初心者にプロがおすすめする資産運用の方法とは?投資の種類やリスクも解説 (3ページ目)
2-7 株の売買
株式投資の醍醐味はなんといっても、キャピタルゲイン(売却益)です。安い価格で買って高い価格で売る、理屈はわかっていてもこれがなかなか難しいのです。
デイトレーダーのように毎日パソコンの画面とにらめっこしながらマーケットを見ることができる人であれば良いですが、ほとんどの方が日中は仕事に従事しマーケットを細かくチェックすることができません。
また、日々の株式市場ではプロの投資家も利益を狙って株式の売買をしていますので、そのプロに勝つことは至難の業といえます。
よって、FPとしては株の売買で利益を狙うことはおすすめしません。初心者の方が株式投資をする場合は、先に紹介した配当金や株主優待を狙って長期保有することをおすすめします。
企業の業績をチェックすることはもちろんですが、自分が好きなブランドや応援したい企業などに投資するのも一つの方法かもしれません。
2-8 金/プラチナ取引
今まで紹介してきた投資方法とは違い、現物資産を保有することができるのが、金/プラチナ取引の魅力です。
現物資産なので数に限りがあります。例えば金。地球に存在する金はわずか23万トンといわれており、50メートルプール3杯分しかありません。このように希少性の高い貴金属が、宝飾品や精密機械などに使われているだけでなく、投資対象にもなっているのです。
希少性が高いということは、人気が集まればその分価格は高くなります。それが金/プラチナ投資の魅力で、価格は昔から比べると右肩上がりで上がってきています。
しかし、金投資は買ったときの価格と売ったときの価格の差額しか利益を得ることができず、保有し続けても利子や配当などは一切ありません。
でも、金の延べ棒一つ持っているだけでなぜかお金持ちになった気分になりますね。ちなみに金の延べ棒(1キログラム)は約500万円で購入することができます。
2-9 iDeCo(イデコ)
iDeCo(イデコ)とは、“個人型確定拠出年金”のことをいい、将来の年金を自分で運用して積み立てる自助努力の年金積立制度です。
iDeCoの最大のメリットは、掛け金が全額所得控除になるということです。生命保険会社が販売している個人年金保険に加入しても、最大4万円の所得控除にしかなりませんが、iDeCoの場合掛け金全額が所得控除になるので、その節税効果は絶大です。
また運用益も非課税になるので、つみたてNISAと並んで長期投資に向いているといえます。
ただ一つ注意しなければいけない点は、60歳まで積み立てたお金を下ろすことができないということです。いわば、鍵のついた貯金箱に毎月貯金をしていくイメージです。
iDeCoのもう一つの特徴は、運用商品を自分で選ぶという点にもあります。とても良い制度なのですが、二の足を踏んでいる人たちの最大の理由は、この運用商品をどれにしていいかわからないということが多いように思います。
自分でポートフォリオを考えられない人は、バランスファンドなどを選んでおくと良いでしょう。もちろん著者もiDeCoは利用しています。とても良い制度なので、投資初心者の皆さんにもおすすめします。
3.資産運用の初心者が知っておくべき投資のリスク
今までさまざまな資産運用の方法について述べてきましたが、資産運用には良いことばかりではなく、リスクもあります。
リスクというと、為替リスクや価格変動リスク、カントリーリスクや金利リスクなどその価格が変動する要因のことをいうこともありますが、資産運用の世界でリスクとは「不確実性」という意味もあります。
購入した価格が上がったり下がったりするブレ幅のことをリスクといい、この価格の値動きがないとリターンも生まれません。
また、価格が下がることだけをリスクというのではなく、価格が上がることも資産運用の世界ではリスクといいます。
一般的にリスクが大きいとリターンも大きく、リスクが小さいとリターンも小さくなります。ハイリスクハイリターンという言葉を、皆さんも耳にしたことがあるでしょう。
初心者の皆さんはうまくこのリスクと付き合うようにしてください。
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4.初心者が資産運用を始める際に気をつけるべき注意点
資産運用が初心者の皆さんに気をつけてほしいことは、「短期の利益は期待せず長期で資産運用を考えていく」ということです。
初心者の方は、どうしても短期的な価格の変動に一喜一憂してしまいがちですが、資産運用の目的は長い時間をかけて複利の効果を活かし自分の資産を守ることにあります。
私は、積み立てに勝る資産運用はないと思っています。タイミングを見計らって売買をする資産運用ではなく、初心者の皆さんは少額でもいいので、毎月コツコツと積み立てて複利の効果を活かし、投資先は分散させ長期でリターンを狙っていくようにしてください。