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失敗例に学ぶ不動産投資、知っておくべき7つのリスクと利益を出す3つのコツ (2ページ目)

ふやす 権藤 知弘

4. 不動産投資で利益を出す3つのポイント

不動産投資にまつわるリスクをいろいろ挙げてきました。ここからは不動産投資で利益を出すためのポイントを考えていきます。

4-1. 立地
不動産投資でまず考える点は立地です。不動産投資のベテランであれば経験と知恵を元に条件がそれほど良くなくても利益を出すことができるとは思いますが、初心者には難し過ぎるでしょう。そうであれば、立地の良い物件で始めることが重要です。もちろん、条件の良い物件は価格が高い・競争が激しいなどの問題があると思いますが、なるべく立地の良い場所から始めましょう。

駅から近い・交通の便が良い(バス・道路)・駐車場が確保しやすい・買い物に便利・学校に近い等が挙げられます。ご自身が生活する中で「どんな場所が生活に便利か?」と考えながら場所を探してみることをおすすめします。

4-2. 物件
投資物件は新築ではなく中古で始めましょう。新築物件は投資初心者には向いていません。新築物件は物件価格にプラスして販売会社の手数料などが上乗せされて販売されていますので初期投資が大きくなります。そうすると投資した金額を回収するのに時間が必要であったり、余分な金利を払ったりする必要が出てくるからです。

また、新築物件を購入し売却をする際も、物件は「中古物件」として扱われます。建築年が新しいと条件は良くなりますが、新築ではありませんので価格の下落が大きいことがあります。

一般的には中古物件は、金額がいったん落ちているケースが多く、投資金額を抑えることができたり、売却をする際も、値段の下落の幅が新築物件よりは少なかったりすることが多いです。

4-3. 収益性
立地・物件を選び、おおよその金額の目安がわかれば利回りを計算していきましょう。
利回りの計算をすることにより、どれぐらいの期間で支出金額を回収することができるのか、どれぐらいの利益を上げていくことができるのかシミュレーションすることができます。

利回りは大きく3つに分けられます。
1. 表面利回り=年間収入÷購入価格
1年間の家賃収入を購入した費用で割った数値です。物件の収益力を大まかに判断するのに便利です。物件の情報を掲載しているサイトなどに表示されている利回りは、表面利回りが多いようです。

2.実質利回り=( 年間収入-年間支出 )÷購入価格
実質利回りは、年間の家賃収入から固定資産税・火災保険料・賃貸管理費・建物管理費・修繕積立金・不動産会社に支払う費用など経費を引いた額を購入費用で割った数値です。

毎年の税金や、管理費等のランニングコストも含めて判断するため、より現実に即した収益力を判断するためのものとしておすすめです。経費がどれぐらい必要かは実際にならないとわからない点もありますが、不動産会社や先輩投資家の数値を参考にしながら試算を行いましょう。

3.想定利回り=年間収入 ÷ 購入価格
満室を想定(予想)した年間の家賃収入を物件購入費用で割った利回りです。区分所有のマンション1室であれば表面利回りと同じ数字になりますが、アパート1棟などの複数の居室がある場合は、利回りの最高値を表していることになります。

利回りを計算していくことにより物件の収益性の目安が出てきますので、実質利回りで5%程度が最低でも確保できると良いでしょう。

ただし、立地や建物の条件が悪いゆえに物件価格が安くなっていることがありますので、注意が必要です。物件価格が安くなると利回りは良くなりますので、利回りだけが全てではありません。

立地・物件・収益性のバランスを考えながら不動産投資を行っていくのですが、その他に大事な部分として「手離れがいいこと」は外せません。手離れがいいというのは売りやすい物件のことを指します。所有している物件を売却したくなったときには、買い手を探し売りたいときの手離れが良いことが重要です。

また、不動産投資を行うにあたって重要なパートナーである管理会社選びも大事です。不動産投資は不動産を取得したら終わりではなく、日々の管理業務が欠かせません。また、賃貸付けと呼ばれる入居者を募集したりする業務などさまざまな付随業務もあります。

特に、アパートなど複数の部屋の管理業務を投資家が直接行うのは大変ですし、繁雑な業務も多いので、管理業務を専門にしている不動産管理会社に管理を委託することが多くなります。

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5. 不動産投資はリスクを把握して慎重に

不動産投資は、うまく物件の運営ができると長期的な安定収入が望めるので魅力的です。
ただし、投資する金額が他の投資に比べて大きい・借り入れする・現金化が難しいなど不動産特有の事情があります。どの投資にもいえますが、投資にリスクは付き物です。低すぎる利回りや割に合わない管理費などの支出に注意を払うことはもちろん、失敗例を参考にしながら現物不動産への投資は慎重に行いましょう。

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