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貯蓄型保険のメリットとデメリットは?「生命保険で貯金」の注意点

そなえる 中村 賢司

貯蓄型保険のメリットとデメリットは?「生命保険で貯金」の注意点

【画像出典元】「iStock.com/Milkos」

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの中村賢司です。

生命保険には、掛け捨て型保険と貯蓄型保険があります。一般的に死亡保険や医療保険などは解約しても保険料が戻らない掛け捨て型が多いのですが、貯蓄型保険は5年満期や10年満期といった保険の満期が来たときや、途中解約をしたときにそれまで支払った保険料が満期保険金や解約返戻金(かいやくへんれいきん)として戻ってきます。

今回はこの貯蓄型保険について、掛け捨て型保険と比較したときのメリットやデメリットについて紹介します。

生命保険の貯蓄型保険ってなに?

生命保険には世帯主が死亡したとき、遺族に対して保険金が支払われるという大きな役割があります。

通常大きな保障を確保するために掛け捨て型保険を選択する人が多いのですが、将来への貯蓄も兼ねて終身保険などの貯蓄型保険を選ばれる方もいます。

そもそも生命保険が普及した戦後の日本では、養老保険という貯蓄型保険が一般的でした。その後、より大きな保障をわずかな保険料でかけることができる定期保険という掛け捨て型保険が販売され、養老保険とセットで販売されるようになりました。

しかし5年満期や10年満期という短い期間では保障が足りないという時代の流れになり、終身保険が発売され、今では貯蓄型保険の代表的な商品となりました。

貯蓄型保険の種類と注意点

1.終身保険

名前の通り一生涯保障が続く保険です。保険金の支払いに備えて保険会社は保険料を積み立てているので、途中で解約するとその積立金が解約返戻金(かいやくへんれいきん)として戻ってきます。

昔は予定利率も高くてかなり魅力的な貯蓄型保険だったのですが、最近は低金利の影響で解約したときの返戻率も元本をわずかに上回る程度です。

より返戻率が高い商品を選びたい方は、低解約型というタイプがあります。

低解約型とは、通常の終身保険に比べると、保険料を支払っている期間の解約返戻金が低く設定されている分、支払期間が終了したときの解約返戻金が高めに設定されています。

通常5年から10年で解約すると元本割れすることがあるので注意が必要です。

説明を受ける老夫婦
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2.養老保険

貯蓄型保険の代表格で、昔から人気の高い商品です。死亡保険金と満期保険金が同額なのが特徴です。死亡保障を準備する際、将来の貯蓄も兼ねて貯金代わりに加入される方が多いです。

