。

失業保険で家族も安心
【画像出典元】「iStock.com/gradyreese」

4.   失業中のアルバイトは要注意!失業保険がもらえなくなる場合も! 

前述したとおり、失業保険を利用した場合の失業手当の金額は、働いていたときの5割から8割程度。これでは経済的に厳しい場合も多く、再就職まではアルバイトを検討される人もいるでしょう。

ただし、失業保険の受給資格決定条件には「失業の状態であること」という要件があります。具体的には「就職したいという積極的な意思と、いつでも就職できる能力(健康状態・家庭環境など)があり、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態」であることが必要です。

そのため、失業保険の申請時にアルバイトなどで週20時間以上働いている方は、上記の「失業の状態」ではないと判断され受給できなくなります。「週20時間以上は不可」と時間が定められているのは、雇用保険に加入できる条件が、同じく週20時間以上に定められていることによります。失業時のアルバイトは「週20時間以内」に収まるようにくれぐれも注意してください。(なお、不正な申告をすると受給停止や返金を求められます)

5.    まとめ

失業保険は仕事を辞めたときの生活を支えてくれる大事なセーフティーネットです。ただし、受給にはさまざまな要件があることがお分かりいただけたでしょうか?

若い方や現在の勤務先での勤務期間が短い方は、受給できる金額が少ない・そもそも受け取ることができない可能性などがあります。自己都合で退職する際、失業保険をアテにしすぎてしまうと生活設計が大きく変わる可能性があるので注意してくださいね。

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