家計がギリギリで老後が不安/子供2人貯金なし30代シングルマザーの家計簿
目次
お客さまの家計簿を公開してファイナンシャルプランナー(FP)が家計診断する【うちの家計簿】。今回は子供2人を育てる35歳のシングルマザーでパート勤務の女性Hさん。11歳、8歳のお子さんとの3人家族です。養育費が充分にもらえず、毎月ギリギリの家計で貯金はなし。これからの老後資金に不安を感じておられます。
シングルマザーが生き抜くために知るべき手当やさまざまな免除制度
シングルマザーRさんの相談「貯金なしで子供の教育費と老後のお金に不安」
<Rさんの相談内容>
シングルマザー(43)です。高校生(15)と小学生(6)の子供がいます。離婚前に自身の名義で家を買い、一人で子供2人を育てています。事情で養育費は次男の分しかもらえていません。
生活費や必要支出以外にも、遊びに行きたいとか検定を受けたい、部活で何が必要だなど、日々の出費が多く生活はギリギリです。貯金は今年泥棒に入られて無くなってしまいました。支払いはカードが多く、後から支払いが厳しくなってリボ払いに変更することもあります。
長男は今後、大学に行き留学もしたいと言っています。子供2人の学費や住宅ローンを払いつつ、自身の老後資金も必要なのに毎月支払いがギリギリで、ボーナスも返済や出費が多く不安を感じています。今後どのように貯めていけば良いでしょうか。
<Rさんの毎月の家計>
●収入/給与手取り28万円、養育費6万円 (ボーナス年間120万円)
●支出/基本生活費約27万円(食費、光熱費、住宅ローン、教育費、保険料)
●年払いが必要なもの
・自動車保険年間約13万円
・元夫からの借り入れ約100万円を5年かけて返済
・カードローン残額60万円(約3万円のリボ払い、余裕があるときは多めに支払い)
貯金を増やすには使途不明金の洗い出しから
Rさんの月の手取り収入は、給与と養育費で34万円。支出は、食費や光熱費、住宅ローンや教育費、保険料などの基本生活費が27万円弱です。単純に差し引くと毎月7万円が貯金できる計算になります。ただ、実際はカードローン残額60万円をリボ払いで毎月3万円返して、残り4万円を部活費、検定試験代、レジャー費などランダムに発生する支出に使っているということではないかと思います。
突発的な支出は仕方ありませんが、部活や検定試験の費用はある程度限られているでしょうし、リボ払いの返済は余裕がないときは最低額の返済ということなので、その場合は、もっと何かに使っているということになります。レジャー費だけでなく雑費のような見えない支出にお金が流れているのかもしれません。
まずは、支出のクセを知るために家計簿を2~3か月つけてみるのはいかがでしょうか。スマホの家計簿アプリを使えば、レシートの写真を撮るだけで自動計上してくれるので、自販機などレシートがもらえない買い物だけ直接入力すれば良い、手間がかからないものも多くあります。「お菓子やジュースのような嗜好品が多くてビックリした」などのような気付きを耳にすることも少なくありません。この使途不明金の内容が分かれば、お金の使い方をコントロールしやすくなるため、貯金の捻出につながります。
毎月の積み立てを始めて安心感を。カードはボーナスで精算を
カードローンの残額60万円のリボ払いについて、早く返したいというお気持ちはよく分かりますが、それでは日々の生活が窮屈で不安なままです。ボーナス時の決まった支出は住宅ローンと自動車保険で年間33万円のようですので、たとえばリボ払いで毎月最低額だけ返して、残りは2回分のボーナスで完済してしまうのはいかがでしょうか。
このように月の生活費とカードローンの返済をできるだけ切り離して考えることができれば、月々貯金する余裕ができるため、毎月自動引き落としでの積立定期を始められます。そうすれば子供のために毎月継続的な貯金ができているという安心を得ることもできます。
カードのリボ払いは日々の買い物分とのことですが、月払いができなくなるような使い方は危険です。Sさんのご収入は、決して少ない方ではありません。使途不明金を明確にしてお金の使い方を整理し、カードでの買い物は家計が安定するまでやめて管理しやすい現金で買い物をしましょう。
一人当たりの教育費に目安をつける
家計を見直して子供の教育費を毎月3万円、ボーナスで30万円貯金できるようになれば、年間100万円近く貯められます。長男が大学入学までの約3年で今の貯金や学資保険の満期金(200万円と仮定)と合わせれば600万円くらいは準備できます。
もし、毎月5万円、ボーナスで40万円の貯蓄ができるようになれば、年間140万円貯められるため、その場合は長男の大学入学までに720万円準備できる計算です。
国立大か私立大か、自宅外の通学か、またどこにどのくらいの期間留学するのかにもよりますが、次男の教育費も考えると、一人にかける学費の目安を立てる必要もあります。不足する場合には奨学金を検討することが必要です。
長男で貯金のほとんどを使って、次男は奨学金となると不公平が生じます。貯金可能な金額を目安に、サポートできる範囲とそれを超える費用がかかる場合はどうするのかなど、子供の意向も聞きながら考えていくと方向性が見えてきます。
シングルマザーが生き抜くために知るべき手当やさまざまな免除制度
貯金なし40代シングルマザー/子供の教育費と老後の資金、お金が不安
老後資金は、子供の独立後にラストスパートを
老後の生活費については、しっかり収入を得ていることから、厚生年金もそれに見合う額が受け取れ安心です。公的年金の受け取り見込み額はウェブサイト「ねんきんネット」で確認するといいでしょう。個人年金保険などにも加入されているので、退職金も含め、まかないきれないようなら、子供が独立した後に、貯金のラストスパートをかけましょう。格安携帯を利用されるなど工夫もされていますね。その他には、自動車保険をネット系損保会社のものにするなどで保険料を抑えることもできるかもしれません。
まずは、毎月の収入から積立定期ができる体質になることが目標です。そのために、使途不明金の洗い出しと、しばらくはカードでの買い物を現金管理にしてみませんか。お金の流れを整えると、ちゃんと貯金できるようになると思います。
あなたの「FPに聞きたいお金のコト」教えてください
FPに聞きたいお金の悩みを募集しています!専門のファイナンシャルプランナーが記事としてご回答します。
ぜひご投稿ください。採用された方には500円のクオカードをプレゼント!