最近では予定利率の低下から取り扱っている保険会社が少なく、人気は終身保険にシフトしつつあります。

3.個人年金保険

将来の年金に備える貯蓄型保険で、10年確定年金や5年確定年金など一定期間年金がおりてくるタイプや、一生涯年金がもらえる終身年金タイプがあります。

保険料を払い込んでいる間の死亡保障は、終身保険や養老保険に比べるとほとんどなく、その時の積立金が戻ってくる程度です。

4.学資保険

子供の教育資金を積み立てるために入る保険です。子供の進学とともに育英資金が出たり、大学に入学する前にまとまった資金を受け取ったりすることができます。

また契約者である親の死亡保障も付いており、保険料の払込期間中、万一契約者が死亡したときは保険料の払い込みが免除となり満期保険金を受け取ることができます。

子供の教育資金を積み立てるのにこの学資保険を利用する方もいれば、より高い利回りを求めて先に紹介した終身保険や養老保険などをチョイスする方もおられます。

また、払込期間を15年や10年といったように短くすることで返戻率を高めることができます。

5.外貨建て保険

今まで紹介した終身保険、養老保険、個人年金保険には、米ドルや豪ドルといった外貨で運用している商品もあります。

外貨建ての貯蓄型保険は、円建ての商品に比べて予定利率が高く設定されているため、解約したときの返戻率は、120%~130%と高めに設定されています。

しかし為替リスクがあるので注意が必要です。円高になったときには元本割れすることもありますので、リスクを十分に理解してから検討するようにしてください。

貯蓄型保険のメリットとデメリット 「生命保険で貯金」の注意点

貯蓄型保険には掛け捨て保険にないメリットがたくさんありますが、逆にデメリットもありますので注意が必要です。まずはメリットからみていきましょう。

お金が貯まるイメージ
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メリット①強制的にお金が貯まる

貯蓄型保険一番の魅力は、保障を確保しながら貯蓄ができることです。毎月決まった保険料が銀行口座やクレジットカードから引き落とされるので強制的に貯金ができ、知らず知らずのうちにお金が貯まっています。

なかなか貯金ができないという人は貯蓄型保険に加入して強制的に貯金していくのも良いでしょう。

メリット②長期間もてば利回りは銀行預金より高め

最近、銀行の普通預金は低金利で10年や20年預けていてもほとんど利息がつきません。しかし、貯蓄型保険であればその商品や販売している会社にもよりますが、平均的に1%から2%ほどの利回りが期待できます。

メリット③生命保険料控除で節税

貯蓄型保険も、もちろん生命保険料控除の対象となります。年間8万円以上保険料を支払っていれば4万円の所得控除となり、所得税率10%住民税率10%の人であれば、8000円税金が節税できます。これを利息と考えるとさらに魅力的ですね。

ではデメリットにはどういったものがあるのでしょう。

デメリット①保険料が高い

通常の保険に比べるとこの貯蓄型保険は保険料の単価が高く設定されています。同じ保障金額で比較した場合、掛け捨ての保険に比べて貯蓄型保険の保険料は5倍から10倍ほど高くなっています。

よって大きな保障に入りたい方には貯蓄型保険は向いていません。

デメリット②早期の解約は元本割れ

貯蓄型保険は、純粋な貯金とは違い、保険の手数料が掛かっています。その手数料は、早期の解約ほど高く設定されているので、途中解約すると元本割れすることがあります。よって確実に継続できる期間を設定して契約するようにしてください。

デメリット③固定金利の商品が多いのでインフレに対応しない

貯蓄型保険のほとんどが固定金利の商品が多く、銀行の金利よりも高い利回りがメリットといいましたが、逆に将来的にインフレとなった場合、貨幣価値が下がり、保険の価値も下がってしまいます。インフレが心配な方は、固定金利のタイプではなく変動金利のタイプや、外貨建ての商品を選択すると良いでしょう。

不安な顔の男性
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貯蓄型保険はライフプランをよく考えた上で比較検討を

知らず知らずのうちにお金が貯まる、利率が普通預金よりも高めなどのメリットほか、解約すれば元本割れや保険料が高いというデメリットがあることが分かりました。貯蓄型保険を選ぶ際には将来のライフプランをよく考えて比較・検討することをおすすめします。貯蓄型保険の保険料は一般的に高いので、今は毎月のやりくりに問題がなくても将来的にその保険料が負担になることがあります。

実は私のところに寄せられる保険見直しの相談で多いのがこのようなケースです。

独身や子供が小さいうちは2万円、3万円という月々の支払いが負担にならなくても、子供の成長とともに、またマイホーム購入を機に、その支払いが苦しくなってくるでしょう。そしてやむなく解約をすることになり、元本割れをしてしまったという失敗例をよく聞きます。

「保険料の払込期間中に解約すると通常元本割れする」という貯蓄型保険のデメリットを踏まえ、保険で貯金することばかり考えるのではなく子供の教育資金や今後の住宅資金の計画なども合わせて総合的に考えることが大切です。さらに加入する際には、ランキングの高いおすすめの貯蓄型保険を調べ、保障内容や解約返戻金についても比較検討していきましょう。