お金

20代と40代ではどう違う?年代別お金の貯め方・増やし方をFPが指南

ふやす 白浜 仁子

20代と40代ではどう違う?年代別お金の貯め方・増やし方をFPが指南

【画像出典元】「iStock.com/Petar Chernaev」

一口にお金の貯め方、増やし方と言っても、年齢や家族構成など、状況によって気を付けたいポイントは変わってきます。そこで今回は、20代~40代との年代別に、また、独身か既婚か別にお金をどう貯めるか、増やすかといった方法を紹介します。


お金を増やす10の方法~ランキングからリスクまですべてまるわかり

お金を貯める・増やす方法は大きく分けて3つ

お金を増やす・貯めるには3つの方法があります。一番は働くこと。これに勝るものはありません。次に、お金を使わないこと。支出が抑えられればどんどん貯まります。ただ、この2つは限界がありますよね。24時間働くわけにはいかないし、毎日電気もつけずに、食事もとらずになんてムリです。だから今度は自分だけでなく、お金にも働いてもらう(資産運用をする)という3つ目の方法が浮上します。

資産運用というと、今は税金がお得になるNISA・つみたてNISAやiDeCo(イデコ)という制度が注目されていて、私もまずはそれを優先的に検討してほしいと思います。他には、投資タイプの保険や、金利が上乗せされる社内預金、財形貯蓄、国債、上場会社に勤めている人は持株会も選択肢です。これらのどのように活用するかは人それぞれ。ここでは、その一例として、その世代世代で取り組みやすそうなものを紹介していきます。

<20代>キャリアアップと同時にやりたいこと

株取引をする男性
【画像出典元】「iStock.com/g-stockstudio」

社会人になって間もない世代で、これから人生がいかようにも変化するときです。この時期は、まずしっかり仕事を覚え、学び、キャリアアップすることがお金を増やすコツ。資格取得やセミナー受講などはお金を減らすことに繋がりますが、これは大事な自己投資。きっと何倍にもなって返ってくるし、何より自分に自信がついたり生きがいを感じたりもできます。

それ以外では、少しずつでいいから資産運用を始めること。月々の貯金の一部を上場企業の株式や債券に投資します。初心者が始めやすいのは投資信託。簡単にいうと、プロが株式や債券を見繕って投資してくれる金融商品です。

例えば、月々給与から3万円の貯金ができるなら、そのうち1万5000円は元本割れしない定期預金(または社内預金・財形貯蓄)へ、1万円はつみたてNISA制度、5000円はiDeCo(イデコ)制度を活用し投資信託へ積み立てるという具合に。これで短期的な資金対策は貯金、中期的な対策はつみたてNISA、長期的な対策はiDeCo(イデコ)と人生の中で用途を振り分けられます。

投資は、勤め先に持株会があるなら少額を自社株で積み立てるのもおもしろいですね。一般に業績が上がると株価上昇が期待できるため、自分の仕事により実が入るかもしれません。

<30代~40代シングル>将来も幸せに暮らせるように配分を考える

独身の方から「欲しいものがあれば我慢せずに買っている」「旅行を好きなだけ楽しんでる」と聞く一方で、「お金に不自由せず暮らしているが、このままでいいのか不安」という声も耳にします。貯蓄のクセをつけているなら残りのお金は好きなように使っていいわけですが、そうでないなら大問題です。

まずは、30代~40代シングルも20代のようにお金の置き場所を考えましょう。シングルのままだった場合の老後を心配して、老後を目指した投資タイプの保険やiDeCo(イデコ)に偏ってしまう人がいますが、それはNG。結婚することになったり、家を買いたくなったりなど状況が変化したときにお金が動かせない(解約できない、または解約したら損をする)ことにもなりかねないのでバランスを考えて。

<30代~40代既婚>専業主婦家庭、共働き家庭。状況に応じて臨機応変に

貯金する夫婦
【画像出典元】「iStock.com/Ridofranz」

既婚といっても、夫が妻や子を扶養しているケースや共働きなど、いろんな生活スタイルがあります。

大黒柱が一人という場合は、特に、万一死亡した場合などのことも考えながらお金を増やしましょう。例えば、毎月2万円しか貯蓄ができないなら、それを全て投資に回すのは無理があるかもしれません。投資は「しばらく使わない余裕資金で中長期的に」が鉄則。

たとえば大黒柱の万一に備えて死亡保障に加入するとき、貯まるタイプの保険を選択する人も多いですが、その場合は円ではなくドルなどの外貨建て保険にして資産運用の要素を取り入れるのも一つです。もともと私は、資産運用と保険は切り分けた方がいいと考えていますが、このような貯蓄や保険にお金を回す余裕がないケースでは選択肢になりうると思います。

また、共働きの場合では、忙しさとお金の自由度が高いことからかえって貯蓄できていないケースもあります。そんな共働き夫婦には、節税と老後の資産形成を兼ねてiDeCo(イデコ)に満額積み立てることをおすすめしたいです。

そして、40代になると教育費がピークを迎える人もだんだん増えてきて、ザルのようにお金が逃げていくときが訪れます。この時期は、今は貯金ができない、むしろ取り崩すときというふうに割り切った方がいいでしょう。可能なら、4月~9月分の給与と夏のボーナスは大学の前期、10月~3月の給与と冬のボーナスは後期の支払いを目指し、これまで貯めた貯蓄が大きく減らないようコツコツ貯金したいところです。

これまで貯めたお金のうち中長期的に残しておけそうなものはNISAやつみたてNISA、iDeCo(イデコ)の制度を利用することも考えましょう。

まとめ

お金は増やすばかりではなく、使わなければ意味がありません。大事な使いどきに向けて計画的に準備をしていきましょう。

人生前半が裕福でも後半しんどい・・なんて嫌ですよね。長期で安定してお金が回るよう、資産運用を取り入れましょう。

※NISA、つみたてNISA、iDeCo(イデコ)については他のコラムでご確認ください。また、投資は基本を勉強して始めることをおすすめします。
FPが語る!つみたてNISAとNISAの違い

投資初心者でも簡単!投資を成功に導く5つの方法

▼関連記事
お金を増やす10の方法~ランキングからリスクまですべてまるわかり

まとまった資金がなくてもOK! 誰もが気軽に始められる「投資信託」